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ダーク・タワー

(読書)
だーくたわー

The Dark Tower
スティーブン・キングによる原書にて全7冊の異色大長編ファンタジー。マカロニ・ウエスタンとヒロイック・ファンタジーの融合に、SFやホラーの要素を含め、さらにはキングの他の著作とのリンクもある、言わばキングのライフワークとなっている。
トールキンの『指輪物語』に触発されたキングが、1970年、22歳の大学生時代にロバート・ブラウニングの詩『Child Roland to the Dark Tower Came』に着想を得て、構想を練り始めたらしい。
舞台は『タリスマン』『ドラゴンの眼』と同じく、バランスを失った中間世界(ミッド・ワールド)。そこで最後のガンスリンガー、ローランドを主人公とした冒険の旅が綴られる。
邦訳は角川書店より1992年から2000年にかけて第4部まで出版されたがその後中断。2005年より新潮文庫より第1部より出版再開され、原書にあったカラー挿絵も全て収録された(角川版では一部収録)。表紙も原書と同じくSteve Stoneの美麗で幻想的なイラストを使用している(Stoneは原書では「I」〜「IV」まで。邦訳の「V」以降は日本版独自にStoneが描き下ろしたもの)。訳者も風間賢二1人になり、装丁だけでなく内容の統一も図られている。

ダーク・タワーI ガンスリンガー

The Dark Tower: The Gunslinger (1982)
最後のガンスリンガー、ローランドは黒衣の男を追う。ローランド、黒衣の男の正体は?暗黒の塔とは?ここから暗黒の塔探索の旅が始まる。
1978年から1981年にかけて、『F&SF』誌にて不定期に発表された5つの連作短編を1冊にまとめたもの。最初は限定出版専門のドナルド・M・グラント社から限定版として出版されたが、即完売。発行部数の少なさは「こんな風変わりな小説が売れる訳が無い」とキングと出版社が判断した為。再発売も殆どされなかった為に、キングマニアにとっては暫くは幻の作品となっていた。実際、感情移入しにくい正体不明の登場人物と緊張感に欠けたプロットは、いわゆる「ベストセラーしか読まない普通の読者」には読みにくい小説となっている。カラー挿絵はMichael Whelan。
2003年に加筆版が出版され30数ページ長くなり、内容も後に出版された小説と辻褄が合うように修正されている。
日本版は1992年4月に角川書店より『ガンスリンガー−暗黒の塔I』の題で池央耿の邦訳で出版され、美麗な訳文が話題となった。加筆版は2005年11月に新潮文庫より風間賢二の訳で出版された。

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫)

ダーク・タワーII 運命の三人

The Dark Tower II: The Drawing of the Three (1987)
この第2作以降は全て長編書き下ろしとなる。暗黒の塔探索の旅は、ローランドに加えて新たに2人の仲間であるエディとスザンナが加わっていく。本書より中間世界と現代アメリカの繋がりが示唆され、異世界と現実世界を行き来するようになっていく。また初めから長編として書かれたのと、キングらしく実際の固有名詞も頻繁に登場し、かなり読み易くなって来た。とっつきにくい面もあった「I」に比べ、徐々にアクセルが掛かって来たようだ。カラー挿絵はPhil Hale。
日本版は1996年5月に角川書店より『ザ・スリー−暗黒の塔II』の題で池央耿の邦訳で出版された。新訳版は2005年12月に新潮文庫より風間賢二の訳で出版された。

ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈2〉運命の三人〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワーIII 荒地

The Dark Tower III: The Waste Lands (1991)
ローランドはエディとスザンナをガンスリンガーとして鍛えながら、旅を続けていた。だがローランドの精神は、中間世界と現実のアメリカとに引き裂かれようとしていたのだ。
かつて別れた「彼」も仲間として加わり、ここに旅の仲間が揃う。奇想天外なSF的展開を見せながら迫力あるタッチで読ませ、遂には絶体絶命の危機でエンディングを迎える本書から、いよいよエンジン全開となって来る。カラー挿絵はNed Dameron。
日本版は1999年9月に角川書店より『荒地−暗黒の塔III』の題で風間賢二の邦訳で出版された。改訳版は2006年1月に新潮文庫より同じく風間賢二の訳で出版された。

ダーク・タワー〈3〉荒地〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈3〉荒地〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈3〉荒地〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈3〉荒地〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワーIV 魔道師と水晶球

The Dark Tower IV: Wizard and Glass (1997)
シリーズ第4作は、ローランドの過去が明らかになる。普通の少年ならば青春真っ盛りな筈の十代半ばにして、彼は激しい恋と過酷な運命を背負うことになるのだ。巻を重ねるごとに面白さが加速される本シリーズにおいて、本書は意外にも心かきむしられる波乱万丈の冒険ロマンス編となっている。カラー挿絵はDave McKean。
日本版は2000年5月に角川書店より『魔術師の虹−暗黒の塔VI』の題で風間賢二の邦訳で出版された。改訳版は2006年2月に新潮文庫より同じく風間賢二の訳で出版された。

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈4〉魔道師と水晶球〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワーV カーラの狼

The Dark Tower V: Wolves of the Calla (2003)
旅の仲間は辺境の町カーラからの助けを求められる。双子の子供ばかり生まれるカーラでは、20数年ごとに謎の”狼”と呼ばれる集団が襲い掛かり、幼い双子の片割れがさらわれるのだ。さわられた幼子たちは、やがて知能が遅れた状態で戻され、巨人となって成長、やがて若くして苦悶の内に死すべき運命となる。ローランドたちは助けに応え、襲い来る狼たちを迎え撃とうとするが。いよいよ完結に向けて伏線が張られ始めたと感じられる作品。カラー挿絵はキング作品お馴染みのBernie Wrightson。
本書から新潮文庫より初登場となり、表紙もSteve Stoneの日本独自のイラストとなる。風間賢二の訳で2006年3月に出版された。

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈5〉カーラの狼〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワーVI スザンナの歌

The Dark Tower VI: Song of Susannah (2004)
本国アメリカでは、2004年後半に立て続けに第6部・第7部が発行された。その第6部に当たるほが本書である。
前作のラストで忽然と姿を消したスザンナを追って、カ・テットは後を追う。彼らの運命を待ち受けるのは一体・・・。
カラー挿絵はDarrel Anderson。
日本版は2006年7月に風間賢二の訳で出版された。

ダーク・タワー〈6〉スザンナの歌〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈6〉スザンナの歌〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈6〉スザンナの歌〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈6〉スザンナの歌〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワーVII 暗黒の塔

The Dark Tower VI: The Dark Tower (2004)
いよいよ本書にて、ローランドと旅の仲間の探索は終結を見る。
カラー挿絵は再登場のMichael Whelan。
日本版は2006年10月、11月、12月の三ヶ月連続で上中下を風間賢二の訳で出版。

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈上〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈中〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈下〉 (新潮文庫)

ダーク・タワー〈7〉暗黒の塔〈下〉 (新潮文庫)

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