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アヤワスカ

(一般)
あやわすか

アヤワスカ(ケチュア語: Ayahuasca、Ayawaska)は、南アメリカのアマゾン川流域に自生するつる植物バニステリオプシス・カーピ(Banisteriopsis caapi、以下カーピ)のこと。または、カーピに、チャクルーナなどの、ジメチルトリプタミン (DMT) を含む植物を加え、煮出して作られた向精神性の飲料。服飲すると、嘔吐を伴う強力な意識変容作用をもたらす。主にアマゾン西部の先住民族がシャーマニズムの儀礼や民間療法などに用いられている。

アヤワスカは、ペルー、ボリビアなどの先住民族の言語であるケチュア語で、「魂のつる」、「死者のロープ」という意味をもつ。「アヤ」は、魂、精霊、先祖、死者などを指し、「ワスカ」は、つる、ロープを意味する。また、ブラジルでは、カーピ、シポ、オアスカ、ダイミなどと呼ばれ、コロンビアではヤヘイ(Yagé)と呼ばれる。ヤヘイの名称は、ビート・ジェネレーション作家のウィリアム・バロウズと詩人アレン・ギンズバーグによる『麻薬書簡』(The Yage Letters) により一般に普及した。

先コロンブス期のアメリカ大陸において、アヤワスカによる幻覚を描写したと思われる岩絵が発見されている。アヤワスカにふれた、西洋における最古の記録は、1851年にブラジルのアマゾン地域を探検したイギリス人のリチャード・スプラスによるものである。

アヤワスカの向精神性成分であるハルマリンは、1841年、砂漠地帯に生える低木のシリアン・ルー(学名: ペガナム・ハルマラ)から分離に成功され、1927年にはじめて化学合成される。1923年には、カーピからハルマリンが分離され、テレパシン(テレパシーに由来)と名付けられる。

1923年、南米におけるアヤワスカ儀式の映像が米国薬剤師会 (American Pharmaceutical Association) の会議で紹介される。1953年、作家ウィリアム・バロウズが、アヤワスカ(ヤヘイ)を探しにコロンビアとペルーを訪れる。バロウズはコロンビアで、植物学者のリチャード・エバンス・シュルティス (Richard Evans Schultes) と出会っている。この時の体験を元に1963年には、バロウズと詩人アレン・ギンズバーグによる書簡のやり取り『麻薬書簡』が出版される。薬草と伝統医学の研究で知られるアンドルー・ワイルは、1967年にはじめてアヤワスカを体験し、後にコロンビアを訪れる。1975年、植物学者のテレンス・マッケナとデニス・マッケナ兄弟による実地調査の記録が、著書The Invisible Landscapeにまとめられる。

ブラジルでは、アヤワスカを使うシャーマニズムがキリスト教と習合した教義をもつ宗教団体、サント・ダイミ (Santo Daime) やウニオン・ド・ヴェジタル (União do Vegetal) などでアヤワスカが神聖な飲料として、合法的に使用されている。

また近年アマゾン西部には、主に欧米人向けに改良されたアヤワスカ体験を提供する宿泊施設が建てられ、数週間の代替医療プログラムへの参加や変性意識体験を求めて多くの人が訪れる。アヤワスカ・ツーリズムと言われ、賛否両論を呼んでいる。

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