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GUI

(コンピュータ)
じーゆーあい

Graphical User Interfaceの略。
状態を視覚的に表現し、画面上を自由に「指差し」て行動を指定するもので、それまで主流であった命令文を入力して実行する方式(CUI)に比べ直感的に操作できるのが特長。
1976年ごろ、Xeroxのパロアルト研究所で開発された試作機のAltoとそこで動作するSmalltalk(=アラン・ケイらの暫定ダイナブック環境)がマルチウインドウやポップアップするメニュー操作を中心とした現在主流のGUIを採用した最初のコンピューター環境とされる(次図は1977年頃の暫定ダイナブック環境のGUI)。
http://classes.soe.ucsc.edu/cmps112/Spring03/readings/st76figure3.gif
1979年にこのGUIを観たAppleのスティーブ・ジョブズらが、後のLisaやMacintoshのGUIを構想するのに大いに役立てたエピソードは有名である(ちなみにLisa・MacintoshのGUIは、Smalltalkからマルチウインドウ、メニュー、マルチフォント、カット&ペーストに象徴されるモードレス操作などの多くを模倣しそこに独自の拡張を加え、さらに後述のStarのアイコンベースのファイラのアイデアを取り入れたFinderを中核に据えて作られた)。
またAlto向けには、先行するケイらの暫定ダイナブック環境の影響を受け、見た目や操作スタイルこそ互いに大きく異なるが同じGUIタイプのOSやアプリケーションが複数の研究グループにより試作された(パロアルト研究所内ではLispベースのInterlisp-D、後のWindows 1.0の手本となるMesaベースのCedar。他にも後のMicrosoft Wordの前身であるWYSIWYGワープロのBravoやドロー・ペイントソフト等がBCPLなどで、別部門ではあるがCedarと同じくMesaベースのStarシステムが作られていたことが比較的よく知られている)。
結局、一般向けに安価なパソコンを提供することを嫌ったXerox社上層部の経営上の判断でケイらの暫定ダイナブックは製品化されることはなかったが、Altoのハードウエア技術を転用し別のGUI OSを搭載したワークステーション「Xerox Star」が1981年に製品化された(ソフトウエアも、ケイらの考えるパソコン向けOSではなく「Smalltalk-80」という名前の開発環境として別売)。1983年にはAppleからもGUIを採用したLisaが登場したが、非常に高価だったため殆ど売れることなく市場から消えた。本格的にGUIの有効性が一般に認知されだしたのは1984年に比較的安価に市場に投入されたMacintosh以降で、普及にはMicrosoft Windows 95までさらに10年を要した。

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