第6章 感情は豊かに、でも感情的にはならない 高齢になると、脳の前頭葉が委縮してくるため、感情のコントロールがききにくくなります。 役所の職員や店のスタッフの対応に腹を立てて、大声で怒鳴りつけている高齢者がよくいます。 その姿を見た人からは「暴走老人」などと呼ばれ、「ああはなりたくない」とつぶやかれたりします。 でも、その手の高齢者の多くは、ふだんから四六時中、怒っているわけではありません。 「かくあるべし思考」が強いために、そこから外れた人を見るとムカッときてしまう。 つまり規範意識が強く、ふだんはむしろまじめそのものの人が多いのです。 言い換えれば、彼らは感情が豊かとはいえません。 「暴走…