1つの日記だけで終わる短編小説を書く人たちの集まりです。
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昔々あるところに、愚かな王様が大きくて広い、冷たい床のあるお城に住んでいました。お城の中は大きくて広くかったため、冷たい床は一層冷たく王様は非常に困っていました。そこで、悪魔のような顔つきの執事に「この冷たい床では暮らせない」と毎日毎日溢していました。ところで、このお城の床には悪魔のような影のシミがあるのですが、ある日、執事は、床のシミを見てお城の床一面に絨毯を敷くことを思いつきました。さっそくそ…
個人紙《チャンネルF☆通信》第12号(1995年10月16日号)に掲載した5枚余りのショートショート童話。TVニュース番組の中で、養鶏場でお払い箱となった雌鳥をひきとり、廃棄される飼料を利用して育てている人の活動が紹介されていたことがあって、「職員もリサイクルでは?」と思ったのが着想のきっかけ。ニワトリや食料品のリサイクルという方向に読者を誘導し、じつはリサイクルの対象はヒトだったという意外性を演…
駅舎を出ると、客引きが私の袖を引っ張った。 「お客さん、泊まるところはあるのかい?」 温泉街だというのに、降りたのは私ひとりで、それでいて客引きもその男だけであった。 「あんた、男の客引きかい?」 私はなんだか妙な気がして聞く。 「女はみんな出て行っちまった」 男はやけになったように云った。 「いったいどうしてさ」 私が男に訳を聞こうとすると、男はにやりと笑って「部屋で話しますぜ、お客さん」と云っ…
「いらっしゃいませ~!」 早起きが得意な人が来店する朝。来店と同時に吹き込んできた空気は気持ちの良い暖かさ。 よかった……今日もいつもと変わらず清々しい。 「おはようございます。今日は何になさいますか?」 私はいつもの奥の席に腰を下ろした白髪のおじいさんの元へと愛想よく駆け寄った。 「おはよう。じゃあ、いつもので」 おじいさんは顔のしわを伸ばしてにこやかに微笑んだ。 「はい。かしこまりました」 そ…
ベッドで横になっていると、ああ、天井を一枚の絵のように空想してしまう。 絵には彼女の姿が描かれている。僕はそのとき絵の中ででことことラタトゥイユを煮込んでいた。 「火加減はどう?」 「完璧」 「ははは」 彼女の姿はそう言った。僕は勝手に鍋を火にかけ、二人で勝手に夕食をいただいた。 僕は彼女を見つめる。頭の中で何回この子に「she」という言葉を投げかけただろうか。僕たちは素敵な女の子に「彼女」とか「…
連日、不安定な天候が続き、晴れていても急に雷雨となり「晴れ時々雷雨(豪雨)」や「晴れのち雷雨(豪雨)」の天候が続いています。 皆様も、ゲリラ豪雨、線状降水帯、雷、川などの増水には気をつけてください。 私が選んだ本日の1枚の写真。 不定期にアップします。 今日は雨なので、私が好きな雨の写真を1枚・・・ 憂鬱な雨ですが、雨の日も悪くないと思っていただければ幸いです。 http://hollyhocks…
あれからどのくらいの時間がたっただろう。ぼくはまた、いろんなことを忘れかけていた。相変わらず彼女はほとんど口をきいてくれないから、記憶を確かめ合うこともできない。ぼんやりとごはんのことを考えて、無意識に排泄をして、やがて眠りに落ちる日々が続いた。 だんだん体を動かすのが億劫になっていた。食欲は相変わらずだけど、なるべくじっとしていたい。起きているんだか眠っているんだか自分でも判然としなかった。そも…
今回は、「部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ」(以下、三つ編み眼鏡ネットスラング)の、「キャラクター別目次」を掲載します。 今回は、「ネットスラング編 雪村楓 2」です。雪村楓編は、合計115話あります。■ 部活の先輩の、三つ編み眼鏡の美少女さんが、ネットスラングに興味を持ちすぎてツライ http://ncode.syosetu.com/n9324by…
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