バルザックの長篇小説『あら皮』(小倉孝誠訳、藤原書店、2000年)を読みました。 私はバルザック作品を不定期で一作ずつ読んでいます。バルザックの代表作である本作のことは、何年も前に霧生和夫『バルザック』(中公新書、1978年)で知って以来、ずっと読みたいと思っていましたが、今回やっと読むことができました。 本記事では、『あら皮』を紹介しつつ、本作を現代的な感覚で読んだ感想などをつらつらと書きます。 あら皮 〔欲望の哲学〕 (バルザック「人間喜劇」セレクション(全13巻・別巻二) 10) 作者:バルザック,Balzac 藤原書店 Amazon バルザックの自伝的作品にして初の成功作 長篇『あら皮…