Play by mailの略語。手紙をやりとりして行うゲーム全般を指す。
最初、この言葉が生まれた時には、遠隔地に住む二人のプレイヤーが手紙にチェスの指し手などを書いて送り合うことを意味していた。
その後アメリカなどで、ゲーム会社が主催する大規模な国取り形式などのゲームが運営されるようになった。一例として、主催者が舞台となる架空の中世の国家を設定し、参加者がその国家の地方領主として領地の運営方針を手紙で送付し、主催者がコンピューターで結果を処理し、参加者に送付する、という様なプレイが行なわれた。
PBMは日本においては1980年代後半まで一般的ではなかったが、1988年に有限会社「遊演体」が物語形式のPBMを『ネットゲーム』と称して始めたことで、ある程度の浸透を見た。
「ネットゲーム」は、主催者(オフィシャル)側が世界観を提示し、プレイヤーはそこに分身であるキャラクターを登録するのがスタート地点になり、以後プレイヤーはその世界でのキャラクターの行動を(手紙にして)送り、オフィシャル側は全プレイヤーから寄せられたその行動を判定し、その結果を小説仕立てにして返送する。このサイクルを1ターンなどと呼称し、数度のターンを経てゲームは終了する。明確な勝敗はなく、極論一般化すれば「楽しめれば勝ち」と言うことになる。多数のプレイヤーによる働きかけの相互作用などの、予測のつかない結果が生じることもあり、このダイナミズムがウリでもあった。
プレイのためのやりとりを、紙の郵便からe-mailに移したもののことをPBeMと言うこともある。しかしこのPBeMも、現在では会員制サイトやMMOなどにシフトしており、一般的ではなくなっている。