フランス語。 ある作家や作品の文体を模倣し、作品を作ること。 パロディと似ているけれど、パロディというのは「笑い」を期待している感触がある。ちゃんとした違いは分かってないけど、なんとなく使い分けている感じ。 パスティシュとも。
よく使われる用法として、「シャーロック・ホームズ」に関する物語のうち作者が「コナン・ドイル」ではないものを指す場合に使われることがある。(ただし、かならずしも「シャーロック・ホームズ」に関する物語だけを言うわけではない。)
ここのところシャーロック・ホームズのパスティーシュ本に結構ハマっています。 皆さん、もちろんシャーロック・ホームズはご存知ですよね。言うまでもなくコナン・ドイルが生み出した名探偵ですが、パスティーシュ本というのは、ホームズを主人公として、あるいはホームズの登場する推理小説をもとにして、ドイル以外の作者が書いた作品群のことを指します。調べて見ると現在日本で発行されているもの、発行されていないものを含めて結構な数がありますね、、、。 実は私、コナン・ドイルのホームズシリーズ、所謂「正典」を全部読破した訳ではありません、、、('◇')ゞ ですので、シャーロキアンを名乗る事が出来るような身ではないので…
オマージュとか、パスティーシュとかそういうものに込められる思いはなんだろうか。 自分はR&Bの畑で育ってきたから、すぐに湧き出る答えがある。リスペクトだ。 模倣というのは最大の尊敬の表現なのかもしれない。そして本当は自分のものではなく、誰かに習ったり、インスピレーションをもらったりしたものなのだという痕跡を残すべきものである。音楽にしても文章にしても、盗んだものだなとわかってしまうから。リスペクトが示せれば、むしろ愛されたりするものだ。 最近の自分の気になるパスティーシュは、カズオ・イシグロだ。 カズオ・イシグロは、アガサ・クリスティを深く尊敬していたらしい。 こんな記事を読んだ。 book.…
日本の推理小説家、島田荘司によるシャーロック・ホームズのパスティーシュ本です。副題は「ジョン・H・ワトソンの冒険」となっており、その副題の通り、ワトソン博士が主人公で大活躍します。私は特段ワトソニアンという訳ではないですが、ワトソニアンの人であれば、この本を読んで狂気乱舞するでしょうね。シャーロキアンにとってはどうか、、、。思わず唸ってしまう事は間違いないですね。 ホームズの物語の中でも比較的有名な「赤毛組合」の真相に先ず驚き、そして「まだらの紐」「這う男」が書かれた経緯など、え、そうなん? え、え、えぇー!と言う「謎解き」があります。この他にも「ライエンバッハの滝」が出て来たり、全般通じてホ…
・乱歩殺人事件ー「悪霊」ふたたび著者:芦辺拓 江戸川乱歩出版:KADOKAWA(Kindle版) 江戸川乱歩の未完の長編「悪霊」を、パスティーシュものの名手・芦辺拓が完成させた作品。「未完の小説」というと、作者が死去して…みたいなケースが多いんでしょうが、「悪霊」は1933年(昭和8年)、乱歩が40歳くらいの時に発表され、中断されたままになった作品です。明智小五郎ものでは人気絶頂…だけど、本格推理小説作家としては壁にぶち当たっていたと言う時期なんでしょうかね。多分、「本格推理」好きの人には「悪霊」も名高い作品なんでしょうけど、僕は全然知りませんでした。 美しい未亡人が密室状態の蔵の中で全裸で刺…
オペラ『めぐりあう時間たち』がWOWOWで4月13日に初放送(+オンデマンド配信)になります。これもシェイクスピアではないのですが、素晴らしい作品だったので紹介・感想を書いています。(でもウルフの『ダロウェイ夫人』などには、シェイクスピアの『アントニーとクレオパトラ』が言及されてます。←無理矢理) オペラ『めぐりあう時間たち』 www.wowow.co.jp 放送がわかった3月下旬あたりに記事にしようかと思いつつ、本当に素敵な作品なのに大したことを書けそうになくて逡巡して遅くなってしまいました。でもいいや、ともかくよかったとだけでも言っておくと、どなたかに引っかかるかもしれないしという気持ちに…
エラリー・クイーンによるホームズ・パスティーシュです(^▽^)/ 扱っているのはズバリ、「切り裂きジャック事件」。 切り裂きジャック事件は、1888年~1891年にかけてロンドンのホワイトチャペル地区で発生しており、これはホームズが探偵として活動していた時期と重なります。にも拘わらず正典ではこの切り裂きジャック事件が扱われることは無く、従ってシャーロキアンの間でもホームズが切り裂きジャック事件に関与したのかと言う事が関心の的となり、複数のホームズ・パスティーシュで切り裂きジャック事件が扱われているようです。 写真でも分かる通り古本です。本屋では見つからないのでアマゾンで買いました。 エラリー・…
前提 CBC終わるまではCBC周回しました (パブコメとかグラブルとかあつ森とか二次創作とかやってて運動不足つらいですが) CBCの交換素材を全部終わってから読み進めてます
「みんなで早押しクイズ」フリーマッチで作問したクイズの記録です。2024年3月24日夜22時に「ノンジャンル[半分難問]002」として出題した全20問です。 スポンサードリンク // 注1:問題・解答・解説は、追記など無い場合、基本的に2024年3月24日夜22時時点のものです。 注2:正解者数は、再放送を含めてフリーマッチを計3回行った際の合計人数です。また、解答権は参加者の100%としています。 問01. ワモン、ヤマト、クロ、チャバネといえば、どんな昆虫の種類でしょう? 正解者数:65名(77名中) 解答を表示する 答01. ゴキブリ -------------------- 問02. …
2月はどこにも出掛けず、イベントのReviewも各期を失っていた。改めて1月の感想を。3月(中旬を過ぎてから)に 名称:江口寿史展ノット・コンプリーテッド場所:世田谷文学館入場料:¥1000期間:2023/09/30〜2024/02/04見学日:2024/01/14図録:なし いろいろなミュージアムやギャラリーで開かれていた江口寿史さんの展示をようやく行くことができた。それだけでも自分としてはうれしい。 とにかく原画だらけ。眼福。古い人間なので、ストップ!ひばり君とすすめ!!パイレーツの原画にアレコレと感慨深いものを。あのサイズだからこそ、いいのだなと。スマホでKindleではわからないものな…
【月曜は鷲をめぐる30曲】12・Peaceful Easy Feeling / Jack Tempchin('76) イーグルスのファーストに入った”Peaceful Easy Feeling”の作者としてジャック・テンプチンの名前はファンには知られていましたが、76年にファンキー・キングスの一員として歌声を聞かせてくれた後、ソロになってAristaから「Jack Tempchin」をリリース。当時日本盤は出なかったんですが、FMの「軽音楽をあなたへ」のチャッピーさんの<日本盤が出てない曲特集>でOAされたこと覚えてます。ジェニファー・ウォーンズがウォーレンの名前でハーモニーを付けたアコーステ…
なんとも辛気臭い話がだらだらと続くなあと読んでいたが、下巻に入って疑問氷解。これはドストエフスキーの「罪と罰」を日本で再演しようとした小説なのだ。松本健一「ドストエフスキーと日本人」に高橋和巳の名がなかったので、注意していなかった。松本の本は戦後文学と三島由紀夫までなので、大江健三郎と高橋和巳は取り上げられていない。また新潮文庫の解説でも指摘はなかった(柴田翔)ので、半世紀近く思いつかなかった。 多くの人が「罪と罰」との類似に気づかなかったのかというと、主人公の西村がラスコーリニコフとは全く異なっていて、超人思想や社会変革の意思を持っていないからだ。外見や言動からするとこの鈍重で真摯であるだけ…
狄仁杰ものってこんな感じだったっけ?という疑問は砂漠の街に舞台が移ってから更に大きくなることに。…最後まで観るには観たんだけど。 今回は辛口でだいぶネタバレしています。ご注意ください。 ---------------------------------------- 「大唐狄公案」微博より 曹娘子が狄公より大きい(笑) ■「黒焔」とは何だったのか… 狄仁杰(周一围 飾)は辺境の砂漠の街・蘭坊に県令として赴任。村を襲う匪賊とか、街で幅を利かせるやくざ者とかが沢山いる処で起こる事件を解決しながら、律令を守らせ秩序を打ち立てようとする。 蘭坊の街の影の支配者が「黄金案」(黄金を載せた船の事件)で登場…
この「ホームズ・パスティーシュ」シリーズは、あまり深く考えずに書き始めたのですが、当初想像していたよりもずっと奥が深い('◇')ゞ、、、 ココ掘れワンワン('◇')ゞ、、掘れば掘る程、ザックザックと次から次へと出て来ます('◇')ゞ('◇')ゞ('◇')ゞ 、、、出来れば良質なものだけを掘り当てたいのですが、、。 で、今回のはこの関係で初めてネット購入した古本ですが、当たりでした。 ニコラス・メイヤーという作家のホームズ・パスティーシュ2作目で、この小説の前に「シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険」と言うのが第1作としてあるようです。ですが、残念ながらこちらはネット上でも本屋でも見つけることが…
本記事は各収録作品に関するネタバレ(?)を含む「零合 百合総合文芸誌 第2号」の感想記事です。 未読の方は気を付けてください。 前置き 序文『百合、並びに物語に対する切実な試論』 佐藤友哉『大火』 青島もうじき『標のない』 片山恭一『死が消える場所』(コメント) 綾加奈『腐り落ちてなお』 伊藤なむあひ『Axe to Fall』≪前≫ 燈河佑『この曲は現在ご利用になれません』(漫画) 伊島系雨『霧曵く繭のパスティーシュ』 波木銅『国境沿いのピンボール・リザード』 前仲パ須田『トレイル・トゥ・スターライト』≪前≫ 汐都れむ『グッバイスタンダー』≪長篇一挙掲載≫ 総括 前置き 本作が「ゼロ年代」をサ…
2月の読書メーター読んだ本の数:68読んだページ数:23462ナイス数:283地雷グリコの感想読み手の裏をかくところが上手い読了日:02月28日 著者:青崎 有吾弁護側の証人 (集英社文庫)読了日:02月27日 著者:小泉 喜美子テスカトリポカ読了日:02月26日 著者:佐藤 究名探偵は嘘をつかない (光文社文庫)の感想デビュー作だからか色々詰め込まれてる。あとがきによると応募作を改稿したものらしい。読了日:02月25日 著者:阿津川 辰海共犯マジックの感想昭和の未解決事件の裏には不幸を予言するフォーチュンブックの存在があったという連作短編集。読了日:02月25日 著者:北森 鴻エステルハージ…
気づけばもう2月。今月はモーレツに忙しくて熱出したり、眼精疲労になったり、エナドリを決めたりしてなかなかしんどかった。というか現在進行形で忙しい。映画も一本も見れなかった。そんな中でもホームズパスティーシュ、パロディを読んでいたのでそれを晒していく。 ゴーストタウン 冥界のホームズ 骸骨のホームズと犬のワトソンが冥界で事件を追うという、ホームズパスティーシュなんでもあり系。もともとアニメ映画として公開する予定だった脚本なので映像の方が映えそうなシーンが多かったのが残念。 緋弾のアリア シャーロック・ホームズの子孫がメインヒロイン。 話が映画の007のノリに似ていて1つの編を読み終わるたび映画一…
ミシェル・バークビィという作家の長編デビュー作です。この作家さんの情報はあまりネット状にも見当たりませんが、長編デビュー作ながらコナン・ドイル財団公認のホームズ・パスティーシュと言う事なので、それなりに作家としてのキャリアはお持ちなのでないかとは思います。 1.時期 1889年4月。ワトソンがメアリーと結婚したのは、解釈によってやや前後がありますが、この1987年冬から1989年の春にかけての間とされています。ですので、この小説でもワトソンはベイカー街には住んでおらず、メアリーとパディントンに新居を構えている事になっています。 2.登場人物 ・ジョン・H・ワトソン:登場。但し、この小説の語り部…
いつもと趣向を変えて。 先日読み終わった小説『屍者の帝国』。手帳に簡単な感想メモを書いていたところ、気づいたら派生した連想も含めてそれなりの分量になっていました。せっかくなので【ファーストインプレッション】として記事に残しておきます。 ※全面的にネタバレしているので未読の方はご注意ください。 基本情報 あらすじ 読んだきっかけ 雑観メモ テーマについて 余談 執筆形態について 余談 引用/パスティーシュが生み出す効果 余談 バーナビー大尉のダイナミズム 「非言語の言語」としての音楽 さいごに 屍者の帝国 (河出文庫) 作者:伊藤計劃,円城塔 河出書房新社 Amazon