四方田犬彦
(読書)
【よもたいぬひこ】
1953年生まれ。大阪府出身（従来の西宮出生説は誤り*1）だが、幼少年期は東京ですごす。東京大学にて宗教学、同大学院にて比較文化を専攻。『空想旅行記の修辞学―「ガリヴァー旅行記」論』で修士号取得。建国大学（韓国）、東洋大学、コロンビア大学で教鞭をとったあと1990年より明治学院大学文学部芸術学科で映画史・映像論を講じる。同大言語文化研究所所長。1994年にボローニャ大学、2004年にテルアヴィヴ大学・プリシュティナ大学分校で客員教授をつとめる。
映画、文学、漫画、政治などの領域を中心に広範にわたるテーマでの著作多数。
著書
- 『リュミエールの閾―映画への漸進的欲望 (1980年) (エピステーメー叢書)』朝日出版社、1980年
- 『映像の召喚』青土社、1983年
- 『人それを映画と呼ぶ (1985年)』フィルムアート社、1984年
- 『クリティック (1984年)』冬樹社、1984年
- 『映像要理 (1984年) (週刊本〈10〉)』朝日出版社、1984年
- 『電撃フランクチキンズ（平岡正明との共著）』朝日出版社、1985年
- 『タイガー立石のデジタル世界 (思索ナンセンス選集 (8))』思索社、1985年
- 『映画暦（鈴木一誌との共著）』フィルムアート社、1985年
- 『あんにょんソウル韓国日常雑貨事典』洋泉社、1986年
- 『映画はもうすぐ百歳になる (水星文庫)』筑摩書房、1986年
- 『封切り日がまちどおしい』青土社、1987年
- 『われらが＜他者＞なる韓国』パルコ出版、1987年、文庫版『われらが「他者」なる韓国 (平凡社ライブラリー)』平凡社ライブラリー、2000年
- 『哲学書簡』哲学書房、1987年
- 『最新流行』青土社、1987年
- 『貴種と転生』新潮社、1987年
- 『食卓の上の小さな渾沌』筑摩書房、1987年
- 『もうひとりの天使―ノスタルジアと蒐集をめぐる48の省察 (文芸叢書)』河出書房新社、1988年
- 『叙事詩の権能』哲学書房、1988年
- 『感情教育』河出書房新社、1988年
- 『ストレンジャー・ザン・ニューヨーク』朝日新聞社、1989年
- 『前衛調書―勅使河原宏との対話』学芸書林、1989年
- 『吉田健一頌 (風の薔薇叢書)』書肆風と薔薇、1990年、増補新版『吉田健一頌 (風の薔薇叢書)』水声社
- 『黄犬本papers ’89~’90』扶桑社、1991年
- 『クリティック (冬樹社ライブラリー)』冬樹社、1991年
- 『死 (現代哲学の冒険 1)』岩波書店、1991年
- 『世界のオカルト文学・幻想文学総解説』自由国民社、1991年
- 『魯迅―めざめて人はどこへ行くか (にんげんの物語)』ブロンズ新社、1992年
- 『越境のレッスン―東アジアの現在・五つの対話 (丸善ライブラリー)』丸善ライブラリー、1992年
- 『映画のウフフッ』フィルムアート社、1992年
- 『待つことの悦び』青玄社、1992年
- 『月島物語』集英社、1992年、斎藤緑雨賞、文庫版『月島物語 (集英社文庫)』集英社文庫、1999年
- 『花の肖像』小原流東京支部、1992年
- 『眼の破裂』百頭社、1993年
- 『ドルズ・ハウスの映画館』悠思社、1993年
- 『文学的記憶 (五柳叢書 (37))』五柳書院、1993年
- 『読むことのアニマ―子供部屋の世界文学』筑摩書房、1993年
- 『赤犬本―papers ’91~’92』扶桑社、1993年
- 『電影風雲』白水社、1993年
- 『回避と拘泥』立風書房、1994年
- 『漫画原論』筑摩書房、1994年、文庫版『漫画原論 (ちくま学芸文庫)』ちくま学芸文庫、1999年、韓国語版時空社、2000年
- 『映画はついに100歳になった』日本放送出版協会、1995年
- 『MasumuraYasuzo』IstitutoGipponesediCultur、1996年
- 『オデュッセウスの帰還』自由国民社、1996年
- 『空想旅行の修辞学―『ガリヴァー旅行記』論』七月堂、1996年
- 『貴種と転生・中上健次』新潮社、1996年、文庫版『貴種と転生・中上健次 (ちくま学芸文庫)』ちくま学芸文庫、2001年
- 『心ときめかす』晶文社、1998年
- 『先に抜け、撃つのは俺だ』アスペクト、1998年
- 『映画史への招待』岩波書店、1998年
- 『旅の王様』マガジンハウス、1999年
- 『星とともに走る―日誌1979‐1997』七月堂、1999年
- 『狼が来るぞ!』平凡社、1999年
- 『映画監督溝口健二』新曜社、1999年
- 『日本映画のラディカルな意志』岩波書店、1999年
- 『モロッコ流謫』新潮社、2000年、伊藤整文学賞・講談社エッセイ賞
- 『日本映画史100年 (集英社新書)』集英社、2000年
- 『日本の女優 (日本の50年日本の200年)』岩波書店、2000年
- 『けだものと私』淡交社、2000年
- 『マルコ・ポーロと書物』耷出版社、2000年
- 『ハイスクール・ブッキッシュライフ』講談社、2001年
- 『アジアのなかの日本映画』岩波書店、2001年
- 『ゴダール・映像・歴史―『映画史』を読む』産業図書、2001年
- 『ソウルの風景―記憶と変貌 (岩波新書)』岩波書店、2001年、日本エッセイストクラブ賞
- 『李香蘭と東アジア』東京大学出版会、2001年
- 『大好きな韓国』日本放送出版協会、2002年
- 『洪水の忘却』ギャラリー・イヴ、2002年
- 『映画と表象不可能性』産業図書、2003年
- 『大好きな韓国』ポプラ社、2003年
- 『映画女優 若尾文子』みすず書房、2003年
- 『アジア映画の大衆的想像力』青土社、2003年
- 『摩滅の賦』筑摩書房、2003年
- 『指が月をさすとき、愚者は指を見る―世界の名科白50』ポプラ社、2003年
- 『ハイスクール1968』新潮社、2004年、文庫版『ハイスクール1968 (新潮文庫)』新潮文庫、2008年
- 『白土三平論』作品社、2004年
- 『航海の前の読書 (五柳叢書)』五柳書院、2004年
- 『吉田喜重の全体像』作品社、2004年
- 『男たちの絆、アジア映画 ホモソーシャルな欲望』平凡社、2004年
- 『心は転がる石のように―Papers 2003‐2004』ランダムハウス講談社、2004年
- 『ためぐち韓国語 (平凡社新書)』平凡社新書、2005年
- 『「パッチギ!」対談篇 ・・・・・・喧嘩・映画・家族・そして韓国・・・・・・ (朝日選書)』朝日新聞社、2005年
- 『見ることの塩 パレスチナ・セルビア紀行』作品社、2005年
- 『ラブレーの子供たち』新潮社、2005年
- 『ブルース・リー : 李小龍の栄光と孤独』晶文社、2005年
- 『アトムと寅さん 壮大な夢の正体』河出書房新社、2005年
- 『「かわいい」論 (ちくま新書)』筑摩書房、2006年
- 『女優山口百恵』ワイズ出版、2006年
- 『パレスチナ・ナウ―戦争・映画・人間』作品社、2006年
- 『月島物語ふたたび』工作舎、2007年
- 『人生の乞食』書肆山田、2007年
- 『先生とわたし』新潮社、2007年、文庫版『先生とわたし (新潮文庫)』新潮文庫、2010年
- 『驢馬とスープ―papers2005‐2007』ポプラ社、2007年
- 『人間を守る読書 (文春新書)』文藝春秋、2007年
- 『若松孝二 反権力の肖像』作品社、2007年
- 『日本映画と戦後の神話』岩波書店、2007年
- 『日本のマラーノ文学』人文書院、2007年、桑原武夫学芸賞
- 『翻訳と雑神』人文書院、2007年、桑原武夫学芸賞
- 『沖縄映画論』作品社、2008年
- 『四方田犬彦の引っ越し人生』交通新聞社、2008年
- 『往復書簡 いつも香港を見つめて』岩波書店、2008年
- 『日本の書物への感謝』岩波書店、2008年
- 『日中映画論』作品社、2008年
- 『濃縮四方田』彩流社、2009年
- 『歳月の鉛』工作舎、2009年
- 『怪奇映画天国アジア』白水社、2009年
- 『音楽のアマチュア』朝日新聞出版、2009年
- 『戦う女たち――日本映画の女性アクション』作品社、2009年
- 『子供は悪いのが好き―スクリーンのなかの幼年時代』光村図書出版、2009年
- 『女神の移譲――書物漂流記』作品社、2010年
- 『大島渚と日本』筑摩書房、2010年
- 『『七人の侍』と現代――黒澤明 再考 (岩波新書)』岩波書店、2010年
- 『永久男根/平岡正明―平岡正明追悼論集』彩流社、2010年
- 『俺は死ぬまで映画を観るぞ』現代思潮新社、2010年
- 『蒐集行為としての芸術』現代思潮新社、2010年
- 『ポスト満洲 映画論―日中映画往還』人文書院、2010年
- 『1968年文化論』毎日新聞社、2010年
- 『人、中年に到る』白水社、2010年
訳書
- 『至高体験―自己実現のための心理学』（由良君美と共訳）コリン・ウィルソン著、河出書房新社、1979年、文庫版『至高体験―自己実現のための心理学 (河出文庫)』河出文庫、1998年
- 『優雅な獲物』ポール・ボウルズ著、新潮社、1989年
- 『蜘蛛の家 (ポール・ボウルズ作品集)』ポール・ボウルズ著、白水社、1995年
- 『パレスチナへ帰る』エドワード・サイード著、作品社、1999年
- 『メロドラマ的想像力』（木村慧子と共訳）ピーター・ブルックス著、産業図書、2002年
- 『詩集 壁に描く (りぶるどるしおる)』マフムード・ダルウィーシュ著、書肆山田、2006年
- 『パゾリーニ詩集』ピエル・パオロ・パゾリーニ著、みすず書房、2011年
（『マルコ・ポーロと書物』『濃縮四方田』他による）
*1:『赤犬本』P.590
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