教育心理学の分野で注目を集めている概念の一つ。
日本語では「統制の所在」「帰属意識の在処」などと訳されていて、Rotter(1966)が提唱したもの。評価をもたらされる出来事が発生したときに、その評価をうける原因を自己の能力や努力に帰属させることを内的帰属(内的統制)、運や環境や他人の作為に帰属させることを外的帰属(外的統制)という。
統制の所在と学習性やストレス頑健性の関連に関する研究が数多くされている。70年代の研究者の多くは内的統制が学習効率を高めると予想し論文を発表してきた。一方でRotterは、統制の所在が内的、外的に偏ることの危険性を予見しており、近年の研究者にはこの観点から研究を進めている者も多い。全体的には内的統制の方が学習性、ストレス頑健性も高いとの論が優勢であるが、内的統制に偏ることの危険性を見逃してはいけない。