青森県浪岡町を活動拠点とする東北小劇場界の雄。 独自性ある作風の戯曲に、シンプルで安定した舞台美術、充実した俳優陣を持つ劇団。 劇団員が弘前近郊で教員、公務員等の職により生計をたてている都合上、公演を打てる日程は週末に限られるらしい。
長谷川孝治(劇作+演出)・福士賢治(俳優)・野村眞仁(舞台監督)を中心にして1978年に結成。
ホエイ「クチナシと翁」@こまばアゴラ劇場 ホエイ「クチナシと翁」@こまばアゴラ劇場を観劇。山田百次のひさびさの新作である。ホエイとしての新作上演は「喫茶ティファニー」(2019年)以来だから5年ぶりになる。こまばアゴラ劇場は5月で閉館となることが決まっており、その最後の上演は小屋主である平田オリザ作品の連続上演となるのだが、私が最初にこの劇場で舞台を観劇したのが弘前劇場「職員室の午後」(こまばアゴラ劇場、1993年)であった。劇評などを当時寄稿していた関西の演劇情報誌「JAMCI」に演劇についてのコラム「下北沢通信」の連載を開始したのもその頃で第0回特別編で書いたのが青年団「ソウル市民」のプサ…
毎年、備忘録的に書き残しているものですが、2023年に亡くなった方々を、列記しておきます。中には、2023年に死去されていたことが分かった方々もいらっしゃいますが。あくまでも、個人的に少しでも心に引っかかった人を列挙しています。著名人でも含まれていない方はいますので、その点は悪しからず。いつもは年末に更新してきたのですが、今年は間に合わず、年を越してしまいました。もしも、万が一、期待して待っていた方が、万万が一いらっしゃったとしたら(くどい)、ごめんなさいでした。 2021年 9月21日、白鳥みづえさん、歌手、77歳。 2022年 1月18日、小田久郎(おだ・きゅうろう)さん、詩人/「思潮社」…
ぱぷりか「柔らかく搖れる」@こまばアゴラ劇場 2021年に第66回岸田國士戯曲賞受賞*1したぱぷりか「柔らかく搖れる」の再演をこまばアゴラ劇場で観劇した。福名理穂は無隣館*2出身で元青年団演出部の所属(演出部は今年6月に解散)。青年団演出部には有望な若手女性作家が多数在籍していたが、升味加耀、宮崎玲奈、山内晶ら同年代以降の若手の多くが現実に非現実が混入していくような作風となっている。 平田オリザ流の現代口語演劇とは言いがたいなかで、福名は平田の正統な後継者*3といえるのかもしれない。 とはいえ演劇様式としては地域言語の活用(福名理穂=ぱぷりかでは広島弁)、明示されずに隠された伏線として仕掛けら…