Karl Gustav Jakob Jacobi (1804年―1851年) ドイツの数学者。楕円関数論を、アーベルとは無関係に創設する。数学用語としては「ヤコビアン」にその名を残す。 彼には有名な言葉がある:「科学はただ人間の精神の栄誉のためにのみある。」この言葉は、実利を追求するノーベル賞に数学部門がないことと密接に関係すると思われる。
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リサジュー曲線は三角関数で構成される。リサージュ図形とも呼ばれる。 xがCosで、YがSinで関数化され、媒介変数で生成される。二次元平面内で様々な曲線(閉曲線だったり開曲線だったり)が再生可能だ。周期関数なので一定の枠内で振動するのも特徴だ。 三次元空間でこの曲線を描こうとするとx,y,zに割り当てる三角関数が不足する。CosとSinでは足りない。この二つの組み合わせで独立性が保てないようだ。三番目の関数があるほうが自然だ。誰もが思いつくTanはCosとSinから合成されているうえにすぐに発散する。 というわけで、三個の独立した周期関数の手っ取り早い拡張は楕円関数ということになる。ここで用意…
昨日、ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』の最終講を見て、その滅多斬りぶりがスゲえという話をした。 cruel.hatenablog.com 一晩寝ると、なおさらすごいな、と思う。ふつう、ここまでやらないと思うのだ。普通はどうするだろうか? なんとかポジティブに終えたいと思ってしまうのが人情だろう。そしてその簡単な手はすぐに思いつく。まず、最終回の題名を変えよう。 「現代に生きる存在の連鎖」 とかいうタイトルにしましょう。そして、全体の話の構成はこんな具合にしよう。 (ヤコービが〜、シェリングが〜、で、全部破綻しましたという話) 確かに、こうした神学や哲学の分野においてはこの観念は破綻し消えた。 …
その昔、荒俣宏だったかで、ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』をほめていて、その後高山宏が、ニコルソンとかの紹介で観念史をいろいろもてはやしていた頃に、読もうかと思って邦訳を買って取りかかった。 存在の大いなる連鎖 (ちくま学芸文庫 ラ 10-1)作者:アーサー・O. ラヴジョイ筑摩書房Amazon が、これ本当にひどい翻訳で、何を言っているのかさっぱりわからない。で、原書を見てみたら、なんだ、ずっとわかりやすいじゃないか。 訳者はおそらく、著者が何を言っているのかまったく理解できていなかったと思う。最初の一章をまず訳してみたので、まあ暇な人は読んで見てくださいな。持っている人は邦訳版と対比してみ…
目次 日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究 第29号 2023』(現代思潮新社、2023年) 加藤尚武「科学と哲学の断絶」 真田美沙「ヤコービ哲学における学的証明とその労働に関する批判についての考察——ヘーゲルのヤコービ批判の再検証のために——」 日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究 第29号 2023』(現代思潮新社、2023年) 発売されたばかりの最新の『ヘーゲル哲学研究』を読む。今回から出版社が「こぶし書房」から「現代思潮新社」に変更になっているが、調べてみたところ両者は同じ住所の(実質的に同じ)会社であった。 加藤尚武「科学と哲学の断絶」 まず加藤尚武「科学と哲学の断絶」が異色である。…
朴修範は、カントの『純粋理性批判』における「触発」について書いている。 《.......現象が仮象ではなく現実的に与えられたものと見なされるためには対象によって主観が触発されるという事態が必要である。しかしながらそうだとすれば当然ながら主観を触発する対象が存在しなければならないことになろう。対象から触発されることによって初めて現象が与えられるゆえ、主観を触発する対象は主観と切り離された物自体でなければならないであろう。 しかしながら、私たちの受容性を物語っている「触発」という概念に関して、触発する対象を物自体と見なすことはできない。というのも既に確認されたように、物自体は論理的可能性としての消…