オススメ度:★★★☆☆ いつ死ぬかわからんし、などと相手に興覚めさせるような事は言えなかった。(p.172) 太宰治『津軽』 本書のエッセンス・太宰の死の4年前に書かれた・故郷津軽をめぐる・真の目的は母代わりの"たけ"と人生の最後に会うこと たった一つの旅の目的 没する数年前の太宰が、小山書店の依頼を受けて書いた旅行記的なエッセイ。 生まれ故郷を訪れ、旧友や知人と共に津軽のあちらこちらを周るが、正直最後の目的地を訪れるまで面白いと感じられなかった。 読み途中ではこの本が太宰治の作品の中で評価されているのかと、いささか疑心を抱いた。 新たな地を訪れるたびに事典から引用したような(なかには実際に引…