このところ、ちょっとした空き時間があると、つい鎌倉に足が向いてしまう。 ただぼんやり海を見て、お茶を飲んで帰ってくるというだけのことなのだけれど、昨秋、吉屋信子記念館を外から眺めた(コロナのために一般公開は中止されている)ことが呼び水となって、いまさらながら文化的なことに興味が向いてきた。吉屋信子は昭和初期に大人気だった小説家で、小学校の学級文庫に彼女の作品が置いてあった関係で、よみふけっていたことがある。往年の大作家だった吉屋信子の自宅が市に寄贈されたものを鎌倉市が管理し、市民の利用に供しているのだが、鎌倉にはそのような施設がいくつかあり、吉屋信子記念館の近くには旧前田侯爵家別邸を利用した鎌…