現代イタリアの作家イタロ・カルヴィーノの小説『レ・コスミコミケ』と『柔らかい月』に登場する謎の語り手。老人。 何故かこの宇宙の生い立ちを知っており、さも読者たちの驚きを見透かしたかのように、その驚愕の物語りをさらりと語る。 「Qfwfq」の発音については、国際的にどう発音したものだか困惑されるようであるが(ラテン語の発音と同じで各国語の「方言」によって読まれているに違いない)、日本語の「くふうふく」という読みは存外まともな読み方らしい。
三谷幸喜が朝日新聞の連載コラム「ありふれた生活」(7月20日夕刊)で、彼が監督した『ザ・マジックアワー』が、昨年、中国でリメイクされて大ヒットしたと書いていた。日本円にして530億以上の興収で、これは中国映画全体の年間第3位の興収だという。日本では約40億円だったというから10数倍になる。ま、桁が違いますからね、人民の。中国版『ザ・マジックアワー』は『トゥ・クール・トゥ・キル――殺せない殺し屋』というタイトルでこのたび日本でも公開(7月8日~)されたというから、機会があれば見比べてみたいと思う。 この映画『ザ・マジックアワー』に、往年の映画スター役で出演した柳澤愼一さんが亡くなられた。先月28…
昨日に引き続き「海鳴り」35号から話題をいただくことになりです。 どうしても、山田稔さんの書いたものに話がいってしまいます。昨日にも 言及しましたが、今回のタイトル「本棚の前で」というのは、2019年の 31号にあるタイトルを踏襲しています。 山田さんの書棚にある本から話題をとったエッセーとなります。35号では、 耕治人さんと小田仁二郎さんの本が取り上げられています。 エッセーで最初に話題となるのは耕治人さんの「全集」でありますが、この 本を電車のなかで読んでいる人の書いた文章が、冒頭で引用されます。 秋葉直哉さんが「ぽかん」9号に発表した「孤独な星の光り」という文章の一節 となります。 秋葉…