1950年、自衛隊の前身である警察予備隊には、米軍の払下げ武器が与えられた。しかし、それらは第二次大戦で使われてきたものであり、ライフルに関してはM1ガーランドと、旧日本軍の99式小銃を使用していた。それは1954年の自衛隊発足の時点でも同じである。
しかし、世の流れはライフルのフルオート化と、西側諸国においてはNATO標準弾薬である7.62mm×51弾の採用であった。ヨーロッパではG3やFALが産声をあげる中、アメリカはM14ライフルを完成させている。制式ライフルは、その国の軍隊の顔でもある。当時はこのM14を自衛隊にも配備しようという話があったようだが、当時の日本は自国のメンツにかけて国産ライフルの開発を決意した。
結果、豊和工業で試作されたR6Aというモデルを1964年10月6日、64式小銃として自衛隊の制式採用とした。
もともと7.62mm×51弾をフルオートで使うには反動が強過ぎるという指摘があったが、それをアジア人の体格で行うには輪にかけて無理があったため、同じ弾でも、薬莢に入れる火薬の量を減らした「弱装弾」とすることで、この問題を解決した。このため、7.62mm×51を使用するアサルトライフルの中では、一番コントロールしやすいと言われている。
有名な欠点としては、
等が指摘されている。しかし、それら欠点を含めても、この銃の評価は高い。とはいえ、それは64式小銃が実際に戦場で使われなかった故の評価であり、もし実戦に投入されていたら、上気の欠点達が自衛隊員達の生命に関わる重大な欠陥だったかもしれない。
幸か不幸か、64式小銃は実戦に投入されぬまま、後継の89式小銃にその座を譲った。
以後、新隊員や予備自衛官の訓練用などに使われている。
だが、まだ完全に89式に切り替わっておらず、多くの部隊で今だ現役である。
また海保でも使われている。