米アップル社が2010年6月22日午前2時に公開したOS。iPhoneやiPod touch用のOS。
iTunes(2010年6月17日公開のコンテンツ管理ソフト「iTunes 9.2」)をPCにインストールすることで、無償ダウンロードが可能。マルチタスキング機能、フォルダ機能に対応したほか、電子書籍アプリ「iBooks」の利用がiPhone/iPod touchでも可能となり、100項目以上に及ぶ新機能が搭載されているという。(詳細は後述)
iPhone 3G/3GSとiPod touch。
ただし、マルチタスク機能については、iPhone 3Gや最新の第3世代以外のiPod touchでは対応しないなど、機種によって対応する機能が限定される場合がある。例えば、マルチタスキング、壁紙のカスタマイズ、Bluetoothキーボードは、iPhone 4、iPhone 3GS、および第3世代iPod touch(2009年秋に発売された32GB、64GBモデル)でのみ利用可能。なお、iOS 4は6月24日に発売される新型スマートフォン「iPhone 4」には最初から搭載される。また、iPad向けのiOS 4は今秋提供開始予定としている。
対応アプリなら(他社製を含む複数のアプリケーションでも)同時起動でき、バックグラウンドで動作する。起動中のアプリは、ホームボタンのダブルクリックで確認でき、一瞬で切り替えられる。さらに、アプリのアイコンを長押しするとアイコンの左上に終了を促す表示が現れるので、その部分を押すことで終了できる。なお、radikoアプリは現時点ではマルチタスクには対応していない。
マルチタスク機能によって、プッシュ機能やローカル通知に対応したアプリに通知やメッセージをプッシュ送信できるほか、アプリのタスクをバックグラウンドで完了することなどが可能になった。
ドラッグ&ドロップ(アプリのアイコンを長押ししてドラッグし、ほかのアイコンに重ねれば、重ねたアプリ入りのフォルダが自動で作られる)でアプリケーションを整理できるフォルダ機能をサポートし、最大2160個のアプリケーションを管理できるようになった。作成されたフォルダの名称も設定可能となっているので、同ジャンルのアプリを集約して管理することも可能。
すべてのメールアカウントのメッセージを1つの受信ボックスにまとめて表示したり、メッセージをスレッドで整理するといった機能が追加。また、メールの添付ファイルを他社製アプリから開く事も可能。SMS/MMSのメッセージ検索にも対応している。
アプリケーションを友人や家族に電子メールを介してプレゼントする機能なども追加。
iPadで先行して提供していた電子書籍アプリ「iBooks」にも対応、同日付でiPhone用アプリがApp Storeで公開されている。
ホーム画面にユーザーが壁紙を設定できるようになった。
本体からプレイリスト作成が可能になった。プレイリスト名の設定や、曲順の編集などが行なえる。
縦/横位置の方向を固定可能になった。ホームボタンをダブルクリックした後、左画面に遷移し、回転ロックのアイコンを選択することで、縦/横の画面固定が行なえる。例えば寝転がりながらSafariでWebブラウズする際に、従来はジャイロセンサーが動きを検知し、勝手に方向が変わってしまうことがあったが、ここで位置を固定しておくことで、縦方向など方向を固定したままのWebブラウズが可能となる。
無線LAN接続の安定化や、位置情報のプライバシー保護機能の強化など多数の機能強化が図られている。
Twitterでは早速インストールしたユーザーが使用感を報告しており、マルチタスクやフォルダ機能を評価する声が挙がっているほか、「標準のカメラアプリのシャッター音が大きくなった」ととまどう声が出ていたり、Safariが重くなったという報告もある。しかし、全体的に動きが機敏になった、バッテリーの持ちがよくなった、画面の向きが固定可能になった、ユーザ辞書登録が可能になった、といった声があり、おおむね好評であるようだ。
Appleが公表しているiOS 4の主な機能強化、修正内容は以下のとおり。
- マルチタスキング機能*1が他社製アプリケーションに対応
- フォルダ機能によりAppの整理に対応
- 「メール」の機能向上
- 全受信メールボックスで、複数アカウントのメールをまとめて表示
- 受信メールボックスの簡易切り替え表示で、複数のメールアカウントの受信メールボックスを一瞬で切り替え
- メッセージのスレッド表示で、同じトピックのやりとりをまとめて表示
- 添付書類を互換性のある他社製Appで開ける
- 検索結果のメールのフォルダ移動や削除に対応
- 写真の添付時にサイズを選択できる
- 送信メールボックス内のメッセージを編集/削除に対応
- iBooksとiBookstoreをサポート(App Store から入手可能)
- 「写真」と「カメラ」の機能向上
- 写真撮影時の5倍デジタルズーム*2
- ビデオ撮影時のタップフォーカス機能*2
- iPhotoの「人々」データを同期
- 位置情報が記録された写真が「写真」の「撮影地」で地図上に表示
- デバイス上でプレイリストの作成と編集に対応
- 「カレンダー」の参加依頼を、サポートされているCalDAVサーバーとの間でワイヤレスで送受信可能に
- MobileMeのカレンダー共有をサポート
- Web検索時に候補と最近の検索結果が表示されるようになった
- SMS/MMSのメッセージ検索に対応*2
- Spotlight検索で、検索結果から引き続きWebやWikipediaで検索可能に
- 位置情報のプライバシー保護機能の向上
- 新しい「位置情報サービス」アイコンがステータスバーに表示
- 過去24時間以内に位置情報を要求したアプリを確認
- 位置情報サービス機能のオン/オフをアプリ別に設定
- 自動スペルチェック機能
- Bluetoothキーボードをサポート(*1)
- 「iPod out」により、互換性のある車でミュージック、PodcastおよびオーディオブックをiPodインターフェイスで操作できるようになった
- iTunesギフトでAppを贈れるようになった
- IMAPメールアカウントで、メモをワイヤレスで同期できるようになった
- WiFi接続がさらに安定し、より確実にプッシュ通知を受信できるようになった*1
- 新しい設定で、モバイルデータ通信機能のみオン/オフ可能に*2
- 新規SMS/MMSメッセージ作成中の文字数表示オプションを追加*2
- Visual Voicemailメッセージを、サーバからの削除後もローカルで保存できるようになった*2
- 画面の向きを縦方向でロックできるようになった(*1)
- オーディオ再生コントロールで、iPodおよび他社製オーディオ用Appがコントロール可能に(*1)
- 言語環境設定、ユーザ辞書、キーボードが新しくなった(*1)
- 編集可能なユーザ辞書が搭載され、日本語入力機能が向上
- 日本語のASCII顔文字をサポート
- アクセシビリティ機能を拡張(*1)
- Bluetooth機能が向上
- デバイスのパスコードを暗号化鍵として使用することによりデータ保護機能が向上*1
- 他社製モバイルデバイス管理ツールをサポート
- エンタープライズ向けAppをワイヤレスで配布可能に
- Exchange Server 2010 との互換性を実現
- 複数のExchange ActiveSyncのアカウントをサポート
- JuniperのJunos Pulse AppおよびCiscoのAnyConnect SSL VPN Appをサポート
- 1,500 を超える新しいデベロッパー API
- 問題の修正