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人間椅子

(映画)
にんげんいす

エロチック乱歩 人間椅子
© 2006 アートポート
2006年/日本/カラー/76分/
配給:アートポート


 予告編ムービー

解説

◆江戸川乱歩のストイックでエロティックな愛の世界
椅子に座る女、椅子の中の男…。椅子の革1枚のおかげで2人の肌は、唇は、直接触れ合うことはない。女は椅子の上で悶え、男も椅子の中から愛撫する。革1枚隔てた向こうにある肌の感触、肉の重みを感じ、2人は激しく愛の行為に耽る。

◆衝撃の結末が逆流した動脈を瞬く間に凍らせる!
美貌の人気作家、今野佳子の担当者となった真理は、一人暮らしの佳子の家にある黒革の大きく、まるで生きているかのような椅子が気になって仕方がない。一方で、佳子の師匠で失踪中の大御所作家、大河内俊作の行方にも興味を持つ。そのうち真理は、大河内が佳子の家にいるのではないかと思うようになる。しかも、あの椅子の中に…。真理は佳子の新作ではなく、大河内に新作を書かせようと考える。果たして大河内はあの椅子の中にいるのだろうか。もしいるとしたらなぜ? 

◆乱歩の代表作に新鋭が挑む!
短編処女作『二花子の瞳 〜にかこ、の、ひとみ〜』で国内外から絶賛を浴び、『蒼き狼 〜地果て海尽きるまで〜』では脚本協力を務めた新鋭の佐藤圭作が初の長編監督作として江戸川乱歩の耽美と官能と衝撃の世界に挑む。

◆宮地真緒 小沢真珠 板尾創路 不条理を奏でる異色のコラボレーション
真里を演じるのは映画、ドラマ、ミュージカルと幅広く活躍している宮路真緒。佳子を演じるのは実に4年ぶりの映画出演となる小沢真珠、編集長・小原を演じるのは最近ではお笑いの場と共に演技の場での活躍も目覚しい板尾創路。その他、若者たちに絶大な人気を誇る劇団ハイレグタワーの辻修など、個性的なプレイヤーたちが顔を揃えた。

ストーリー

                                                                                                                                                              • -

美貌の人気女流作家・今野佳子の新任担当となった倉田真里の仕事は、佳子に新作を“書かせる”ことであった。若くして華々しくデビューした佳子は、ここ数年新作どころかエッセイすら書いていない。真里が勤める出版社の新人賞に応募したことが佳子のデビューのきっかけで、作家志望だった真理はその賞にも応募した過去があり、彼女にとって佳子はまさに憧れの存在であった。

真里には有名人の私物やゴミを盗んでは集める妙な癖があった。上司の編集長・小原と佳子と会食した際にも、佳子が使用したティースプーンを懐に忍ばせていた。
真理は佳子がデビューした本当の理由を先輩に尋ねると妙な答えが返ってきた。佳子は大御所作家の大河内俊作の弟子をしていた。弟子と言ってもその実、大河内の変態プレイの相手をしているだけではあるが…。変わり者の大河内に耐えられなくなり、担当編集者まで失踪してしまうくらいであった。あるとき、出版社の屋台骨を支えていた大河内自身が突然失踪してしまい、文芸誌の連載の穴を埋めるべく、美人の佳子を小原が抜擢したのだと言う。小原の狙いはまんまと当たり、若手の美貌作家として大河内以上の人気を得る。佳子の才能を昔から知るその先輩は、佳子にゴーストライターが付いているのではとい疑問を抱いていた。

担当編集者として“書かせる”ために佳子の家へ日参するようになった真理は、徹夜で張り付くこともしばしばあった。そんなある日、コレクションをあさろうとしていたゴミ箱から2本のストリーを拾い上げる。1本の口には口紅の跡が、もう1本の口には緑色をした何かコケのようなものが付着していた。また別に日には「おかえりなさい」と記されたメモが捨ててあった。この家には真里、佳子のほかに誰かがいるのではないか?真里のその疑問が確証に変わったのは、佳子がいつも座っている椅子に座らされたときだった。言い表せぬ座り心地と感触は、まさに椅子の中に人がいるのではないかと思わせる。先輩が言っていた大河内と佳子の関係、ゴーストライターの存在…、それらは椅子の中に大河内が入っており、佳子のゴーストライターをしていると真里に思わせるに充分なものであった。

小原に大河内の新作原稿が手に入ったらどうするか尋ねると、小原はニヤリとしながら昇進させてもいいと言う。真里がしていることはいつしか佳子に“書かせる”のではなく、大河内に“書かせる”に変わっていた。そして真理は遂に、佳子の使っていないパソコンから誰が書いたのかわからない新作原稿を見つけてしまう。それは、一歩踏み入れたら決して抜け出ることの出来ない無間地獄への扉を開けるに等しい行為であった。決して抜け出ることにできない…、椅子の中の人間のように…。


スタッフ
監督:佐藤圭作 
原作:江戸川乱歩
製作:松下順一 
プロデューサー:武内健 
アシスタントプロデューサー:佐藤嘉一
脚本:佐藤圭作/武井彩 
音楽監督:柳田しゆ 
撮影:大河勇 
美術:松本知恵 
照明:米川史朗
録音:土屋和之 
VE:宇津野裕行 
編集:清水正彦 
助監督:阿部満良 
制作担当:島根淳
制作:円谷エンターテインメント 
製作:アートポート


キャスト
宮地真緒
小沢真珠
板尾創路
辻修   
石川謙   
鈴木薫   
鈴木拓也 
茅野雅生 
水戸ひねき

人間椅子

(読書)
にんげんいす

江戸川乱歩の小説。

人間椅子

(音楽)
にんげんいす

仮装系純和風ハードロックバンド。


もともと高校の同級生であったギターの和嶋慎治と、ベースの鈴木研一により'87 年頃結成。
コンセプトは、当時よくコピーしていたBLACK SABBATHなどの70年代ブリ ティッシュ・ハード・ロックのサウンドに、和製英語に頼らない、あくまでも日本語にこだわった文学的歌詞を載せるというもの。バンド名は、あえて下世話におどろおどろしくということで、江戸川乱歩の同小説名から採った。
なかなかドラマーが固定しなかったものの、鈴木の大学の先輩の友人であった北海道出身の上館徳芳が合流、ここに初期人間椅子の形態が出来上がった。その後サウンドにも、和嶋、鈴木両名の出身地である津軽地方の方言を取り入れたり、津軽三味線の奏法を導入したりと、徐々に進化を遂げていく。

Discography

  • 人間椅子(イカ天レーベルから出された幻のアルバム、俗に0th)
  • 人間失格
  • 桜の森の満開の下
  • 黄金の夜明け
  • 羅生門
  • ペテン師と空気男〜人間椅子傑作選〜
  • 踊る一寸法師
  • 無限の住人
  • 頽廃芸術展
  • 二十世紀葬送曲
  • 怪人二十面相
  • 見知らぬ世界
  • 押絵と旅する男〜人間椅子傑作選 第2集〜
  • 修羅囃子
  • 三悪道中膝栗毛
  • 瘋痴狂
  • 真夏の夜の夢
  • 人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤
  • 未来浪漫派
  • 疾風怒濤〜人間椅子ライブ!ライブ!!
  • 此岸礼讃
  • 萬燈籠
  • 無頼豊饒
  • 現世は夢〜25周年記念ベストアルバム〜
  • 怪談 そして死とエロス
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