Small Computer System Interface
コンピュータと周辺機器の接続を定めた規格。
ホストとなるコンピュータのインタフェース・および周辺機器をバス型配線で相互接続する。バスの両端にはターミネータと呼ばれる終端抵抗を接続する必要がある。(これはターミネータモジュールを装置のコネクタに接続する場合と、ホスト側のSCSIインタフェースアダプタやデバイスに内蔵されているものを有効に設定して使用する場合とがある。)
主にハイエンドクラスのコンピュータと大型ストレージ機器やテープバックアップ装置などとの接続に用いられているが、かつては大型ストレージのみならず小型の外付けハードディスク・CD-ROM・MO・イメージスキャナなどの接続にも用いられていた。
しかし手軽でないことや高価さゆえにデスクトップPCからはだんだん廃れていき、やがて小型の外付けハードディスクやCD/DVD装置は内蔵型は安価なIDEやシリアルATAに、外付形やイメージスキャナ等はホットプラグも可能で簡単なUSBに移り変わっていった。
現在ではワークステーションや小規模サーバの一部に、高信頼型HDDやディスクアレイ、テープバックアップ装置などの接続目的に使われているのみである。
やがてコストの低いSAS(Serial Attached SCSI)に取って代わられる予定である。
カテゴリ | データ幅 | 速度 | 最大デバイス数(ID) | 信号 | ピン数 | ケーブル長 |
---|---|---|---|---|---|---|
SCSI-1 | 8bit | 5MB/s | 8 | SE | 25〜50 | 6m |
Fast SCSI | 8bit | 10MB/s | 8 | SE | 50 | 3m |
Wide SCSI | 16bit | 20MB/s | 16 | SE | 68 | 3m |
ディファレンシャルSCSI | 16bit | 20MB/s | 16 | HVD | 68 | 12m |
Ultra SCSI | 8bit | 20MB/s | 8 | SE | 50 | 1.5m |
UltraWide SCSI | 16bit | 40MB/s | 16 | SE | 68 | 1.5m |
Ultra2 SCSI | 16bit | 80MB/s | 16 | LVD | 68 | 12m |
Ultra160 SCSI | 16bit | 160MB/s | 16 | LVD | 68 | 12m |
Ultra320 SCSI | 16bit | 320MB/s | 16 | LVD | 68 | 12m |
このうち、データ幅8bitのもの(Narrow SCSIと呼ぶ)についてはコネクタがD-sub25pin(旧Macやipドライブ)、D-Sub34pin(かなり昔の外付けHDD)、ベローズ フルピッチ50pin(初期製品では一番メジャー)、同ハーフピッチ(NEC PC-9801が採用)、ピンタイプ(Adaptec AHA-2940等後期の製品のほとんどがこれ)など多様なコネクタ種類が見られた。50pinのものについては変換ケーブルで相互接続が可能だがその他は特殊すぎて単方向変換のみもしくは相互接続不可。
データ幅16bitのWide SCSI系に用いられる68pinはほぼハーフピッチ ピンタイプまたはミニピッチ ベローズタイプ(別名VHDCI)の2種類で統一されている。
コネクタ形状は概ね以上の通りだが、ケーブルの信号線(およびターミネータ)の品質がスピードランクによって異なり、新しいランクほど下位互換性はあるが、古い規格のケーブルやターミネータを上位ランクのデバイスに使用するとデータエラーや動作不安定などの原因となる。
装置に個別に割り振るSCSI-ID番号は、Narrow SCSIで0〜7、Wide SCSIで0〜15が使用可能となっている。
一般的にはSCSIインタフェース(HBA)が7番を使用するので、他のデバイスはそれ以外を使う。Narrow/Wide両方に対応している装置でもNarrowで使用する場合は6以下を振る。
主に0から連続する小さな番号はハードディスクで使い、CD-ROMは6番、それ以外のMOやスキャナ等はその間の空き番号を使うのが一般的だった。
HVD(High Voltage Differencial)はごく初期のサーバーやワークステーション機器で用いられたのみで、高価さ故にあまり普及しなかった。また、SEやLVDへの互換性がない。
SE(Single Ended)は一般的なPCで多く普及したが、高速化が進むとともに信号安定性とケーブル長・実質使用可能デバイス数の関係がトレードオフになり、Ultra2世代からはLVD(Low Voltage Differential)に取って代わられた。
LVD機器の多くはSEとの下位互換性を備えている場合が多いが、単にSEモードでも動作可能というだけで、その場合の接続上の制約はSEの厳しい制約に縛られることになる。
HVDやLVDでもケーブル長12mや16デバイスで動くことが保障されているわけではなく、環境や接続状況、あるいは機器の特性などのさまざまな要因によって、もっと短いケーブル長や少ないデバイス数でないと動作しないケースは多々ある。何事も欲張りすぎるのは良くないのはSCSIだけに限った話ではなく、LVDであっても目安として2〜3デバイス・1〜2m程度が関の山と考えた方がいいと思う。
広義にSCSIと言った場合、接続方式がSCSIだけにとどまらず、ファイバチャネルを用いて接続されるストレージ機器にもSCSIのコマンドセットが応用されており、それらも含めて指される場合がある。