享保15年(1730)〜天明元年(1781)絵師。 名は暉雄、字は師竜、通所は左近二郎、号は如鬼、鸞山、蛇足軒など。 曾我派の末裔と自称し、蛇足十世を名乗った。 1966年に再発見されるまでほとんど忘れ去られていた。 「美しい」絵画を志向しなかった奇特な絵師。 伊藤若冲、長沢芦雪と共に三大「奇想の画家」のひとり。
1月6日、土曜日。今日も先日に引き続き、青春18きっぷを消化するために少し遠くに行きます。 まぁ、遠くといっても千葉市なのですが、品川駅から千葉駅まで830円もする距離なのですよ……まずは、京葉線を千葉みなと駅で降りて徒歩10分、千葉県立美術館にやってきました。 こちらでは、テオ・ヤンセン展をやっていました。テオ・ヤンセンは、プラスチックチューブと結束バンドなどを使って風で動く巨大生物を作ってしまう方。 この方の展覧会が全国巡回しているのは知っていたのですが、なんかうまく日程が合わなくて、やっと捕まえた感じです。というわけで、風で動く巨大生物、ストランドビーストさんです。 噂通り、巨大ですなぁ…
11月に 相国寺承天閣美術館 「若冲と応挙」第I期応挙『七難七福図巻』 細見美術館 開館25周年記念展I期「愛し、恋し、江戸絵画ー若冲・北斎・江戸琳派」の、ふたつの美術館を一日でハシゴした。 相国寺の承天閣美術館では全期通して、若冲の『動植綵絵』が展示されている。(『動植綵絵』は、1889年に明治天皇に献納されており、現在は宮内庁の所蔵となり、国宝認定されている。2023年11月3日から宮内庁の三の丸尚蔵館が一部リニューアルオープンされ、そちらで本物の『動植綵絵』の一部が公開されていることでも耳目を集めた)相国寺ではレプリカとは言え『動植綵絵』全30幅と、釈迦三尊図が一堂に公開されている。どう…
愛知県美術館で「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」を、また名古屋栄三越で動物写真家の岩合光昭さんの写真展「こねこ」を観てきました。 「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」では、江戸時代の絵師、曾我蕭白(しょうはく)(1730-1781) と彼が師事した、または影響を受けたとされる絵師たち(高田敬輔、寺島良安)の絵が展示されていました。 展覧会のポスターにもなっている唐獅子図は大迫力。唐獅子って架空の生き物(もとはインドライオンが中国に伝わって神獣化して、さらに日本に伝わり狛犬へと変化していった)ですが、蕭白の描く唐獅子も人物もみんな目や鼻がまん丸でどこかユーモラスで、ちょっとグロテスクでもある。なんか「…
2024年4月21日(日) 自転車で30分。ずっと行かねばと思っていた上野の東京国立博物館へ。 総合文化展(平常展)、料金は1,000円。 まずは日本の美術、工芸が展示されている本館から。 彫刻ブース。数は多くないがどれも素晴らしい。日本の木彫りの彫刻は本当にアメイジングだ。 陶磁ブース。美しいだけのものは興味がなく、へうげものに見惚れる。 ゆがんでいるのが良い。 解体新書。 浮世絵の体験コーナー。順番にはんこを押していくと… 完成する。よく考えられている。ちなみにお土産に持って帰ってよい。 當麻曼荼羅図。奈良の當麻寺で中将姫が一日で織ったという當麻曼荼羅。これを原本として、こうした転写本がた…
特別展 雪舟伝説ー「画聖(カリスマ)」の誕生ー ■2024年4月13日〜5月26日■京都国立博物館 京博は本展のチラシのなかで「雪舟展ではありません」と少しイケズな言葉を記していました。たしかに雪舟自身による作品の比率は全体の半分にも及びませんが、雪舟筆とされる全ての国宝6件や重要作が一堂に会するこの「雪舟伝説」展は、規模と質、その両面からみて本来は十分過ぎるほど「雪舟展」と名乗って良い内容をもっていると思います。圧倒的な感銘を受けました。 www.kyohaku.go.jp 大規模な特別展ですが会期は1ヶ月半程度と限られています。しかしその「短さ」を京博は逆手にとるかのように粋な措置を講じて…
2日目午後 岡崎に戻ってきました。 京セラ博物館で開催中の村上隆展を見るためです 正直現代美術はよくわからないけどまあ行ってみるかって感じです。 インスタで何度も見たやつ 曇りだったけどリフレクションもありつつ 中に入っていきなりどーんと 阿さんも 人を入れずに撮るのは無理でした。 と、ここまでは何と無料!! 入場料2200円払ってまず飛び込んでくるのは洛中洛外図 凄かったー とても全体図は撮れず 適当に書いてるかと思ったら細かい指示図を後で見ることに(こだわっているんだー!) これも素敵 四神とは青龍・白虎・朱雀・玄武ですね 真ん中にあるのは六角堂だったかな これは何だったかな? 風神雷神 …
スマホの一日のスクリーンタイムが10時間を超えていて、いい加減デジタルデトックスした方がいいと思っています。(できない) 10時間も何を見てるんだって、見てはないんですよ。反芻思考(過去の嫌なことを鮮明に繰り返し思い出すこと)でいつもぐるぐるしているので、それを誤魔化すためにYouTubeをラジオがわりに垂れ流しにしています。 でも頭の中にあるものが反芻思考かYouTube かというだけで、いつもザワザワ忙しいのは変わりないんですよね。いつも浮ついて何かに急き立てられるような気持ちでいる。凪のように静かで、心が綺麗に片付いた状態で、何の憂いもなく一日過ごせたら気持ちいいだろうなあ。悟りを開きた…
東京京橋の木之庄企畫で谷口ナツコ個展「日常の極楽」が開かれている(3月21日まで)。谷口は1968年北海道生まれ。今までギャラリー砂翁、デザインフェスタギャラリー、ヴァニラ画廊、スタジオ・ゾーン、アンド・ゾーン、ギャラリー・テオなどで個展を開き、また海外では香港、イタリア、台北、北京、シンガポール、アメリカなどのグループ展に参加している。クリスティーズにも出品され、国際的な画家となっている。2016年以降アートコンプレックスセンターで個展を繰り返してきた。 「LOVE蕭白」 「LOVE蕭白」 「LOVE蕭白」の部分 「LOVE蕭白」の部分 「LOVE蕭白」の部分 「LOVE蕭白」の部分 「LO…
京都の京セラ美術館で開催されている「村上隆もののけ京都」展を見てきました。 会場にはいる前に邪鬼を踏みつける巨大な「阿像」と「吽(うん)像」が迎えてくれます。 最初に展示されているのは岩佐又兵衛の「洛中洛外図屛風」をもとにした「洛中洛外図」でした。この「洛中洛外図」は、右端の大仏殿から左端の二条城にかけて、たなびく金雲のもと貴族や武士、市井の人々までが生き生きと細密に描かれています。 でも、よく見ると、華麗に描きこまれた京都の町をおおう金箔の金雲のなかに、なんと無数のドクロが描かれているのです。それは生と死が表裏一体で、何かあやしいものがうごめいていることを暗示しているかのようでした。 なんで…
今日は仕事は休み 九州国立博物館は金、土曜は20時まで開館してます。 今までの経験から断然昼より夕方以降の方が混んでないので、この先の週末も予定ないけど 今日しかない!!と行くことにしました。 昼過ぎまではサークルに行ったので、着いたのは15時半ごろ 前回は前売り券買ったので1800円(それでも高い!)今回は定価2000円かーと思ったら、HPでインスタでアップしてくれたら100円引きというのを発見してすぐアップ! だけど@何ちゃらをメンションしてという意味がわからずすぐググる 無事1900円で入場できました。 こないだのソウルの博物館が無料だったこと考えると高いなーと思う。 しかも同じ博物館に…
都美のモネと京都市美の村上隆を天秤にかけて、よく考えないままふわっと京都まで行ってしまった。2月頭から始まり、9月頭まで半年近くもやっている長い会期のせいなのか、作品の一部が未完成のまま始まっている。だから同じ作品を見ているはずなのに、展覧会に行った時期によって目の前にいる作品の完成度が違う状態でいる、ということになる。展覧会、いや作品を見るという行為を改めて問い直している。「展示替え」とも違う、会期を経るごとに展覧会自身が完成していくという「時間」の概念を展覧会に持ち込んだと言えば、随所にちりばめられた作家の「言い訳」を好意的に解釈したと言っていいだろうか。 岩佐又兵衛、尾形光琳、曾我蕭白、…
○「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウイリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」 (会期:2024年1月30日(火)~3月24日(日)) ○「彫刻に触れるとき -「さわる」と「みる」がであう彫刻展2024-」 (会期:2024年1月30日(火)~2月25日(日)) (千葉県立美術館) ○「サムライ、浮世絵師になる!鳥文斎栄之展」 ○「武士と絵画 -宮本武蔵から渡辺崋山、浦上玉堂まで-」 (会期:2024年1月6日(土)~3月3日(日)) ○「千葉市美術館コレクション選 特集 小林猶治郎/曾我蕭白とその周辺/めでたい浮世絵/特集日本版画倶楽部の作家たちⅡ/特集 沢居曜子」 (会期:2…
まずは彼の略歴を見ておきましょう。 「越後国頸城郡新井村(現在の妙高市)に生まれた森蘭斎(もりらんさい、1740-1801)は画才に恵まれ、24歳頃に長崎に遊学、医学を学ぶとともに、沈南蘋の高弟熊代熊斐(くましろゆうひ)に入門し、画才を認められ、師の娘と結婚。熊斐が61歳で病没し、蘭斎は師の遺志を継いで南蘋派を全国的に普及させるため、35歳の時に10年に及ぶ長崎滞在を終え、妻子と共に大坂に移住。大坂では、木村蒹葭堂(きむらけんかどう)ら多くの文人たちと交流し、彼らの協力を得て『蘭斎画譜』8巻を刊行。この書は蘭竹・花鳥の粉本(中国や日本の古画や名画を模写した絵画資料)として、画を志す人たちのよい…
妙高に生まれ、育ち、離れ、帰り、訪れ、移り、亡くなる人たちを巡って、妙高の長い歴史が育まれてきました。まずは、そんな中の二人に焦点を当ててみたいと思っているのですが、その二人とは森蘭斎と岡倉天心で、天心は赤倉に移住した人、蘭斎は新井に生まれた人です。 二人について語る前に、私の大学での経験について話しておきましょう。私がいた文学部の哲学科の哲学専攻の隣には倫理学専攻の他に美学美術史学専攻があり、互いの交流は緊密で、それは教員についても同様でした。まだ私が助手の頃、美学美術史の先輩たちは大昔の仏教美術や西洋の古典美術の研究者が多く、美学はヘーゲルの美学が教えられていました。江戸時代の美術研究者は…
福田美術館のメインの展覧会の方。 私は長沢芦雪が好きなので、見たことがない長沢芦雪がいっぱい見られて嬉しかった。 長沢芦雪《大黒天図》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20240103/20240103035546_original.jpg 線の天才、長沢芦雪が分かりやすいのはこの絵。 曾我蕭白《雲龍図》https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/k/knockeye/20240103/20240103035522_original.jpg 曾我蕭白らしい大胆な構…
10月17日は、中之島美術館で生誕270年記念「長沢芦雪」展をみてきました。 長沢芦雪は円山応挙の高弟で、江戸時代中期の京都で活躍した絵師です。伊藤若冲や曾我蕭白とならんで、奇想の画家と称させることが多いですね(^.^)展示は4章にわかれて、① 応挙に学ぶ修行時代② 師の名代で南紀に赴き、襖絵など大画面を描きます。③ 京へ戻って、いよいよ一本立ちして自由に絵筆を振るいます\(^o^)/ この頃の活躍をさして「奇想の画家」と呼ばれるのでしょうか。④ 同時代の作家でともに奇想の画家と呼ばれる、若冲と蕭白の作品が並びます。* 芦雪は、京都を中心に活躍したので、割と作品をみる機会が多く、個人的にはそん…
大阪浮世絵美術館を初訪問することにする 翌朝は目覚ましを7時半にセットしていたが、体から疲れが取れておらず、結局8時前までゴロゴロと動け出せずにいる。なんとか気力を振り絞って、ようやく起き出すと昨日買い込んだ食料を朝食に摂りつつ朝風呂のお湯張り。朝食が終わる頃には湯が溜まっているので朝風呂と洒落込む。 さて今日の予定だが、15時からフェスティバルホールで大阪フィルのコンサートである。駐車場はホール近くに確保してあるが、ここのチェックアウトの10時から開演までをどうつぶすかである。とりあえず中之島美術館で開催中の「長沢芦雪展」を訪れることは予定済みだが、それだけだと時間が余りすぎる。そこでザッと…