三十七 次の朝、道場に行くと相川と佐々木を呼んだ。そして、これから城中に向かうことを伝えた。 「無事、帰ってこられるかは、分からない」 「そんな」と相川も佐々木も驚いた。 「そこで、道場の後のことは二人に任せた」 「急にそんなことを言われても」と相川が言った。 「これは大目付が決めたことだ。こちらでどうこうすることはできない。この道場のことは堤先生にも頼んである。もし、困ったことがあったら、相談するといい」 「どういう訳か教えてもらえますか」 「それはできない。とにかく、この道場のことは任せたぞ。それから、三ヶ月に一度の選抜試験は続けるんだ。目標がなく剣術をしてもなかなか上達はしない。目標、目…