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ブリュレ

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ぶりゅれ

→クレームブリュレ

ブリュレ

(映画)
ぶりゅれ

・映画『ブリュレ』は青森から広島まで本島を縦断して撮影されたインディーズ作品です。

・美しくも陰のある双子姉妹が織り成すロードムービー。

《キャスト》
・鹿島水那子――中村梨香
・奥田日名子――中村美香
・山本大地―――平林鯛一
・池澤充彦―――瀬戸口剛
・奥田昌平―――小田豊


・脚本・監督    林田賢太

・2008年10月25日(土)から渋谷のユーロスペースにてレイトショー公開が決定!

■かけがえのない大切な人がいる、すべての人に贈る、

リリカルで美しい映画が誕生しました。

十数年ぶりに再会した、一卵性双生児の姉妹。放火を繰り返す日名子と、

ある秘密を抱える水那子。

“ずっと一緒にいたい”という思いは、宿命に逆らってー加速してゆく。

会いたくて、会えなくて…火をつけた。

■INTRODUCTION

ブリュレは“焦がす”のフランス語。映画「ブリュレ」は、一卵性双生児の姉妹が繰り広げる、

哀しく美しい近親愛の物語です。

東北の海沿いの町で放火を繰り返している17歳の少女・日名子と、九州から祖母の遺骨を抱えてやってきた17歳の少女・水那子は、一卵性双生児の姉と妹。離ればなれに暮らしていたふたりの13年ぶりの再会。洋菓子店を営むおじさんの家で、ふたり一緒に楽しく暮らしていくはずだったが――。

 この映画は自主映画として作られています。監督・脚本は、本作が劇場デビューとなる林田賢太、32才。美しい映像は、「リアル鬼ごっこ」の撮影・早坂伸、静謐なスコアは水野敏宏。水那子と日名子を演じたのは、オーディションで選ばれた中村梨香と美香のほんものの一卵性双生児の姉妹、撮影当時17才。日名子の放火をやめさせたいと思っている高校の同級生・山元を平林鯛一、姉妹を車に同乗させる骨折したキックボクサー・池澤を瀬戸口剛、姉妹の叔父役を早稲田小劇場出身の舞台俳優・小田豊が演じる。彼女たちの実際の成長も映画に映し出したいと、夏と冬の季節を撮り分け、長期にわたる撮影を行いました。

■STORY

 東北の海沿いの町で、放火を繰り返している日名子のもとに、九州から、祖母の遺骨を抱えて妹の水那子がやってきた。ふたりが4歳の時の”事故”で離ればなれに暮らしてきた一卵性双生児の姉妹の13年ぶりの再会―洋菓子店を営む叔父の家で、ふたりは一緒に暮らしはじめる。

 しかし、水那子は嘘をついていた。祖母は死んでいなかった。悪性の脳腫瘍と診断された水那子は、どうしても死ぬ前に日名子に会っておきたかったのだ。なぜ嘘をつくのか分からない日名子。ほんとうの事を打ち明けることができない水那子は、家を飛び出す。電車を待つ水那子を強い予感が包み込む。予感通り、日名子の家は炎上していた。

 「水那子がいないと火をつけちゃうよ」―日名子の手をとり、水那子は逃げる。行き先は、ふたりが一緒だった頃の南の海。「あの海に行けば、もう一度ひとつになれる」――。

■DIRECTOR'S STATEMENT

□痛々しいほどに純真な、繋がりあう情意――。

 僕は長い間、一卵性双生児という不思議な存在に惹かれていました。いつか、一卵性双生児の映画を撮りたいと思っていました。映画のなかで、火を放つ日名子と、放火の新聞記事を探す水那子は、往復書簡のようなやりとりをします。世界には二人だけしか存在しない。視界には互いしか映らず、物語が進行するにつれて、その度合いは増してくる。それは痛々しいほどに純真で、時に滑稽にすら映ります。

 彼女たちの強い結びつきを、現代へのアンチテーゼとして映しだしたつもりです。今、繋がりを持てている人がどれだけいるだろうか? 感じている人がどれだけいるだろうか? 残虐な事件があたりまえになっている危険な現代は、親が子を殺し、子が親を殺す。けれども人は望まれずには産まれて来ないはずなのです。少し視野と想像力を広げてみればわかること。人は誰かに必要とされることで生きていけるのです。自分が誰かの中にいることを信じるだけで、生きていけるのです。そんな誰かが、あなたにもいること……。彼女たちの繋がりあう情意を、僕の希望としてラストシーンに込めました。

□“心ののろし”と“叫び”を作品に刻みこむ旅路――。

 スタッフもキャストも機材も美術も、数台の車を連ねて一緒に旅をしました。そしてその旅は、主人公たちが辿ったルートでもありました。

 秋田県の豪雪のすさまじさや、舞鶴の海のしとやかさ、そして瀬戸内海の夕日の美しさと共に、彼女たちの火を放つような“心ののろし”と“叫び”を作品に刻みこむ旅だったと思います。また実際の彼女たちの成長も映画に出したいと、夏と冬の季節を撮り分け、長期にわたる撮影を行いました。

 映画製作って、いつもハンドメイドだと思います。必要なものは作る。足を使って探す。頭を下げる。そうしているうちにこの作品でもたくさんの方々からの思いをいただきました。そんな思いが詰まった作品をこれから大勢の方々に見ていただき、願うならば見ていただいた方々の記憶に残るものでありたいと思っています。

■しほの涼(タレント)

 私は高校2年生ですが、

この時期は「友達」「学校」「家族」といった

人生の中で一番大事なものを養っていく時だと思います。

二人の間の13年という溝を二人で考え、二人で距離を縮めていく。

何が正しいのか……

やみくもにも自分たちを信じて歩いている姿に心打たれました。

この作品は、実際の双子、実際の地名、実際の季節といった

“視覚のリアル”が二人の心境をもっともっとリアルに表しています。

思春期の“言い表せない感情”“伝えきれない想い”

そのリアルな部分を斬新に描いてあり、

最後の10分間、涙があふれました。

ヒューマン映画とまとめていいのか分かりませんが、

心の奥を口に出さずに語ってくれる映画です。

バスの中から始まるこの物語を――

ひとりでも多くの方に観ていただきたいです。



■新海誠(アニメーション監督)

 「双子のパラドックス」という思考実験がある。双子の片方がロケットに乗ってずっと遠くまで行って、再び地球に戻ってくる。すると相対性理論により地球

に残った片方のほうがずっと歳をとっていて云々、というやつである。僕がこの

美しい映画を観て思い出したのは、この言葉だった。

 地上に生きるしかない僕たちの時間も、ある意味では人によって流れ方が違

う。僕たちは愛する人とずっと同じ時間を生きたいと願うが、それを叶えること

は実はとてもとても難しい。だから誰しもそれぞれの生き方を学ばなければなら

ない。双子の旅はそういう焦燥に貫かれていて、だからその姿は、とても深刻に

僕たちの胸をうつ。

 そしてその若い焦燥を、おそらくは主演の中村姉妹を含めた制作者たちも共有

していたのではないか。世界の何処に立つべきかをまだ迷っているかのような双

子の姿を見ながら、僕はそう想像する。きっとその時期、その人たちにしか撮り

得なかった一篇なのだ。奇跡のようなフィルムだ、と言うほかない。



■秦建日子(作家・演出家)

雪が、火が、大地が、海が、そして、人が美しい。静かな気持ちになれる作品です。



 2008年/日本/カラー/ステレオ/DV撮影・HDCAMマスター/16:9ワイド(1:1.78)/ 71分/©2008CINEVITAL

製作・配給 シネバイタル 配給協力 ゼアリズエンタープライズ 

『ブリュレ』公式HP⇒http://www.brulee-movie.com/
   

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