2019年10月、朔出版から刊行された小林貴子(1959~)の第4句集。装幀は間村俊一。著者は長野県飯田市生まれ。 今年は二〇一九年、令和元年が始まっている。二〇〇八年に第三句集『紅娘』(本阿弥書店)を出してから、十一年も経ってしまった。そこで、まずは二〇〇八年から二〇一四年まで七年間の作品で第四句集を編むこととし、「黄金分割』と名づけた。黄金分割は一つの線分を二つに分ける比率で、ほぼ一対一・六。長方形の縦と横をこの比率にすると最も安定的で美を感じるといわれ、A判・B判の用紙もほぼこの比率になっている。また、自然界にも多くの黄金比が存在する。 今までの歩みを振り返ってみると、「岳」俳句会をはじ…