あれからも図書館でぼつぼつハワイ関連の書籍をあたってみているが、やはりというか、ひとによっていったり書いたりしていることがすこしずつちがう。古代ハワイに文字は存在していなかったので、正確にたどるのはむずかしいようだ。 むかしのハワイでは、物語を伝えるのに、チャントが用いられていたという。これは日本の祝詞のようなもので、ハワイ語ではオリとよばれる。 ハワイに文字がなかったのは、たぶん必要がなかったからだろう。彼らにはチャントとオリ、そしてメレ(唄)があれば、それで十分だったのだ。 ハワイじたいは、1778年、クック船長に発見されてのち、1810年にカメハメハ一世が統一したものの、まもなくフランス…