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T-64

(一般)
てぃーろくよん

1966年に採用された、ソ連の主力戦車。

詳細

元々は複数作られたT-62の設計試作車のひとつから派生した、当時としては革新的で画期的な戦車だった。
複合装甲の導入によりT-62よりも強靭な装甲を獲得したが輸送上の制限などにより車体を大型化する事が出来ず、複合装甲の分だけ車内へ装甲容積を拡大する事で「解決」されてしまった。その対策として自動装填装置を導入して装填手を不要とし、また、車体の小型化を実現させるために分離弾薬を採用した。


T-64に採用された自動装填装置「コルジナ」は、砲塔直下に弾薬を環状配置することで車体もしくは砲塔の大型化を防ぐことに成功したが、これは万が一貫通した命中弾が弾薬に接触・誘爆すると、砲塔を吹き飛ばして致命的な破壊*1をしてしまう欠点を同時にもたらしてしまった。
また、分離弾薬は構造上発射装薬が西側の物に比べて少なくならざるを得ないため、威力が小さい傾向にある*2
この欠点は小型戦車にこだわるソ連/ロシアの戦車に今なお引き継がれている。

仕様

乗員: 3名
重量:36t
エンジン:5TDFディーゼル/700hp
路上最高速度:65km/h
路上航続距離:650km
武装: 115mm滑腔砲D-68/7.62mmPKT機銃/赤外線照射式暗視装置

バリエーション

  • T-64A D-81T125mm滑腔砲を採用/自動装填装置・FCSの改良
  • T-64B 9M112-1「コーブラ」対戦車ミサイルが発射可能/FCSをレーザ測距式に更新

その他

  • T-64は革新的かつ強力ではあったが構造が複雑で高価、なおかつ整備コストも高くついたが、時の指導者ブレジネフが強力な軍隊を欲していたためT-64を大量調達した。その結果として国家財政を次第に逼迫させることになり、これが1980年代の国家財政破綻をもたらした原因のひとつであると言われている。
  • 自動装填装置「コルジナ」は砲手を挟む事故が多発したことから、ソ連の戦車兵からは「人食い機械」と揶揄されていたらしい。

参考文献

月刊グランドパワー 2003年6月号

*1:つまり車体の破壊と同時に全乗員が死亡

*2:特に運動エネルギーに頼るAPFSDSにおいて顕著

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