アニメーター。 京都アニメーション所属(取締役)
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1960年生まれ。慶応大学文学部哲学科卒業。専門用語を使わず、哲学するとはどういうことかを日常の言葉で語る。 著書「14歳からの哲学」は27万部のベストセラーとなった。 2007年2月23日、腎臓癌のため死去。46歳。
当時連載していた「週刊新潮」に死後発表されるよう手配した最終稿に自らの墓碑銘として記載されたことばは、「さて死んだのは誰なのか」であった。
to be continued・・・
ふと、池田晶子氏の著作が読みたくなり購入。 500頁2段組みなので、1,000頁相当の大著であり、ソクラテスシリーズの全作品が入っている。 対話篇という形式は、私という存在を韜晦するのに相応しい。 ソクラテスに語らせながら、「私」という存在を巡って、考えを深めてゆく。 時事ネタもありつつ、私は何者であるのかを問い続ける。 哲学とは考え続けることであり、考えることなしに示すことのできる何かではないということをソクラテスに言わせている。 1,000頁相当の大著を数行にまとめて語ることなどできないけれど、そのまとめられない考える過程こそが哲学なのだということであろう。 また、面白いなと思ったのは、家…
哲学と日常生活が交差する瞬間を捉えた池田晶子のエッセイは、多くの読者にとって心の支えとなっています。この記事では、彼女の代表的なエッセイを紹介し、日常に哲学的思考を取り入れる魅力を探ります。 1. 『言葉について』 池田晶子のエッセイ集「言葉について」は、言語がいかに私たちの世界観を形成し、コミュニケーションと自己理解に影響を与えるかを探求します。日常的な会話から、言葉の選択が持つ深い意味に気づかせてくれる作品です。このエッセイは、コミュニケーションの技術を向上させたいすべての人にとって必読の書と言えるでしょう。 2. 『心について』 「心について」では、池田晶子は人間の内面世界、特に感情や思…
エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』みすず書房 (1999) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想 三重の意味で物足りないものであった。 まずひとつは、文体がやや読みにくい。何を言いたいのか分からない点も少なくなかった。 次に、あくまで主観的な主張から外に行かない。もっと必要な考察があるはずなのに、どこかさらりと終えている印象を抱いた。 自身の力不足もあり、本書からどれくらい引き出しを得られたか、再度ふりかえってみると、やはり物足りない気がしてならない。 しばらく再読はするつもりもなく、本書の読書時間のなかでは次に読む古典は決まらず、模索す…
読んだ本 三砂慶明『千年の読書』誠文堂新光社 (2022) 池田晶子『無敵のソクラテス』新潮社 (2010) 門井慶喜『文豪、社長になる』文藝春秋 (2023) エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起源』みすず書房 (1999) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 定期的に本屋さんへ行っているが、今日はパッとせず、持ち歩いていた本を読むことにした。 とはいえ、本の回転は早いように思う。 新書や文庫は新陳代謝が専門書のコーナーよりかは比較的早いので、つい最近出たばかりだと感じていた本のとなりには新入社員のように、横に沢山並んでいる。 時が経つのが…
お題「この前読んだ本」 禅は、自らがそれを仏とか神とか言いながらも、そのように言われている絶対的なもの、究極的なものの一切を、決して実体的に措定しない不断の運動そのものである。 (178頁) 著者はこのように述べるが、「禅」ではなくとも、「念仏」でも同じである。 念仏は単にとなえることだけではなく、「不断の運動」でもある。 わかる わからない ではない。 最近、一読してみて、様々なことを教えてくれた書籍であった。
読んだ本 池田晶子『新・考えるヒント』講談社 (2004) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 プラトンと池田晶子の共通点は、端的に「読みやすい」。 実感としては、プラトンの『国家』は中学生でも読み通せる。頑張れば小学5年生でも読めるはずである。そうとしか思えない。ところがどっこい、フッサール、ハイデガー、レヴィナスとなるとお手上げである。にもかかわらず「現代哲学は所詮プラトンの注釈でしかない」というのがホワイトヘッドの見方であった。 読んだことがないので分からないが、おそらく「プラトン入門」なる本も、逆にプラトンの本よりも読みにくいかもしれな…
読んだ本 執行草舟『草舟言行録Ⅱ:人間の運命』実業之日本社 (2023) 池田晶子『事象そのものへ![ 新装復刊 ] 』トランスビュー (2010) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 メモ "本を読む場合は、その行間を求めなければならない。つまり、書かれた物質の文字ではなく、書かれることのない魂ということです。今は読書でも知識を得ようとすることが主体になっています。私が言っているのはそうではなく、行間、魂なのです。知識を得ようとすれば、すべてが駄目になります。(・・・)成功思想とか幸福思想があると、読書はただ面倒臭いものでしかなく、真の読書は…
読んだ本 池田晶子『睥睨するヘーゲル』講談社 (1997) ヴォフルガング・カイザー『言語芸術作品 第2版』法政大学出版局 (2015) その他数冊 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 2024年は震災で幕を開けた。 ドトールが17時までの営業であったので、帰宅。 テレビは全て「右へならえ!」の如く地震のニュースを報道。 全局が同じことをする必要性を自分は全く感じない。 これに気がいってしまった。 テレビ局の多様性のなさにだけ着目すれば、日本もどこかの独裁国家とあまり変わらないのではないか? それを直感で感じているのか分かりかねるが、テレビに見切…
読んだ本 ミゲル・デ・ウナムーノ『アベル・サンチェス』 池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版 (2014) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 メモ 『アベル・サンチェス』 ”復讐......、復讐......のなんと甘美なことか!凍りついた心臓にはかくも温かいもの!” P104 (『アベル・サンチェス』) "彼女は単に虚栄心の美しい容れ物に過ぎない......。" P104 (『アベル・サンチェス』) ・・・ 『考える日々 全編』 "道徳と倫理との違いとは、単純明快、強制と自由との違いである。" P59 (『考える日々 全編』) "「生き…
読んだ本 坂本龍一『龍一語彙 二○一一年ー二○一七年』KADOKAWA (2017) ジャック・ロンドン『マーティン・イーデン』白水Uブックス (2022) マックス・ヘイスティングス『ヴェトナム (上) :壮大な悲劇1945-1975 』白水社 (2023) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『龍一語彙』は分厚いので、パラパラめくって気になればそこを読む、という具合に読み進めた。 文学、趣味、イデオロギー、食べ物などトピックが多岐にわたる。 坂本龍一の考え方、思想を覗きみた。 信号のくだりの話は面白かった。 車が通る気配がないのにもかかわら…
読んだ本 吉田健一『文学の楽しみ』講談社学芸文庫 (2010) ピーター・シンガー『私たちはどう生きるべきか』ちくま学芸文庫 (2013) その他数冊 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 久々に長い時間、書店を歩き回った。BOOK・OFFの店内もウロウロしながら本を貪り読んだ。 気になる本はいくつかあった。 白陽社の『WEIRD』や、 ジョセフ・ヘンリック『WEIRD 「現代人」の奇妙な心理』白揚社 (2023) NHK出版から出ている『善と悪の生物学』も気になるところであった。 ロバート・M・サポルスキー『善と悪の生物学』NHK出版 (202…
この度『響け!ユーフォニアム』二次創作連載小説「或る、フルート吹きの青春」を公開する運びとなりました。先ほど第2話まで投稿し、これから約一年間毎週に渡って公開していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、なぜ今回の連載を始めたのか、その理由をお話します。 私はもともと、アニメ評論を主に活動の場としておりました。8年前にコミックマーケットで寄稿したことで執筆デビューを果たし、2018年には無二の友人であるTakashiさんと合同のサークル「さやえんどう」を立ち上げました。そこで最初に刊行した同人誌が『卒業文集~山田尚子・高雄統子を語る〜』でした。早い話が、京都アニメーションの作品を追…
ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ ランキング参加中あなたの世界観を語ろう ランキング参加中ライフスタイル <a href="https://art.blogmura.com/picture/ranking/in?p_cid=11072436" target="_blank"><img src="https://b.blogmura.com/art/picture/88_31.gif" width="88" height="31" border="0" alt="にほんブログ村 美術ブログ 絵画へ" /></a><br /><a href="https://art.blogmur…
ランキング参加中ライフスタイル 「アジール」というのは、「無防備であっても傷つけられるリスクのない場」のことです。 内田樹の研究室 2024.2.19 私は内田樹先生の語りが好きで、結構本を読んでいるが、ある種の人々には刺激があるいは強すぎるかもしれない。 池田晶子さんや森博嗣さんの書かれることもそうだ。読んでいて「あ、この人の考え方は聞いていて自身に気持ちが良い」と思う時、人は本を読むのだろう。 私が教育の場から(学生として)はなれて(別に教育者ではありませんので)偉く時が経ってしまったが、今でも少し「学びたい」という気持はある。 例えば美学。心理学。宗教学。絵は技術として学びたい。 ドイツ…
読んだ本 ピーター・シンガー『私たちはどう生きるべきか』ちくま学芸文庫 (2013) 三宅玲子『本屋のない人生なんて』光文社 (2024) その他数冊 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 「私たちはどう生きるべきか」 この問いについて思うことが幾つかある。 ・そもそも「生きる」とはどういうことか ・そのような問いが生まれるということは、なんらかの超越的な規範が無いことを意味する ・そのような問いが生まれるくらいには余裕のある生活を私たちは送っている そもそも「生きる」とはどういうことか。 それを知っていなければどう生きるかという質問が成立しない…
『終末トレインどこへいく?』公式HPより引用 ©︎apogeego/「終末トレインどこへいく?」製作委員会 www.animatetimes.com 2024年 冬アニメ振返り ①『アストロノオト』(オリジナル) ②『WIND BREAKER』 ③『狼と香辛料 MERCHANT MEETS THE WISE WOLF』 ④『怪獣8号』 ⑤『鬼滅の刃 柱稽古編』 ⑥『この素晴らしい世界に祝福を!3』 ⑦『SAND LAND: THE SERIES』 ⑧『終末トレインどこへいく?』(オリジナル) ⑨『戦隊大失格』 ⑩『響け!ユーフォニアム 3』 ⑪『無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす〜 第2クー…
人生で何かを成し遂げるには、何かを捨てなければならない。成し遂げられるのは、短いぼくの人生でいくつもない。そして目標は一つに絞られる時、一番実現性が高い。これは動かしがたい真理に思える。一つの実現したい目標は何かを考えることは、自分のこれからの人生に不可欠だと思える。 文学か哲学か、という問いを立ててどちらかを捨てることが、一つに絞る過程に入ることになる。ぼくはこれまで文学の方に多くの時間を割いてきた。それでもピークだったのは、高校1年時だった。ぼくは世界文学全集を読みあさって一時期不登校になり掛かった。 哲学にそれほどのめり込んだことはなかった。しかし大学時代にはマルクス主義に傾倒して、梯明…
読んだ本 旧約聖書『ヨブ記』岩波文庫 (1971) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 感想(ネタバレあり) ある日突然ヨブに災難が訪れる。見も心もボロボロ。 現代もなお、誰にでも起こりうる物語であった。 内村鑑三の見解によれば、この物語は誰かがモデルになっている可能性が高いという。 ・・・ ・・・ ・・・ 結論から書くと、最後にヨブは復活し、見事地獄からの生還を果たす。 それは論戦に勝利したからであった。 告発者からとの激しい議論の末に、ヨブが神に対して持っている信仰が神によって認められたということであった。 詳しい解釈などは内村鑑三『ヨブ記講演』…
読んだ本 ロバート・ノージック『生のなかの螺旋:自己と人生のダイアローグ』ちくま学芸文庫 (2024) 須藤靖/伊勢田哲治『科学を語るとはどういうことか:科学者、哲学者にモノ申す 増補版』河出書房新社 (2021) 木下頌子/渡辺一暁/飯塚理恵/小草泰『分析フェミニズム基本論文集』慶應義塾大学出版会 (2022) 松岡正剛/ドミニク・チェン『謎床』晶文社 (2017) プラトーン著作集『〈第6巻 第3分冊 ピレーボス〉善・快楽・魂 (櫂歌全書 18)』櫂歌書房 (2017) その他数冊 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 土日ほど本を読める日はな…
読んだ本 木下頌子/渡辺一暁/飯塚理恵/小草泰『分析フェミニズム基本論文集』慶應義塾大学出版会 (2022) 池田晶子『死とは何か:さて死んだのは誰なのか』講談社(2009) 須藤靖/伊勢田哲治『科学を語るとはどういうことか:科学者、哲学者にモノ申す 増補版』河出書房新社 (2021) 岡野八代『ケアの倫理ーフェミニズムの政治思想』岩波新書 (2024) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 『死とは何か:さて死んだのは誰なのか』 メモ 「生きる」とはーー生存していること、死んでいないこと 「死ぬ」とはーー生存しなくなること、生きていないこと 「生…
読んだ本 プラトーン著作集『〈第6巻 第3分冊 ピレーボス〉善・快楽・魂 (櫂歌全書 18)』櫂歌書房 (2017) トマス・S・クーン『科学革命の構造 新版』みすず書房 (2023) 旧約聖書『ヨブ記』岩波文庫 (1971) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 非常におこがましいが、第二の池田晶子になりたい。 今日はそのような気分であった。 一日に数回は、これだ、というアフォリズムが浮かんでくる。 今それをひとつのノートに集約している。 自分は長編の小説を書く才能はないと確信し始めている。 どうしてあれほどまでに長いストーリーを、連作というか…
「世界に自分に関係のないことはないのだから,「世界を知る」ということは,「自分を知る」ということだ。」(『14歳の君へ』,池田晶子,毎日新聞出版) 14歳の君へ―どう考えどう生きるか 作者:池田 晶子 毎日新聞出版 Amazon ○この世界に存在するすべての物(生物も含め。)は,もとを正せば,たった一つの物が分化・発展する過程の中で派生してきた物と言えます。もともと一つの物だったわけですから,この世界に存在するすべての物は深いところではつながっているはずですし,互いに何らかの影響を与え合っているはずです。したがって,この世界に自分にまったく関係のない物など存在しませんし,この世界を深く知るとい…
【2024年3月17日 大幅に修正・追記】 「なぜ勉強しなければならないんだろう」 僕を含め、そう考える人は少なくないと思います。学生はもちろん、その親御さんも。また、一度は答えが出ても、時間の経過と共に変化していく類の問いでもあります。そこで、答えの手助けになり得る本をまとめてみました。