1944年、東京生まれ。文芸評論家、映画評論家、エッセイスト。 東京大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社。編集者として活躍したのち1972年に退職。以後、評論活動に専念。 1991年に「大正幻影」でサントリー学芸賞受賞。1997年に「荷風と東京」で読売文学賞受賞。 2003年には「林芙美子の昭和」で毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞を受賞。 妻はファッション・ジャーナリストの川本恵子。
2月13日㈫。 「イオンシネマ板橋」へ、三宅唱監督の『夜明けのすべて』を見にいく。早めに出たので、駅前の「コメダ珈琲」で、1時間ほどモーニング・コーヒー・タイム。 以前紙の本で読んだ川本三郎著『「男がつらいよ」を旅する』が電子書籍化されたので、拾い読みする。 川本三郎氏は、部分的にわたしの好みと共通するものがある(知識の広さ読み込みの深さは別にして)。 好きな漫画家がつげ義春であること。 好きな映画監督が成瀬巳喜男であること。 寅さんのファンであること。 集団よりひとりが好きなこと。 寅さんは、柴又では駄々っ子になって、妹のさくらやおばちゃん、おいちゃんに迷惑をかけるが、旅先では、別人になる。…
私が働いている学校でも大谷選手のグローブが大きな話題になっています。 1年生の教室では、先生が子どもたちに説明していますが、よく伝わっていない様子です。 「もうすぐ大谷選手のグローブがきます」 「大谷選手が来るんですか?」 「違います。大谷選手は来ません。グローブが来るのです。」 放課後、保護者から電話がありました。 「実はお願いがあって電話をしています。大谷選手のことです。うちの夫がどうしても大谷を見てみたいと言っているので、学校に行ってもいいでしょうか?」 「映画の木漏れ日」川本三郎著 キネマ旬報社 1970年代から80年代にかけて、小説は村上春樹、評論では川本三郎が私の中心にありました。…
小津安二郎監督ら以外の原節子さんの隠れた名作について 私の好きな戦後の原節子さんの隠れた名作 原節子さんの人間的魅力について 魅力➀気品あふれる美しさ 魅力②勉強熱心だったこと 原節子さんの引退について 訃報で生きていらしたのだと実感 小津安二郎監督ら以外の原節子さんの隠れた名作について 前編からの続きです shouwatorajirou.com ここではいろいろなところで 語りつくされている感のする 小津安二郎監督の諸作品や 成瀬巳喜男監督の作品ではなく それ以外の隠れた名作について 書いていこうと思います でもいつか小津監督などの作品も 昭和を知らない世代から見てどう感じるか ということも…
昨日まで二日続けましたタモリ倶楽部でのエレカシ宮本浩次さん話題は、お かげでパオさんに喜んでいただけたようで、これはよかったことです。この勢い で6月12日の「MY ROOM」参加と行きたいものです。 宮本浩次さんといえば、永井荷風でありますが、新潮「波」6月号には、次の ようにあるのでした。 「本誌連載『荷風の昭和』(五月号)に登場した<伝説の戯作>を読みやすい表 記で特別掲載!」 最後のところに!がついているのがみそでありまして、荷風に関連しての伝説の 戯作というと、あれでありますね。 「荷風の昭和」は川本三郎さんの連載でありまして、五月号では60回となっ ていました。川本さんが伝説の戯作…
本日は昨晩からの雨が続いていて、予定していた庭仕事はすることができま せんでした。お天気が回復したら、明日にすることにです。 晴耕雨読ということであれば、室内で本を読むということになりますが、とこ ろがどっこいで、YouTubeなどを見物することになってしまいました。YouTubeは まっこと読書の敵であります。 午後からは久しぶりに床屋へと行くことになりです。いつ以来なのか髪の毛の 量は少ないのですが長くなって、くせ毛のために毛先がカールしたりするので、 いいじじいがそれはないだろうと、30分で終わる床屋へといって、いつものよう に耳にかからないようにと言ってカットしてもらうことにです。 こ…
すごいトシヨリ散歩 作者:池内 紀,川本 三郎 毎日新聞出版(インプレス) Amazon 別に散歩しているわけではない対談本 鉄道とか映画とか本とか旅とか 池内氏がちらりと映画の筋や俳優の話をするとすかさず川本氏がタイトルや名前を言うの 単純にすごいなと思う
児玉駅のホーム。 10月31日、晴天。 ローカル線(八高線)にのって、日帰りの小さな旅をしてみた。目的地は、降りたことのない無人駅「児玉」(埼玉県)。 1時間30分くらいの所用時間か(とおもったら、結局、乗換え待ちの時間が長かった)。 ★ 「川越駅」から川越線で出発。ここからしてすでにローカル線。 ドアをあけるときはドア横の「開」のボタンを押さなければならない。「開」のボタンを押さないままドアの前で待っていると、電車は走り出してしまう(笑)。 「高麗川駅」で乗換え、八高線へ。「高麗川駅」の待ち時間、約1時間。電車は来ているので、乗車して、座席でウトウトした。 いつのまにか眠ってしまって、「ハッ…
「柴又帝釈天門前参道商店街神明会」のサイトから。このくらいの人出だったらいいけれど。 10月29日(土)。快晴。 Tさんと、いい気候だから会おう、と決まって、場所は、わたしのリクエストで「柴又」にしてもらった。 コロナ禍もあって、何年も柴又へいってない。ひさしぶりにいってみたかったので。 柴又駅午後1時待ち合わせで、乗換え駅の「京成高砂駅」のホームを歩いていたら、向こうからトランクをもった上から下まで衣装もそっくりの「寅さん」がやってきた。 写真に撮らせてもらいたいくらいだったけど、気がひけて声をかけられない。黙ってすれ違う。 柴又駅を降りると、駅前が半端なく渋滞していた。なんだろう? 立ち食…
また一人、老境の先人を見出す 台湾、ローカル線、そして荷風 作者:川本 三郎 平凡社 Amazon この週末読んでいるのは川本三郎さん。 永井荷風の評論やエッセイをちらっと読んだことはあったが、最近出た「ひとり遊びぞ我はまされる」のタイトルで魅かれて、この本のシリーズとしてすでに出ている「そして、人生はつづく」「ひとり居の記」「台湾、ローカル線、そして荷風」の三冊の中から一番最近の「台湾、・・」を読む。 東京人に連載中の「川本三郎 東京つれづれ日記」を数年ごとにまとめたもの。1944年生まれなので78歳。15年ほど前に当時57歳の奥様を食道がんでなくされたらしい。さらに調べていくと「マイ・バッ…
新潮「波」で連載が続いているといえば、一番なのは川本三郎さんの「荷風 の昭和」でありまして、今月号は第五十回となっていますので、まとまったら 読み通すのがたいへんそうであります。興味がないわけではないのですから、 毎月にすこしずつ読んでおけばいいのにです。 ちなみに今月号で話題にしているのは、戦時下でのことでありまして、これは 気になることです。川本さんの書き出しは、次のとおり。 「太平洋戦争が始まると、時局と関わらない荷風のような作家は、執筆の場が なくなってゆく。幸い父親から受け継いだ恒産があったから生活に困ることは なかったが、軍部が大きな権力を持ち、文芸に圧力をかけてくる時代は、荷風に…
集英社新書「書物の達人 丸谷才一」をブ ックオフで見つけて、こんな本が出てい たのかと読んだ。 丸谷才一に係る講演録で、川本三郎、鹿 島茂。湯川豊らによるものである。 丸谷才一はモダニズム文学といわれてい るが、モダニズムというのがいまひとつ わからない。市民小説でもあるのだが、 こういうのが私の好みである。 書物の達人 丸谷才一 (集英社新書) 作者:川本 三郎,湯川 豊,岡野 弘彦,鹿島 茂,関 容子 集英社 Amazon ktoshi.hatenablog.com
🐤鳥の事務所PASSAGE店通信🐤 ◎総特集=叶えられなかった祈り――トルーマン・カポーティ歿後40年 およそ半年振りの復活です(笑)! 皆さん、お元気ですか? 今日は。鳥の事務所です。 いやー、前回の更新が9月でしたから、およそ半年ぶりの更新です。どうも仕事柄、秋から冬にかけては繁忙期となり、休みもへったくれもなくなってしまうので、やむを得ない仕儀とはなりますが、あったかい時期に頑張るしかないようです。 という訳で、先日、ジェイムズ・ジョイス『さまよえる人たち』を最後に、ついに我が棚は空っぽとなりました。 旅だったのはこちらです。 ◎ジェイムズ・ジョイス『さまよえる人たち』近藤耕人訳・ 19…
本の買取強化中です。JR小倉駅北口「小倉の古本屋」古書城田 JR小倉駅北口(新幹線口)の古本屋、古書城田です。北九州市内をはじめ福岡県内&近県、本の出張買取、本の遺品整理を行なっています。大量歓迎です。査定無料、出張費無料です。どうぞご相談くださいませ。 (買取専門)090-8839-9159 メール:shirota@mx71.tiki.ne.jp 古物商許可証 [第32483号/福岡県公安委員会] 全国古書籍商連盟北九州古書組合所属 店舗はJR小倉駅北口、徒歩1分の場所にございます。ファミリーマート小倉駅北口店さんのすぐ裏手となります。ご来倉の折は、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。 〒…
全8項目●代表作 ●「映画監督への道」 ●「一個人」2015/2/26 ●「映画『岬の兄妹』」公式サイト ●「eiga.com」●「osaka-geidai.ac」 ●「映画『詩人の恋』公式サイト」 ●「映画『武曲 MUKOKU』公式サイト」 「オアシス(イ・チャンドン)」より 全8項目 ●代表作 「きみはいい子」、 「そこのみにて光輝く」等 映画監督、脚本家、CMディレクター等で活躍する女性の呉美保が影響を受けた・好きな映画。 ●泊貴洋による編集「映画監督への道: 40人が語る監督になるための発想と技法」より4本 少年時代 篠田正浩 他…藤子不二雄Aの原作漫画を映画化。Aも制作に参加。戦時…
原作は、瀬尾まいこ2020年刊行の小説。 主人公・藤沢さん(上白石萌音)は、重度のPMS(月経前症候群)により、就職した会社で度々トラブルになり、会社を退職する。 その5年後、藤沢さんは移動式プラネタリウム製作会社の中小企業に勤めている。職場の隣の席には、大手企業から転職してきたばかりの山添君(松村北斗)がいる。山添君は、パニック障害だったことが分かる。 最初は反発し合いながらも、お互い同志のような気持が芽生えてくる。 周囲の人々と緩く関わり合いながら、社会生活に自信を失っていた二人の心にも、徐々に変化が訪れ…。というストーリー展開。 映画や本の感想を書くときに、「心温まる」という言葉を私は多…
「第97回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式がきのう18日、東京・渋谷のオーチャードホールで開催されたので参加しました。司会はこの表彰式の司会は18回目という笠井信輔フリーアナウンサー。97回目を迎えるキネ旬ベスト・テン賞は米アカデミー賞よりも1回長いという。 日本映画ベスト・テン第1位「せかいのおきく」の阪本順治監督(脚本賞受賞)、助演女優賞の二階堂ふみ(「月」)、助演男優賞の磯村勇斗(「月」「正欲」「渇水」「最後まで行く」など6作品)、新人女優賞のアイナ・ジ・エンド(「キリエのうた」)新人男優賞の塚尾桜雅(8歳!「ほかげ」)らが出席した。 主演女優賞の趣里(「ほかげ」)は体調不良、主演男優賞の…
今回は、フランスの大道芸人が主役の絵本です。 若きフランスの大道芸人:フィリップ・プティは完成間近の世界貿易センターのツインタワーの間に綱を張り、綱渡りをしたんです… 実際に起こった出来事を絵本の中に収めて語り継がれていくことでしょう…今はなき、ツインタワーの想い出と共に… ※この記事は広告及びアフィリエイト広告を利用しています 絵本『綱渡りの男』作:モーディカイ・ガースティン この絵本について この本の内容 絵本『綱渡りの男』を読んでみた この絵本の感想 読み物として感じたこと こんな事をしたら もっと楽しめそうな事 あとがき (adsbygoogle = window.adsbygoogl…
id:redkitty 「うたごえ運動」の最盛期は、1950年代からせいぜい60年代初めだったのでは? 60年代も半ば以降になると(一時よりは)衰退していたと思います。1950年代半ばから60年代ごく初期の日本映画で、うたごえの場面をしばしば見ます。映画における「歌声喫茶」については、例えば、 川本三郎*1「歌声喫茶の時代」https://conex-eco.co.jp/showa/56833/ ここで言及されている映画は、浦山桐郎の『わたしが・棄てた・女』(原作は遠藤周作)と古川卓巳の『逆光線』(原作は岩橋邦枝)。私は何れも未見。 ところで、1960年代前半以降、「うたごえ」の人気が衰えたと…
図書館の棚を見回っていて、 小躍りするほどファンキーな一冊に出会った。 表紙は若き日の三島由紀夫と石原慎太郎 この本は2000年から2006年『諸君!』に掲載されたありし日の文豪たちの本。 カメラマンの樋口進さんが撮影したモノクロ秘蔵写真と、 川本三郎さんの記事で構成された、ひとり 6ページの実録集。 メンバーがスゴイ! 永井荷風、野村胡堂、志賀直哉、谷崎潤一郎、里見弴、久保田万太郎、宇野浩二、久米正雄、広津和郎、佐藤春夫、吉川英治、獅子文六、小島政二郎、徳川無声、佐佐木茂索、吉屋信子、大佛次郎、宇野千代、尾崎士郎、井伏鱒二、今東光、川端康成、川口松太郎、石坂洋二郎、大宅壮一、中山義秀、海音寺…
郊外の文学誌 作者:川本 三郎 新潮社 Amazon 『郊外の文学誌』川本三郎著を読む。 東京で暮らし始めて、驚くのは、文学者の生誕の地や終焉の地だのといった碑に出くわすのが多いことだ。えっ、こんな繁華街に住居を構えていた? 一瞬、そう思うのだが、渋谷だって百年ほど前までは、立派な郊外だった。 代々木生まれ、阿佐ヶ谷育ちの作者は自身の幼い頃の思い出を踏まえながら、東京の郊外の成り立ちを「文学」「文学者」という切り口で紹介していく。 「東京では刻々と風景が変わっていく。だから近過去へのノスタルジーという特別な感情が生まれてくる。京都や奈良のような古都に住んでいる人間は、東京の人間のように消えゆく…
平安時代劇第4弾はまたしてもグラン・プリ受賞作 おおまかなストーリー 映画の感想 ➀美しいカラー映像や俳優さんの衣装に目が眩む! ②ナレーションの部分で絵巻を映し出す演出がいい! ③慎ましい女性を演じる京マチ子さんが新鮮! ④劇中の和楽器の演奏が映画音楽の役割を果たしている この映画のエピソード ➀カンヌ映画祭やアメリカで評判となる ②大映の社長・永田雅一と衣笠監督が喧嘩! 最後に 平安時代劇第4弾はまたしてもグラン・プリ受賞作 平安時代劇紹介シリーズ第4弾は 前回紹介した黒澤明監督の「羅生門」に続き またしても国際映画祭グランプリ受賞作 衣笠貞之助監督の「地獄門」(1953年)です! (「地…