文芸評論家。1956年新潟市生まれ。父は、物理学者で宮沢賢治研究家の斎藤文一。 成城大学経済学部卒業。児童書等の編集者を経て、1994年評論『妊娠小説』でデビュー。2002年、『文章読本さん江』で第1回小林秀雄賞を受賞。*1 『文壇アイドル論』で、上野千鶴子を批判し、山下悦子と共に上野に対する批判者としても知られる。 ミス・ミナコ・サイトウ(斎藤澪奈子氏、故人。1956-2002)とは別人。
等
*1:以上、『戦下のレシピ』(岩波アクティブ新書)掲載経歴を参考にしました。
年が改まって「ちくま」は表紙絵は市川春子さんのものとなりです。 市川さんって誰だと思って検索をかけたら、大学入学時に北海道に移住して、 そのまま札幌に住んで創作活動を行っている方だそうです。このような方がいるの かと初めて知りました。 漫画家さんであるとのことで、代表作に「宝石の国」というものだそうです。 宝石の国(1) (アフタヌーンコミックス) 作者:市川春子 講談社 Amazon 市川さんは、「ちくま」が表紙を依頼するのですから、これからメジャーになって 行く人なのでしょうね。 そういえば、「ちくま」の書き手の半分くらいは女性という感じでありまして、さす がに発行者が喜入冬子さんだけのこ…
◯心や感情のあいまいさ 時代が変わり、価値観が変わったといわれても、実感として受け入れられないものです。 慣習のように思っていたものを文化伝統の継承として大事に守ろうとしている人もいます。そうであれば、行動としても真っ向から対立してしまうのです。 体育会やそういう体質の企業で、改まりにくいのは、その継承こそが誇り、ステイタスになlちたところもあるからです。 たとえば、厳しいことに耐えてこそ実力も成果も伴うのは、確かだからです。それが理不尽なものかどうか、必ずしもわかるわけではないのです。 そうしたことが、苦痛かどうか、自分で選択しているかどうか、など、渦中でいちいち客観視できるものではないでし…
午前中、妹と川崎大師へ年末詣でをしてきた。 三が日は混みあっているだろうし、今年のお礼は今年のうちに伝えておこうということで。 朝から雨だったので、昨夜のキムチ鍋の余りを食べたあとは家でごろごろ。午前十時ごろ、予報通り雨が上がったタイミングで外出。徐々に晴れ間が広がり、日差しが暖かくなってきた。 参道沿いでは出店の準備が着々と進められていた。まだ人出はそれほど多くなかったものの、通りはお正月を迎える活気に満ちていた。 山門を入り、常香炉の煙で体を清め、本堂に参拝。川崎大師の厄年では女性37歳の厄年が挙げられていないが、一般的な基準でいうと私も女性30代後半の後厄を抜け出すことになる。それなりに…
文庫本の本編の後に付される「解説」にスポットを当てた本作。 筆者は「解説を解説」する難しさを“すっ“と乗り越え、「解説」に潜む魅力や不思議を面白おかしく語ってくれます。その対象は「坊っちゃん」から「永遠の0」まで多岐に亘ることに…。 「解説の解説」を通して名作に接し、それらをあらためて読んでみたいと意欲が湧きます…それにしても全部読むには時間がないかなあ。。文庫解説ワンダーランド (岩波新書)作者:斎藤 美奈子岩波書店Amazonランキング参加中読書
著者 斎藤 美奈子出版社 ㈱マガジンハウス発行者 細川 泉発行年 2000年12月21日 第一刷 米原万里さんの「打ちのめされるようなすごい本」でご紹介の本を端から読んでいく、野望の第二弾。 「女の出世」とは何か?おそらく気が付いていても口に出さない「アレとソレ」です。 古くて新しい、21世紀になっても綿々と続く、「仕事か家庭か」。 本書は、女性の社会進出の歴史を「出世」ととらえ、その根底には「欲望」があると 仮説を立て、時代を追って検証していくもの。 「出世」すごろくの上がりは「良妻賢母」か「職業婦人」の二つの道があり、その分岐はどこにあるかを調べていくうちに、20世紀の女性の生き方を歴史的…
斎藤美奈子さんの新刊が発売されていたことに気付き、本屋に行くのも、ましてや図書館で借りるのも待ちきれず、Kindle版をポチってしまった。 すぐにでも読みたいと思わずにはいられない、私にとっては数少ない文筆家である。とにかく読んでいて楽しい。すごい文章を読み返したい。腑に落ちる、目から鱗、新たな発見の連続だ。 新刊のタイトルは『出世と恋愛 近代文学で読む男と女』。著者いわく「大人になってから読んだほうが、じつはおもしろい」近代の青春小説と恋愛小説について、あいかわらず切れの良い、辛辣なツッコミを見せてくれる。 出世と恋愛 近代文学で読む男と女 (講談社現代新書) 作者:斎藤 美奈子 講談社 A…
平日も休日も含めて、一週間経つのが早い。仕事や家事で動いているときと、それ以外の気が抜けているときの差が激しかった。そしてやたらと眠たかった。 昨日の午前中はクリニックへの定期通院、午後は小学校のイベントだった。最近はこのパターンが多い。 運動系イベントは、常時エネルギー不足の母にはつらい。しかも生理痛&貧血。体調不良でも体育に出席するしかない女子か。夫に変わってもらえれば良かったのだが、あいにく別件で不在だった。 最後の方はすみっこで見学させてもらい、他の保護者の方々も疲れているだろうに、よく動けるな…と思いながら時間が過ぎるのを待っていた。 疲労困憊で帰宅したが、動いてお腹が空いた分、夕食…
梅雨の晴れ間から一転、どんより曇った寒い日だった。こんな日はやっぱり眠たい。 昨夜は、昨日のブログに書いた斎藤美奈子さんの 世の中ラボ|webちくま を一通りチェックしていた。気になっていた話題の本をやはり読んでみようと思ったり、自分の知らなかったニッチな本もぜひ読んでみたいと思ったり。読んで面白く、納得感のある時評&書評だった。 しかしweb版だと、サーっと流すように目を通してしまい、紙の本ほどしっかり読まない。見落としている情報も多いと思う。読みたくないわけでも、面白くないわけでもないけど、なんだか頭に残りにくい。どんどんスクロールしているとそうなるよなあ。 良い点としては、書籍化の際に弾…
斎藤美奈子の『世の中ラボ』シリーズとして刊行されている、『月夜にランタン』『ニッポン沈没』『忖度しません』の三冊を読んだ。 雑誌連載をまとめた本。各回で話題のニュースや流行りの出来事を取り上げ、関連する三冊の本を通して論じていくスタイル。社会時評と書評のあいだのような位置づけ。 月夜にランタン 世の中ラボ1 作者:斎藤美奈子 筑摩書房 Amazon ニッポン沈没 (単行本) 作者:斎藤 美奈子 筑摩書房 Amazon 忖度しません 世の中ラボ3 作者:斎藤美奈子 筑摩書房 Amazon 元はマガジンハウスの「ウフ.」(2006年7月~2009年5月)で連載されていたが、「ウフ.」の休刊に伴いブ…
癸卯年閏二月晦日。気温摂氏8.2/21.9度。晴。中学の同級生だつた女子のお家に所用あり寄つたら商売家なのだが高齢の方が出てこられて「〇〇ちゃんのお父さまですか?」と尋ねたら「いえいえ、わたくしは使用人ですよ」とまるで小澤昭一のやうな笑顔と声色。で「社長は……」と娘のことを話された。大した御仁である。ほれぼれ。 昨日読んだ高山真『エゴイスト』で主人公(浩輔)愛読と三島由紀夫『沈める滝』があつて、それが引用されるのは大都会は棲息する上では大森林と同じやうな易さ云々といふこと(だけ)だつたが三島のこの『沈める』は読んだこともなかつたので全集で一読。以下、斎藤美奈子的に辛口にいへば(ってアタシには甘…
ショーヘイが今までになくホームランを打てずにいるのがニュースになっている。吾が野球解説者・赤星さん(阪神を長いことリードしていた理想的選手)に言わせれば、打つポイントが早すぎて引き付けることができていないとか、なるほどだネ。でも勝たねばならないチームに移ったので、走者と返す打法を選ぶチーム・バッティングをすることも目につくので、ホームランばかり期待しているのはシロウトの浅はかさだネ。 いつの間にか彼女を作っていて、結婚までしたというのはスポーツ・バカじゃないところを見せてくれて嬉しいネ。日本じゃ手近にアナウンサーに手を付けて済ます例が多いけど、その手は使わなかったのはリッパ。高い身長はじめ確か…
本日に届きました「ちくま」4月号を見ていましたら、斎藤美奈子さんの「世の 中ラボ」で、「今年の本屋大賞候補作」をとりあげていました。 斎藤さんでありますので、どれがいいかという話ではなく、歴代の本屋大賞受賞 作品を見ていたら、「少年少女がらみの小説が多くないか?」という展開であり ます。 当方は、ほとんど「本屋大賞」には縁のない読書生活でありますが、このところ 購読している「本の雑誌」が大きな特集を組む(当然といえば、当然ですが)ことも ありまして、否応なしに関心がいくことです。(数年前には、珍しく候補作を読んで いたことがありまして、それが受賞したということがありました。「同志少女よ」 です…
たんぽぽ舎です。【TMM:No4995】 2024年3月22日(金)地震と原発事故情報− 5つの情報をお知らせします 転載・転送歓迎 ━━━━━━━ ★1.晴れと雨(みぞれ)・強風の中、原発再稼働を許さない! 3/20集会とデモ 代々木公園に6000名(主催者発表)の参加 「とめよう!東海第二原発」のデモ隊列は720人超 小山芳樹(たんぽぽ舎) ★2.TBS報道特集「志賀原発の避難計画“絵に描いた餅”」 新潟日報【報道】柏崎刈羽に関する動き 紹介 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕 ★3.東電福島原発事故から13年 被害者からの訴え 3月11日(月)日本原電本店・東電本店前抗議での…
たんぽぽ舎です。【TMM:No4995】 2024年3月22日(金)地震と原発事故情報- 5つの情報をお知らせします 転載・転送歓迎 ━━━━━━━ ★1.晴れと雨(みぞれ)・強風の中、原発再稼働を許さない! 3/20集会とデモ 代々木公園に6000名(主催者発表)の参加 「とめよう!東海第二原発」のデモ隊列は720人超 小山芳樹(たんぽぽ舎) ★2.TBS報道特集「志賀原発の避難計画“絵に描いた餅”」 新潟日報【報道】柏崎刈羽に関する動き 紹介 上岡直見〔環境経済研究所(技術士事務所)代表〕 ★3.東電福島原発事故から13年 被害者からの訴え 3月11日(月)日本原電本店・東電本店前抗議での…
吾輩はライ麦畑の青い鳥-名作うしろ読み (中公文庫 さ 73-2) 作者:斎藤 美奈子 中央公論新社 Amazon
1980年代 (河出ブックス 89)河出書房新社Amazon大澤真幸、斎藤美奈子、成田龍一「カタログ・サヨク・見栄口座」*1(in 斎藤美奈子、成田龍一編『1980年代』、pp.16-44) 斎藤美奈子さんの発言; (前略)チェルノブイリの原発事故が八六年に起るんですとね。実は私の八〇年代って反原発がマイブームだったんです。七九年にスリーマイル島の事故があったので、ちょっと先の思想の持ち主はみんな反原発にいくんですね。だから、3・11のあとに「初めて原発のことを考えるようになりました」という人たちがいましたけれど――若い人たちはいいですよ、だけど五〇代以上でそういうやつって、八〇年代どうやって…
斎藤美奈子の『挑発する少女小説』という挑発的なタイトルの新書(だが優れた少女文学解説書)を読んでいて、ふとシャンシャンのことを考えた。『ハイジ』の章である。アルムの山から大都会のフランクフルトに連れてこられたハイジはホームシックから夢遊病になってしまう。上野のお山から中国ジャイアントパンダ保護研究センターとかいう本格パンダ大都会に連れて行かれてしまったシャンシャンは、ああいまどうしているだろうか、と気が気でなくなる。まあ、いいか。 『ハイジ』は原作としては二部構成になっているらしい。第一部はハイジがフランクフルトから山に戻るところまで。これには「ハイジの修業と遍歴時代」という原題がついている。…
朝の家事を終わらせたあと、本を読んだり昼寝をしたりしていたら、あっというまに一日が終わってしまった。時間が経つのが早い。夫と娘は早朝から出かけている。誰か一緒にいてくれないと、生活リズムが乱れまくり。何のイベントも発生しない。 今日やろうと思っていた確定申告はやらずじまいだった。急がずとも支障がないならまあいいか。今日時間を取らなければならない必要性に欠けていただけだ。その分だらだらできて最高の一日だったとも言える。 今読んでいる本。斎藤環『戦闘美少女の精神分析』。以前古本屋で購入した。中身は戦闘美少女の分析というよりも、オタクの歴史や心理の分析といった感じ。ラカンが出てきて面くらったり、あく…
アン・シャーリーのとなりにはいつだってダイアナ・バリーがいます。『赤毛のアン』の主人公アン・シャーリーの"腹心の友"ダイアナ・バリーのことは、物語を知らない方でもなんか仲良しの友達がいるんだったかねというくらいには知られているんではないでしょうか。しかしじゃあダイアナについて色々思いをめぐらせてみると、意外とその人物像というものがはっきりしていないことに自分で気がつきました。そこでダイアナ・バリーってどんな人?ということを考えてみます。 ※松本侑子 訳『赤毛のアン』(文春文庫)を基本にしています。 最初にダイアナの名前が物語に登場するのは、グリーン・ゲイブルズに向かう道中の馬車で交わされるアン…
しばらく前からせっせと遊んでいたゲームを一つ遊び終え、次に何を遊ぼうか考え中でございます。それはさておき、今週も読書記録を残しましょう。 『夜の帳が上がらない』ばせう 夜の帳が上がらない (B's-LOVEY COMICS) 作者:ばせう KADOKAWA Amazon 『愛想が尽きない』の続編。 友人らに食虫植物扱いされている柊が面白かった。その場合京介は虫なんですがそれでいいのか。いい友人たちだけども。文化祭一緒に回れなかったの引き摺ってるのとかね、可愛いね。 二人とも愛が重たい!!そして重たすぎるが故にすれ違う!!こういうのは好物です。マジで双方愛が重い……という感情に溢れたけれど割れ鍋…
マリア・ジョアン・ピレシュ(1944-)というポルトガル出身の女性ピアニストがいる。もう引退したが、29歳だった1974年に日本のDENONレーベルにモーツァルトのピアノソナタ全集をPCM録音したため、1970年代にNHK-FMで彼女の弾くモーツァルトがよくかかったのを覚えている。その頃は「マリア・ジョアオ・ピリス」と表記されていた。私は先年、ピレシュが1970〜80年代にフランスのエラートレーベルに録音した17枚組のCDを安売りで買った。内訳はバッハの協奏曲1枚、モーツァルトの協奏曲6枚とソナタ1枚、ベートーヴェンのソナタ2枚、シューベルトのソナタ2枚と連弾曲1枚、ショパンの協奏曲1枚と前奏…
本日の新聞読書欄「旅する文学」(斎藤美奈子さんによる選書)は「富山県」を 舞台とする作品をセレクトです。 当方のところは父方、母方のどちらもが明治に入って富山県から北海道に渡っ てきておりまして、富山の話題というと親しいものを感じるのでありますね。 当方が富山に行ったのはニ度だけでありまして、一度は立山から黒部というルート でありまして、もう一度は先祖が住んでいたところを訪問して、墓参したのでありま すね。その時はお天気がよろしくなくて立山連峰を見ることができずでした。 次に訪問した時には、なんとか立山連峰を見たいものと思って計画をしているの ですが、その機会は訪れるかです。 たしか前回の訪問…
午前八時半、夫と娘が出かけたあとに起床。 朝食に始まり、洗濯、食器洗い、洗濯二回目、掃除機かけ、整理整頓。慌てず焦らず、だけどきびきび動く。午前中があっという間に過ぎていく。そのうちに夫と娘が帰宅。 宿題をする娘の横で、たまに質問に答えながら読書。今週は『文学部をめぐる病い―教養主義・ナチス・旧制高校』を読んだ。この本は、背景を理解していればめちゃめちゃ面白い本だろうと想像する。でも私にはその片鱗を見てとれるだけで、本当の面白さは半分も解っていないように感じた。 一番の理由は、私にとって馴染みのない分野だからというのが大きい。教養主義の成り立ち、ドイツ文学と第二次世界大戦の関り、文学者と文士の…
1980年代 (河出ブックス)河出書房新社Amazon大澤真幸、斎藤美奈子、成田龍一「カタログ・サヨク・見栄講座」(in 斎藤美奈子、成田龍一編『1980年代論』河出書房新社、pp.16-44、2016) この鼎談の中の斎藤美奈子*1の発言が酷くて、いくら何でも2014年*2にこの理解はないだろうと、怒りを覚え、血圧が20くらいは上昇してしまった筈。まあ、測ってはいないだけど。 どんな発言かといえば、 私は八〇年代に重要な役割を果たした人物として、松任谷(荒井)由実を挙げたいですね。たとえば、蓮實重彦さんが文芸評論の脱構築をやって、上野千鶴子さんが女性解放思想を脱構築して次の時代を作りましたが…