霊峰冨士の登拝シーズンもまもなく終わります。金剛杖を手に日本一の山頂を目指す登山者たちは、「信仰」として山を登っているわけではないのですが、大多数の方々が目的とするひとつは「ご来光」。(不思議なことに)ご来光に自然と手を合わせるのです。山頂には浅間神社の奥宮がふたつ鎮座していて、そこに到達した登山者たちは、やはり「せっかくだから」と順番を待って参拝し、神妙に手を合わせます。 日本人は往々にして頭を垂れる対象の神仏に対して、その「正体」を頓着することがないのですが、「冨士の大神」についても、それ以上を知ろうとすることは殆ど無いようです。 富士山には現在四つの登拝道がありますが、登山口にはすべて浅…