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バランス・オブ・パワー

(一般)
ばらんすおぶぱわー

balance of power (英)

直訳すれば「力の均衡」。
この場合の力とは国家の持つ力であり、通常は「勢力均衡」と訳される。
簡単に言えば、国家間の椅子取りゲームで、みんな「自分の席は守れるが他人の席は奪い取れない」ようになっていること。

対立する諸国が同じぐらいの力を持ち、そのため戦争に訴えることが上策ではない時に、結果として起きる平和な状態。

http://dictionary.reference.com/browse/balance%20of%20power

パワーポリティクスの観点からは、国家とは勢力の拡大を希求するものであり、その勢力の均衡が崩れたときに戦争が起きるとする。戦争が起こって喜ぶのは一部の冒険主義者のみと相場は決まっているので、リアリスト的観点からすれば力の均衡を達成し、それを維持することが平和への最大の貢献だということになる。
故にウィーン会議にイギリス代表カースルレイ子爵は驚くほどの公平無私な態度で臨んだのだし、ビスマルクは誠実な仲買人としてベルリン会議を主催したということになる。


ところで、圧倒的な力を持つ国家が出現すれば均衡は崩壊し、国際秩序の再編は不可避となる。また、過度に冒険主義的な国が出現した場合や、ある国の力が極端に低下した場合も、均衡は崩れることになる*1
これを回避するためにはみんなが勢力拡大を抑制するか、あるいは均衡を崩す動きを阻止するメカニズムが必要になる。集団安全保障であるとか信頼醸成であるとか軍縮条約であるとかは、それらの努力の結実である*2

*1:本当にもっとも始末に負えないのは、「力」を正確に測定できず、その目測を誤って「あの国は弱体だ」とか「我が国は強力だ」と錯覚してしまっても均衡が崩れる点にあるのだが

*2:その他、外部に敵を求めてそれに対抗するために結束するという「封じ込め政策」もこの変種と言えるかもしれない

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