宗教に関して、学者はとかく個人主義的傾向をまるで劣等コンプレックスのように嫌って、社会主義的であるべきだ、本来は共同体主義的であるのだ…といった趣旨のことを言いたがります。「こころの時代」の「無宗教からの扉(6)慈悲の実践」(2022年)における阿満氏の解説にもそのような傾向が感じられました。高木顕明師の思想は宗教社会主義というか念仏社会主義といったものであったにせよ、それが真宗ないしは宗教の唯一の見方とか生き方というわけではないはずです。同じ浄土真宗においても、結果的には本願寺派(西本願寺)のスローガンでもある「御同朋の社会をめざす運動」の推進ということにはなるにせよ、そこに至る過程が、道が…