宮澤賢治作の童話。成立年ははっきりしないがおそらく初期作品。「グスコーブドリの伝記」の最初期形、先駆形である。
後に一部草稿に手入れ、または裏面転用の上、同じく「グスコーブドリの伝記」の先駆作品である「グスコンブドリの伝記」に改作される。
最初に発表されたのは1940年の十字屋版全集だが、この時は草稿が現在よりも部分的にしか発見されていなかった。その後新たに見つかった草稿が1944年に発表されたものの、1945年に宮澤家が空襲被害に遭った際に焼失した。戦後になって「グスコンブドリの伝記」に転用されていた草稿が発見されたが、戦災により焼け焦げており、特に第1葉(=「グスコンブドリの伝記」第31葉)は焼損が著しく、不明箇所が多い。これ以外の草稿も戦災で焼失したとみられ、冒頭・中間・末尾が欠けた状態となっている。
「〔ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記〕」は十字屋版全集以来の慣用仮題である。