何か強力な信念を持った人というのも、自殺しやすいように思う。 信念が危機に晒されたとき、自らを「無」に帰すことで、その信念を守ろうとするのだ。 光クラブ事件の山崎晃嗣を思い起こす。 戦後間もない混乱期、東大生の闇金社長として悪名を馳せるも、多額の負債を抱えて服毒自殺した人物だ。 「『合意によるものは拘束さるべし』以外の道徳は一切守らない」などと断言して憚らなかった彼は、死に際に以下の言葉を残している。(※ソースによって微妙に内容が異なる) 「私の合理主義をもってすれば、人間と人間の関係は『pacta sunt servanda(合意は拘束さるべし)』という国際法の根本原則で割り切れる。支払うこ…