石原洋が率いる偉容のロック・バンド。今や海外でも「Legendary」の形容詞付きで語られる幻のサイケデリック・バンド"White Heaven"で80年代から活動。残された作品はいずれも国内外で高い評価を受け現在でも高額のプレミアム付きで取り引きされている。
White Heaven解散後石原のソロ作「Passivite」(亀川、栗原も参加)を経て、'99年よりThe Stars名義で活動を開始。'02年頃から現在のメンバーで下北沢シェルターを拠点として、ライブ・アクトをコンスタントに行なっている。魔的空間を誘発する栗原の狂気ギター、豊かな音楽的語彙を感じさせる亀川の繊細かつ濃密なベース、そして縦横無尽に錯綜する荒川の比類なきドラム。ザ・スターズの霊的源泉たる石原の夢幻ヴォーカルと鋭角的なギター。(リーダーの石原は、その深い音楽性で"ゆらゆら帝国"のレコーディング現場でのブレインとして全作品のプロデュースを行っている。)
ライブではステージごとに変化するアレンジ、張り詰めた空気を持つ即興部分がかなりのウェイトを持ち、その音源を毎回録音しているファンも多数存在する程の「一回限りのレア」として認識を持たれている。ザ・スターズは、単なる「アンダーグラウンド・バンド」という言葉を遥かに越えたポテンシャルを秘めた存在として既に孤高の位置に君臨しているが、言い換えれば世界に対する特異な理念とコンテクストを維持し続ける彼等こそ「最後のアンダーグラウンド・バンド」の称号がふさわしいのかもしれない。