議員1人当たりの有権者数が選挙区によって違うこと。つまり、有権者1人が持つ一票の重みが異なること。
一票の格差は法の下の平等に反するとして訴訟が起こされることがある。人口や有権者数は流動するため、一票の格差を完全に無くすことは事実上不可能であり、どこからを「格差」として判断するかは難しい。
最高裁の判断基準
最高裁はこれまで、一票の格差について
- 著しい不平等状態にあるか
- その状態が相当期間継続しているか
という判断基準を用い、1と2を満たせば「違憲」、1のみ満たす場合は「違憲状態」としてきた。
一票の格差を巡る訴訟
- 2004年参議院選挙の選挙区においては「15万1737票で当選」「71万8125票で落選」となったが、最高裁は合憲という結論を出している。
- 2009年選挙の区割りについて最高裁は、「違憲状態」と判断。格差の要因である1人別枠方式を「できるだけ速やかに廃止すべき」とした。国会では、小選挙区の定数を「0増5減」とする選挙制度改革関連法が成立したが、区割り作業が間に合わないまま実施された2012年の衆院選では、最大格差が2.43倍まで拡大。「違憲状態」とした2009年選挙と全く同じ区割りで行われている上に、最高裁判決から選挙までには約1年9カ月の期間があった。
- 2013年3月25日、広島高裁は広島1区・2区の選挙を「違憲」、選挙を無効とする判決を言い渡した。一票の格差による選挙のやり直しを求める司法判断はこれが戦後初。
- 2013年3月26日、広島高裁岡山支部が「違憲で無効」とする判決を言い渡した。
- 2013年11月20日、最高裁が2012年の衆議院選挙について「違憲状態」とする判決を言い渡した。
- 2013年11月28日、広島高裁岡山支部が2013年7月の衆議院選挙に関して、一票の格差を理由に岡山選挙区での選挙を「違憲で無効」とする判決を言い渡した。
- 2013年12月5日、広島高裁は2013年7月の衆議院選挙について、広島選挙区と山口選挙区が「違憲状態」であるという判決を言い渡した。