新しい年を迎えるとき、毎年、それまでにはなかった新しいことを見つけてみたいとか、なにかにチャレンジしてみたいとか、そんな気持ちにさせられます。ところが、同じような日常が繰り返されていく過程で、いつのまにか、そのような気持ちは徐々に萎えていくようです。そこで、そうした気持ちが薄れてしまわないように、せめてブログのなかでは、「はじめてのこと」に挑戦した人間を描いた作品を紹介し、新年のスタートを肝に銘じたいと思っているところです。選んだのは、三つの「はじめて物語」です。「はじめて物語」の第一弾は、高木彬光『「横浜」をつくった男 易聖・高島嘉右衛門の生涯』(光文社文庫、2009年)。日本を代表する港町…