RAID 5の改良型で、パリティデータに割くディスク容量をHDD1本分から2本分へと増やし、RAID ADGなどのような二次元パリティ技術を用いる事で、同時に2本のHDDまでの障害に耐えるRAID方式。
HDD4本以上で構成可能。
これまでのRAID 3やRAID 5においては、RAIDを構成するメンバーHDDのうち1本までの障害にしか耐えられない。したがって、2本目の障害が発生してしまったり、リビルド中に残存メンバーのどれかに不良セクタが見つかったなどの理由で部分的にでも2つのHDDにまたがる欠損が出てしまったりなどした場合には、正しくリビルドを行なうことができず、復元できなくなってしまう。
それに対してこのRAID 6の場合はそのような場合でも、あるいはあまつさえ1本欠損した箇所のリビルドを行なっている最中に別のメンバーHDDがもう1本故障してしまった場合であっても、引き続きリビルドを行なって回復することが可能である。
台湾の新興メーカーAreca社が得意としている分野であり、ArecaのハードウェアRAID6エンジンがこの分野の製品を牽引してきた。
しかし最近になってIntelの工業用プロセッサXscaleシリーズがRAID6技術に応用できる命令セットを追加する改良を行なったため、今後は他社からも専用のハードウェアRAID6エンジンチップセットに頼らなくても安価にRAID 6対応製品を作れるようになってくることが予想されており、いずれRAID 5をほとんど置き換えてしまうぐらいまで普及するであろうことが見込まれている。