1902〜1982 漫画家、民俗学者、江戸文化研究家。
東京都生まれ。1922年(大正11)に東京毎夕新聞社に入社、同紙で『漫画太郎』、『団子串助漫遊記』などの漫画を連載し人気を博す。以後も日本初の子供漫画専門作家として、数多くの単行本を刊行した。 また、江戸時代の文化の研究や、祭礼を中心とした民俗の探訪も行い、関連の著書も多数。
宮尾しげをが描いた日常の着物 先日ご紹介した前川千帆と同じく、漫画家の宮尾しげをも、日常のほほえましい瞬間を切りとってくれました。デジタルネイティブという言葉がありますが、いわば着物ネイティブたちの姿がここに。 右下の「ベッタラをぶら下げて夜道を歩くおじさん」なんて、写真にも映画にもまず残らない姿です。 『現代漫画大観 第5編』昭和3年 帯の絵が気持ちいい 私は、宮尾しげをが描く「帯」が大好きです。お太鼓がふっくら・キュッ! お茶を出しても お寺さんは 拝むなり 『現代漫画大観 第5編』昭和3年 きゅうり柄の着物に、カッパの帯…。尻子玉を抜かれないコーディネート? 降参をして いるように シャ…
レジ袋がなかった時代の買い物スタイル かつて、レジ袋も、折り畳みエコバッグも存在しませんでした。どうやって買い物をしていたのでしょう?昔の買い物姿をご紹介します。 袋に入れず「しばる」 「この辺に 居るのか巡査 葱をさげ」。レジ袋からネギがはみ出すのだけは嫌がる人がいますが、このようにネギのみを束ねてしまえば、逆にかっこいい。この巡査、シンプルで美味しい鍋を食べてそう。(昭和3年 宮尾しげを「現代漫画大観」) 「ベッタラを 不気味に下げて 家へつき」。ベッタラって、けっこうな重量になりそうですが、まあ男性だし平気でしょう。(昭和3年 宮尾しげを「現代漫画大観」) 1972年の香港に、大根をしば…
東京・関東巡り:記事一覧 社寺祠堂巡り:記事一覧 はじめに 今回は、公園内にある草分稲荷神社と戦災殉難者慰霊碑について。 草分稲荷神社 秋葉原からJR総武線の高架沿いに東へ歩いていくと、右手に佐久間公園が見えてくる。 この公園の一角にあるのが草分稲荷神社だ。 きちんと綺麗に管理されており、お供物も置かれている。 御祭神は由緒書の掲示によれば宇迦之御魂命だ。 創建年は不明だが、『東京名所図会』によると文政6年(1823年)の年号の入った石鳥居があったようだ*1。 なお、現在地には昭和36年(1961年)に遷座。 『千代田の稲荷』によれば、少なくとも2008年頃には町会により初午祭と餅つき大会が行…
先週の『女甲冑騎士さんとぼく』に「中学生は”団”が好き」という話があった。 tonarinoyj.jp 私が中学生のころも、”団”、流行ってました。SOS団とか、ワサラー団とか、モンハンのなんかそういうのとか。あとや団(SMA NEET Project)。 『女甲冑騎士さんとぼく』の「ぼく」がゾッとしているように、今では痛々しいふるまいとしてインターネットでは揶揄されるようになってしまった”団”だが、大昔には大人が本気で面白いと思ってやっていた”団”もあるようだ。 その名も「ポコモコ王国貴族団」。 ポコモコ王国第十一回二月会議御招請状。 (ポコモコ発)ポコモコ王国第十一回会議が発令されました。…
小野耕世『長編マンガの先駆者たち――田河水泡から手塚治虫まで』(岩波書店、2017年)と手塚治虫の話は、70回で記した。 小野耕世『長編マンガの先駆者たち』の刊行を記念して、親しくしていた銀座の若山美術館で、「小野耕世、マンガづけの少年時代」展という展覧会(2017年4月25日‐6月24日)を開催し、小野耕世氏と私の対談(実際は、小野耕世独演会)というイベントも2回行なったのだが、清水勲氏も、このイベントに来場してくれた。 小野耕世『長編マンガの先駆者たち――田河水泡から手塚治虫まで』(岩波書店、2017年)と、「小野耕世、マンガづけの少年時代」展チラシ(銀座・若山美術館、2017年) 清水氏…
今年の「七夕古書大入札会」(明治古典会)の目録は、特にジブリ関係のセル画・原画が話題になったようだ。私自身は、稲垣武雄の旧蔵書や蔵書印(印顆)が気になった。もっとも、そろそろ終活のお年頃(^_^;)なので入札依頼は見送り。 稲垣の蔵書印は、国文学研究資料館の故青田寿美先生が管理し、現在は人文情報学研究所に移管した「蔵書印データベース検索システムhttps://seal.dhii.jp/sealdb/」にも収録されていない。ところが、先日の阪神百貨店の古書ノ市でモズブックスから入手した「竹とんぼ同人」*1から中山香橘宛葉書(昭和17年8月10日消印)に稲垣の印(冒頭の写真の左上)が押されていた。…