都内を北東から南西に貫通する路線。
以下の2区間に分かれる。ここでは仮に本線・支線と区別する。
地図上は一本につながっているようにも見えるが、運転系統は綾瀬で分断されている。
「駅ナンバリング」での路線記号は、Chiyodaの「C」。
本線は綾瀬駅でつながるJR常磐緩行線、代々木上原駅でつながる小田急線と、それぞれ相互直通運転を行なっている。常磐線は取手、小田急は多摩線の唐木田および小田原線の本厚木までが相互直通区間である。後述のようにJR線内各駅停車、小田急線内は多摩線直通が急行/多摩急行、本厚木方面が準急である。
上記のほか、小田急電鉄のロマンスカーMSEを利用して、メトロはこね、メトロさがみ、メトロホームウェイが、北千住-本厚木/箱根湯本間で運行されている。
2016年3月のダイヤ改正まではJR車両は代々木上原〜取手間、小田急車両は綾瀬〜唐木田/本厚木間の運行で、3社にまたがって運行する列車はもっぱら東京メトロの車両が運行されていたが、小田急車にJRの、JR車に小田急の保安装置を取り付ける工事が行われたため、同改正からは取手〜唐木田/本厚木間での3社相互直通運転に変更されている。
常磐緩行線方面へはほぼ半数が直通するが、小田急線方面へは20〜30分に1本の直通。他に線内運行が多数ある。
1969年12月20日 北千住−大手町間
1971年3月20日 大手町−霞ケ関間
1971年4月20日 綾瀬−北千住間
1972年10月20日 霞ケ関−代々木公園間
1978年3月31日 代々木公園−代々木上原間
1979年12月20日 綾瀬−北綾瀬間
路線図を見ただけでは理解しづらいのが、北千住−綾瀬間で平行するJR常磐線との関係である。
北千住駅は地下に千代田線の駅、地上に常磐線(常磐快速線)の駅が設けられている。
千代田線は北千住駅の綾瀬方で地上に出て、以後は常磐快速線と並んで複々線を構成する形になる。
綾瀬には常磐快速線の駅はなく、常磐快速線の線路の横に、千代田線の駅だけがある。
前述の通り千代田線は綾瀬から常磐緩行線に乗り入れるので、千代田線(本線)の線路は綾瀬から先、そのまま常磐緩行線の線路につながっている。乗務員もここで交代する。
並走区間ではあるが、綾瀬駅を含む千代田線側は東京メトロが、以東亀有寄りの常磐線側はJRが、それぞれ保守管理にあたっている。そのため、綾瀬駅はJRの駅には含めない。
ちなみに、千代田線と常磐線では、常磐線のほうが北千住−綾瀬間の営業キロが0.1km長い。
歴史的には、千代田線の開業前から綾瀬駅は国鉄常磐線の駅として存在していた(1943年開業)。つまり、千代田線の開業以前、常磐緩行線は上野から日暮里・三河島・南千住・北千住・綾瀬・亀有・金町・松戸…と停車していた。
千代田線の開業に伴い、現在の北綾瀬駅の北方に帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)の車庫が設けられ綾瀬駅は千代田線の本線終着駅としての役割を担うこととなり、常磐緩行線は綾瀬から千代田線に乗り入れることになった。
しかし、国鉄と営団の区分線を綾瀬に定めた場合、綾瀬・亀有・金町の3駅には常磐快速線は停車しないため、これら3駅と北千住以遠(南千住方面)各駅の間を乗車するには、(区分上)北千住−綾瀬間の営団線を経由しなければならなくなった。
このままでは北千住−綾瀬間で営団線の運賃を別に取られることになってしまい問題なので、この区間は国鉄(JR)線の乗車券でも乗車できるという特例が設けられた。
この結果、現在のような、北千住−綾瀬間は千代田線なのか常磐線なのかよく分からないという状況が出現したわけである。
※注記のないものはICカードの場合。きっぷは10円単位切り上げ、子供運賃は半額の端数切り捨て。ただし東京メトロの子供きっぷ運賃は半額の端数切り上げ。
北千住−綾瀬間相互発着の運賃は常に東京メトロ(営団)・JR(国鉄)の賃率に従って計算して安いほうになるように定められているので、現在はJRの初乗り運賃と同じ大人133円となっている。
この区間を含み、その先の東京メトロ線やJR線にまたがる運賃計算においては、
という*1、ややこしいルールになっているが、要するに基本的には北千住駅が運賃計算の境界駅で、北綾瀬駅発着についてのみ、東京メトロのみの路線で利用可能な場合*2は東京メトロの運賃を適用するということになる。
また、北千住・綾瀬の2駅では以前からSuicaが使えた。*3
もちろん、現在は全駅がSuicaで利用出来る。*4
また、東京都区内発着の乗車券、青春18きっぷや北海道&東日本パスなど、北千住駅〜綾瀬駅間を含むJR東日本の路線が利用可能な普通乗車券・特別企画乗車券についても、北千住駅〜綾瀬駅間をJR常磐線とみなして利用することが可能。
亀有以遠から北千住〜西日暮里を乗車しJR線に乗り換える場合、JR区間の合算距離から算出した運賃+北千住〜西日暮里の東京メトロ運賃となる。区間、運賃改定の際の条件によっては、JR線のみ乗車の場合と東京メトロを間に挟んだ場合での運賃が等しいことがある。(例:馬橋〜新宿)
定期券が窓口で発券されていた時代、西日暮里乗り換えの定期券に縦に一本赤線を入れて一目でわかるようにしていた。しかしこれは常磐線沿線各駅のローカルルールであった可能性もある。
駅番号 | 駅名 | よみ “えき”は略 |
接続路線 |
---|---|---|---|
C-20 | 北綾瀬駅 | きたあやせ | - |
C-19 | 綾瀬駅 | あやせ | JR常磐緩行線(相互直通運転) |
C-18 | 北千住駅 | きたせんじゅ | JR常磐快速線・日比谷線・東武スカイツリーライン つくばエクスプレス |
C-17 | 町屋駅 | まちや | 京成本線 都電荒川線(町屋駅前電停) |
C-16 | 西日暮里駅 | にしにっぽり | JR山手線・京浜東北線 日暮里・舎人ライナー |
C-15 | 千駄木駅 | せんだぎ | - |
C-14 | 根津駅 | ねづ | - |
C-13 | 湯島駅 | ゆしま | - |
C-12 | 新御茶ノ水駅 | しんおちゃのみず | JR中央快速線、中央・総武緩行線(御茶ノ水駅) 都営新宿線(小川町駅) 丸ノ内線(淡路町駅) |
C-11 | 大手町駅 | おおてまち | 丸ノ内線・東西線・半蔵門線 都営三田線 |
C-10 | 二重橋前駅 | にじゅうばしまえ | - |
C-09 | 日比谷駅 | ひびや | 日比谷線・都営三田線 有楽町線、JR山手線・京浜東北線(以上 有楽町駅) |
C-08 | 霞ケ関駅 | かすみがせき | 丸ノ内線・日比谷線 |
C-07 | 国会議事堂前駅 | こっかいぎじどうまえ | 丸ノ内線 銀座線・南北線(溜池山王駅) |
C-06 | 赤坂駅 | あかさか | - |
C-05 | 乃木坂駅 | のぎざか | - |
C-04 | 表参道駅 | おもてさんどう | 銀座線・半蔵門線 |
C-03 | 明治神宮前〈原宿〉駅 | めいじじんぐうまえ (はらじゅく) |
東京メトロ副都心線 JR山手線(原宿駅) |
C-02 | 代々木公園駅 | よよぎこうえん | - |
C-01 | 代々木上原駅 | よよぎうえはら | 小田急小田原線(相互直通運転) |
千代田線とJR線の乗換駅は、公式には明治神宮前(原宿)・日比谷(有楽町)・新御茶ノ水(御茶ノ水)・西日暮里・北千住・綾瀬、ということになっている。(日比谷〜有楽町の乗換えは遠すぎて敬遠されがちだが。)
この他に、充分歩ける距離の乗換えがあるので参考にされたし。
*1:http://www.tokyometro.jp/eigyo/joshaken/ayase_kitasenju.htmlから引用。
*2:JRを利用しなくてもよい場合
*3:当時は、北千住より先の乗車には使えなかった(綾瀬〜北千住は可)。綾瀬駅や北千住の千代田線改札口にはSuicaに対応した精算機がなかったので、窓口で対応してもらうことになり、チャージはできなかった。これらの改札口にあるJRの自動券売機でもSuicaのチャージはできなかった。
*4:PASMO開始に伴う機器改修で綾瀬は東京メトロの券売機が、北千住は千代田線に加えて同一構内の東武鉄道(日比谷線方面)の券売機がICカード対応に改修