21 Grams
心臓移植を持つ数学の教授ポール、平凡で幸せな主婦から一転して奈落の底に突き落とされるクリスティーナ、信心深い前科者ジャックの3人が織り成す物語を、一直線に語らず、クライマクスも含めて時制を細かくバラバラに切断し、前後に並び替えている。やがて浮かび上がってくるのは悲しき人間模様。ポールはイギリス人の妻(シャルロット・ゲンズブール)との仲がしっくりしてこないし、クリスティーナはアルコールと麻薬で墜ちていく。ジャックは一瞬の気の緩みが起こした災厄に囚われる。
「命が消えるときに、人は21グラムだけ軽くなる」とのコピーのもと、『アモーレス・ペロス』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が正面から人の命の重さを描く。ひとつの心臓を巡って、事故の加害者となった男、被害者の遺族の女、そしてその心臓を移植された男という3人の運命が絡み合う。。。
*1:Rated R for language, sexuality, some violence and drug use.