参考:ロイス・マクマスター・ビジョルド
L.M.ビジョルド五神教シリーズの新作ペンリック物の続編。 前作「魔術師ペンリック」最終話から数年後、主人公ペンリックは30歳になってアドリア大神官の魔術師になっています。 前作の舞台ウィールドがドイツにあたるとすると、アドリアはイタリアらしい。 でも本作の舞台はアドリアではなくセドニア。 こちらはギリシャにあたるようです。 それじゃ他にも出てくるオルバスとかルシリはどこにあたるの?という事で、出だしからいろいろ戸惑います。 もういちいち現実世界と照合しないで異世界ファンタジーと割り切ってしまえばいいのかも知れません。 アドリアの魔術師ペンリックがセドニアに渡ったのは、大神官の兄にあたるアドリ…
L.M.ビジョルド五神教シリーズの新作。 実は本作を一番最初に読みました。 舞台は3作目「影の王国」と同じウィールドだけど、時代はだいぶ後のようです。 そして主人公ペンリック・キン・ジュラルドはウィールド人ではなく隣接する連州出身。連州は「影の王国」でも名前は出ていましたが、小貴族領地の集合体で現実のスイスをイメージしているらしい。 そんな貧乏貴族の末子ペンリックが、旅の神殿魔術師である老女ルチア学師の臨終に行き合わせてしまったことから、彼女に憑いていた魔に飛び移られてしまう。 この世界の魔術師は魔を身に憑け、その力を操って魔術を行うものです。 馬を乗りこなすように魔を乗りこなす、魔の「乗り手…
L.M.ビジョルド五神教シリーズの3作目。 場所も年代も前2作とは全く異なる森の国ウィールド。 400年前、五神教国ダルサカのアウダル大王に征服され、その150年後に復活した、13人の選帝侯に選ばれた聖王が統治する国です。 古代ウィル-ドでは氏族を表す獣を生贄にし、その霊を憑依させて力を取り込んだ精霊戦士が活躍していた。 その森の魔法は邪法としてアウダルに殲滅され、新生ウィールドには引き継がれていない。 だが、全く消滅したわけでなく秘かに伝わっているらしい。 主人公イングレイ・キン・ウルフクリフも父によって狼の精霊をつけられた異端の貴族。 同時に術を試みた父は死に、イングレイは何とか神殿に赦免…
L・M・ビジョルドの五神教シリーズ2作目。 前作の3年後、イセーレ国姫の母イスタ国太后が本作の主人公です。 前作で影の呪詛により弟と異母兄である国主が命を落とし、イセーレが国主に、カザリルは宰相になっています。 母である藩太后も亡くなって実家の城で一人になったイスタは、呪詛が祓われ元気になってきたものの、相変らずの干渉や規制に倦み疲れています。 思い立って巡礼の旅に出るイスタ。 お供はカザリルがつけてくれたフェルダとフォイのグラール兄弟率いる姫神の騎士十数騎の他は、急遽侍女にスカウトした宰相府の急使リス(アナリス)と庶子神の神官カボン学師の少人数。 郷司夫人に身をやつし、のんびり気ままな旅のは…
作者ロイス・マクマスター・ビジョルドのことは全く知りませんでしたが、1980年代にSFでデビューし、2000年代からはファンタジーも書き始めたようです。 その五神教シリーズの比較的新しいものを読んで興味を持ったので、第1作から読み直してみました。 舞台はイベリア半島をモデルにした、異世界のイブラ半島。 五神教国のチャリオン、イブラなどと、北の群島から進出してきたロクナル人の四神教国群が争う世界。 つまりイベリア半島におけるレコンキスタの歴史を背景にしています。 方位は東西南北が逆になっているようです。 主人公カザリルはチャリオンの軍人だったが裏切りにあってロクナルの奴隷にされ、ガレー船の重労働…
nautil.usこれは面白いインタビュー記事だ!冒頭で、今どきのテック大富豪はたいていティーンエージャーの頃に SF を読んで影響を受けているとして、ビル・ゲイツ、セルゲイ・ブリン、ジェフ・ベゾス、そしてイーロン・マスクの名前を挙げているのだが、このあたりについては『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』(asin:429610957X)などを読んでも分かりますね。そして、けどあいつら本当に SF 読めてるのかね、とイーロン・マスクの投稿をちょっと皮肉っているのだが、この記事では以下の6人の人気 SF 作家にズバリ「SFが未来を方向づけるのか?」という疑問をぶつけ…
ロシア語の"мечта"(起きている時に見る夢)には、複数生格が存在しないので、「たくさんの夢」は"мечтание"(夢を見ること)の複数生格で代用して"много мечтаний"となるらしい。"человек/люди"(人)や"ребёнок/дети"(子供)のように、複数になると違う語を充てる場合があることは知っていたけど、特定の格だけが欠落している語があるとは驚きである。もし"мечта"を規則的に変化させたなら複数生格は"*мечт"になるはずだけど、ネイティブにとっては不自然になるのだろうか。例えば日本語の形容動詞「同じだ」の連体形を用いて「同じな人」というと不自然に聞こえ…
「ペン&デス」コンビの3冊目を読了。 魔術師ペンリックの仮面祭 (創元推理文庫) 作者:ロイス・マクマスター・ビジョルド 東京創元社 Amazon
愛のメモリー < 制作40周年記念コレクターズ・エディション > [Blu-ray]クリフ・ロバートソンAmazon 原題は「Obsession」。デ・パルマ監督が『キャリー』の前に撮った作品で、脚本はこの年『タクシードライバー』の脚本も手がけていたポール・シュレイダーだが、彼の脚本は「過去・現在・未来」の3部構成だったが、あまりに長くなるのでデ・パルマ監督は「未来」の部分を切り捨ててしまい、シュレイダーはその件でたいそうご立腹だったらしい。 ヒッチコック(とりわけ『めまい』)の強い影響下につくられた作品で、音楽もヒッチコック映画の常連だったバーナード・ハーマンが担当(彼はこのあとの『タクシー…
★★☆☆☆ あらすじ 妻と娘を誘拐され、警察の指示に従うも二人を死なせてしまった事業家の男は、その16年後、訪れたイタリアで妻そっくりの女性と出会う。 www.youtube.com 原題は「Obsession」。 感想 序盤で主人公の妻と娘が誘拐されてしまうので、この事件の解決を描くサスペンスなのかと思ったのだが、悲しい結末であっさりと終焉を迎えてしまう。これ自体は意外性があって、この後に16年後に飛ぶのもダイナミックで良かったのだが、その後は物語がどこに向かうのか、その方向性が見えなくなってしまった。 事件の16年後、商談でイタリアに出掛けた主人公は、妻との思い出の地で妻そっくりの女性と出…
240216 生で観る初めてのオペラです。ヘンリー8世の2番目の妻、アン・ブーリンの話をガエターノ・ドニゼッティがオペラ化した作品です。英国史上、よく知られた血塗られた1ページで、戯曲や映画化もされています。 私が見たのは1969年のお「1000日のアン」(リチャー・バートン、ジュヌヴィエーブ・ビジョルド)と2008年の「ブーリン家の姉妹」(ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソン)です。 オペラとしては、2011年にMETライブビューイングで見ました(アンナ役はアンナ・ネトレプコ)し、アリアだけなら、なんどか聴いたことがあります。それが今回図らずも小ぶりな劇場でハイライト版とは言え、ほ…
原題の「Tightrope」とは綱渡りに使う張り綱のことで 危険を冒したり、危ない橋を渡ることのたとえ 「ダーティハリー4」の翌年に公開された刑事ものですが こちらは離婚しふたりの娘を育てるシングルファーザー 子煩悩で娘たちからも懐かれていますが 別れた妻には未練タラタラ 実際にもイーストウッドはこの年 30年連れ添った最初の妻マギーさんと離婚 捜査のため聞き取りに行った女性たちとはすぐヤッちゃうし サディスティックな性癖がある(笑) 本当にイーストウッドをモデルにして映画を作ったんじゃないか っていうくらい、女好きでしょうもない男 最後には娘(演じていたのも当時14歳だった実娘アリソン)まで…
はい。 2023年は仕事でもプレイベートでもイベントが相次ぎ個人的には激動の年だった。 逃避のために大量のものを買ったので記録を残していく。 買ってやったゲーム 1.The Binding of Isaac: Repentance 今年一番の個人的ヒット作。500時間以上プレイした。あまりにハマり過ぎで高難易度キャラであるロストの実績をフルマークするまでやり込んだのは個人的にはかなり珍しい経験だった。レリック次第でどんなボスでもゴリ押しできるカジュアル感が好きだ。来年もやります。 2. タクティクスオウガ リボーン TオウガPSP版のリメイク。世間的には妙に戦かれているが個人的にはかなりよく出…
読書イベント お遊びのようなものですが、 読書をしていて気分がだれる日のために、 小さな目標をこっそりと作ってみました。 死ぬまでに読めるといいなぁ・・・。 アメリカの老舗月刊セミプロSF情報誌『ローカス』(Locus) が主催する賞前暦年に出版された作品を対象として『ローカス』誌が作成したリコメンドリストを参考に、一般投票により各部門の受賞作を読もう 【ローカス賞 ファンタジイ長編部門(Locus Award for Best Fantasy Novel) 】 受賞作一覧 1978『シルマリルの物語』The SilmarillionJ・R・R・トールキン 1980『風の竪琴弾き』Harpis…
全巻読み通すのに、7月下旬から9月上旬にかけて およそ1カ月半もかかってしまった。 並行してSFアンソロジー(折りたたみ北京)とか エッセイ、ルポ、コミックなどをサンドイッチのように挟みながらだったが ここまで特定の作品(シリーズ)に集中したのは、10年以上なかった気がする。 こんなにも時間がかかった最大の理由は なんといっても、一冊あたりの"分厚さ"に起因する。 知る人ぞ知る上下二段組の新書サイズで、一巻あたり約500ページ。 そんな"辞書レベル"の鈍器じみた本が、合わせて10巻。 つい"ロング・アンド・ワインディング・ロード♪"などと口ずさみたくなるほど ひたすら長く曲がりくねった物語なの…
8月の読書メーター読んだ本の数:8読んだページ数:2523ナイス数:22火星無期懲役 (ハヤカワ文庫SF)の感想終身刑の受刑者を火星に送り込んで基地建設させるってところでやばさがぷんぷんしてるんだけど、読み進めると請負企業のやばさがどんどん出てくる。 全体としては面白くて楽しめたけど、読後疑問が。 で、最初の二人が死んだ時点ではまだ事故とか自殺って感じだったけど、ゼウスが殺された段階でなんでブラックを疑わなかったんだろう? あと、最後に会社を脅すけど、それって会社経由じゃなくてもネタをばらす手段がないと有効性が低いんじゃないだろうか。読了日:08月03日 著者:SJ モーデン違国日記 11 (…
エル・チョクロ(El Choclo) 作曲:アンヘル・ビジョルド youtu.be タンゴの創始者の一人とされている、アルゼンチンの作曲家でギタリストでもあったアンヘル・ビジョルド(Ángel Villoldo)が1903年に作曲したものです。タンゴの中でもこの曲は特によく知られており、世界中の楽団で演奏されています。 「エル・チョクロ」とはスペイン語で「とうもろこし」という意味で、曲名の由来には諸説あるということです。 ベスト・オブ・タンゴ・アルゼンチーノ (Best of Tango Argentino - Piazzolla / Troilo / Cobian / Villoldo ..…
6月27日(火)、東京都港区にある「サントリーホールブルーローズ(小ホール)」において、MUTIA新メンバーデビューコンサート produced by 武村八重子 が開催されます。 日時:6月27日(金)19:00開演(18:30開場) 会場:サントリーホールブルーローズ(小ホール)・東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 3番出口 徒歩5分・東京メトロ銀座線 溜池山王駅 13番出口 徒歩約7分・東京メトロ南北線 溜池山王駅 13番出口 徒歩約10分 www.suntory.co.jp 演目:バーンスタイン/ 「ウエストサイドストーリー」パガニーニ/ カプリース第24番アンヘル・ビジョルド/ エル・…
■眼医者に行く ■アスパラガス ■プロセカ ■購入本 ■リンク ●―― 曇りのち晴れ 最高25℃ 最低18℃ ■眼医者に行く 左目の前の粉が飛んでる感じ(飛蚊症)が、いつもよりくっきりしてる気がしたので、念のために眼科に行ってきました。(強度近視なので気をつけないといけない) 結果、問題なし。というか老化現象だそうです……。 定期的に視野検査すべしとのことなので、10月の予約を入れてきました。 ■アスパラガス 今日の夕飯は、アスパラガスの油コーティング焼きにシャウベーコンその他とアスパラごはん。 アスパラごはんは多めに作って、残りに塩こんぶのせておにぎりにしておく。明日食べるか冷凍するか。「ア…
日記 朝ラジオが始まってすぐの空襲警報。やれやれ! 審査会に出払っているのでソロ活動。結果は悪くない模様(悪かったら審査自体しない)。 会社での歯磨きに使っている折畳式シリコンカップが切れている。どうりで水溜まりができているわけだ。エンショップでも覗いてみるか。 iOS16.5 & iPadOS16.5アップデート。 購入 『魔術師ペンリックの仮面祭』(ロイス・マクマスター・ビジョルド、創元推理文庫\1,600E)五神教シリーズ・魔術師ペンリック三冊目。