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数学III

(一般)
すうがくさん

文部科学省発表の学習指導要領によれば,目標は,

 極限,微分法及び積分法についての理解を深め,知識の習得と技能の習熟を図り,事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを積極的に活用する態度を育てる。

である.単元は「極限」「微分法」「積分法」の三つ.
教科書によっては,「微分法」の章を「微分」「微分の応用」などに分けるものもある.この場合,前者では導関数の求め方などの理論を学び,後者で接線・法線の方程式や,複雑なグラフ (あるいは軌跡) の描き方など導関数の応用を学習する.
積分についても同様に分けられることがある.この場合は不定積分・定積分などの基本を学んだあとに,面積や体積の求積や関数方程式,また発展学習として曲線の弧長,微分方程式を教えることがある.

極限

 微分法,積分法の基礎として極限の概念を理解し,それを数列や関数値の極限の考察に活用できるようにする。

学習内容は「数列の極限」「関数とその極限」とされる.具体的には,数学Bで学ぶ数列の一般項あるいは部分和の考えを拡張し,n \to \infty の極限をとる操作の学習に始まり,次にこの概念を定義域が実数全体である関数についても広げるほか,x\to 0x\to -\infty などの異なった極限の取り方,および片側極限などの概念を学び,またその一環として関数値の連続性などについても触れる.
またここで数学II・Bまでに扱わなかった関数とそのグラフについても学習する.具体的には分数関数や無理関数 *1 を教える.

微分法

 いろいろな関数についての微分法を理解し,それを用いて関数値の増減やグラフの凹凸などを考察し,微分法の有用性を認識するとともに,具体的な事象の考察に活用できるようにする。

学習内容は「導関数」と「導関数の応用」の二つ.
前半の理論部分では,逆三角関数を除く初等関数 *2 の導関数を学ぶ.ただし分数関数の分母分子および無理関数の根号内に含まれる多項式の字数は二次までにとどめる.そのほか積の微分法・商の微分法・合成関数の微分法・逆関数の微分法なども取り扱い,複雑な関数の微分ができるようにする.
後半の応用では,接線・法線の方程式,関数値の凹凸増減からグラフを書く手法を学習する.なおロル [ロール] の定理や平均値の定理を扱う場合は,その証明には立ち入らず,直感的な理解にとどめるよう明言されている.

積分法

 いろいろな関数についての積分法を理解し,その有用性を認識するとともに,図形の求積などに活用できるようにする。

学習内容は「不定積分と定積分」「積分の応用」.
数学IIでは二次までの多項式関数とされた被積分関数の厳しい制限を取り払い,一般の n 次関数,有理関数 *3・無理関数 *4,三角・指数・対数関数の積分法を扱う.
ただしこれらの関数は,置換積分法・部分積分法により解決されうるものに限られる.具体的には指導要領によると,置換の仕方は t=ax+b のような一次式でまとめるもの,または x=a\sin\theta などと置くものに限られ,部分積分法は一回のみの適用で結果が得られるものに制限するとされる.
また後半の「積分の応用」では面積や体積の求積のみを扱う.教科書によっては発展学習として「曲線の長さ」を載せているものがあるが,検定教科書であるゆえに,その記述は非常に簡潔なものにとどめられている.

*1:ただしどちらも一次まで.前者は分母分子とも一次までということ.分母に二次以上の式を含む関数や,多項式とそうでない有理式の和となる関数 (簡単には,f(x) = x + 1/x のようなもの) などのグラフは,「微分法」(の応用) で扱うことになる.

*2:多項式関数を含む有理関数,無理関数,三角関数,指数関数,対数関数.

*3:ただし部分分数分解などにより,数学IIIで学ぶ積分公式で積分できる形に帰着されうるものに限る.

*4:根号内は一次まで.

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