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ベロキラプトル

(動植物)
べろきらぷとる

1999年に中国で化石が発見された、小型の肉食恐竜です。
この恐竜は、角竜類のプロトケラトプスと一緒に発見され、「格闘恐竜化石」としても知られている。長さ4cmほどの原始的な羽毛構造があり、「恐竜はトカゲに似ている」という認識をくつがえしたことで知られる。
約8,300万- 約7,000万年前(中生代白亜紀晩期)の東アジアにあった大陸に生息していた。ヴェロキラプトルとは「すばしこい泥棒」と意味する。

特徴

全長1.5m、体重30kg。足の第2趾には大きくて鎌の形をした鉤爪がついており、顎には肉を切り裂くためのギザギザのある歯が並んでいた。大抵の獣脚類と同様に、餌を口の中で咀嚼するよりも、丸飲みする性質があった。ヴェロキラプトルの骨盤は始祖鳥と類似する部分があり、2007年に発見された化石の腕の骨から、前肢に翼があったことが明らかになっている。しかし、空を飛ぶことはできなかったようである。このことから、羽毛恐竜であったと考えられる。

高い知能を持つという説

全体重に比べて脳の重量比が高く、高い知能を具えていたと考える人もいる。一方で、脳の絶対量が大きいわけではないため、他の恐竜と同程度だと考える人もいる。ある程度の社会性を持ち、集団で狩りをしたと考える人もいるが、集団化石が発見されたことは今のところ無い。高い知能は想像されるが、哺乳類のように顔面の筋肉によって表情を相手に伝えることは構造上不可能で、コミュニケーション能力に限界があり、高度の社会性については疑問視されている。

発見の経緯

本種は、1923年アメリカ自然史博物館のヘンリー・F・オズボーンにり、モンゴルのゴビ砂漠で初めて発見された。1971年にモンゴルのゴビ砂漠で全身骨格が発見されたときでは、手足の爪をプロトケラトプスの体に食い込ませた状態になっていた。それは2頭の恐竜が互いに争った様子が伺える化石であった。さらに2007年モンゴルにて、古生物学者アラン・ターナー等が、羽毛がついていた証拠と言える等間隔に並ぶ突起(quill knobs)を有する前肢の化石を発見し、2008年には新種が発見され、V. osmolskae と命名された。現在のところ、化石はモンゴル、中国内モンゴル自治区、および、ロシアから発見されており、白亜紀後期の東アジアにあった大陸でのみ生息が確認されている。

映画「ジュラシック・パーク」での誤解

アメリカ映画『ジュラシック・パーク』で一般にも広く知られるようになった。しかし、原作の小説で知恵の利く厄介な生き物として描かれている小型恐竜「ラプトル」のモデルが記述内容から判断してヴェロキラプトルであるのに対し、映画でモデルとされたのはデイノニクスであった。
これはヴェロキラプトルとデイノニクスを同一種と見なす当時の説に準じてのものであるらしいが、大きさ、頭蓋骨の形状の違い、生息した時代のずれ等から、今日この説は否定されている。また、映画製作当時はまだヴェロキラプトルが羽毛恐竜であったとの説はそれほど注目されるものではなく、その描写は旧説に基づく再現となっている。
しかしながら、当時の一般的認識では恐竜に羽毛が生えているなどおよそイメージされない異質な描写であり、学術的にどうであろうとも興行的判断から羽毛恐竜ラプトルの登場は困難だったといえる。

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