はじめに 家並役とは、「家」ごとに夫役(労働)や諸公事(年貢以外の現物)を負担する役である。この家並役は、(日本)中世後期の畿内近国に出現し、近世には全国へと展開していった・・・云々。 学術論文では、往々にしてこのように表現するほかないが、どうも小難しくて身近な感覚を得られない。もちろん学術論文ではそのままで問題ないが、家族・友人・知人に説明するならば、「もっと分かりやすく説明して」などと言われ、終いには話の強制終了だ。 分かりやすいかはさておき、もう少し身近なこととして説明できないであろうか。そんな動機で、以下、つらつらと駄文を書き記しておく。 冒頭の説明では、家並役はまるで日本中・近世に現…