続いてこんぴら歌舞伎第一部の感想を綴りたい。入りは二部同様ほぼ満席状態。二部は一階の畳敷きで観劇したが、今回は二階東桟敷席にて観劇。一階席よりゆったり感がある。ただ二列目より後ろは、大きな柱が多少観劇の妨げになってしまう。まぁ小屋の構造上致し方なしか。東桟敷は花道の真上。実に結構な席であった。まぁどこから観ても舞台が近い事に変わりはないが。 幕開きは『伊賀越道中双六』から「沼津」。云う迄もなく亡き播磨屋十八番中の十八番。筆者的には「吉野川」の大判事とこの十兵衛が、播磨屋の数多い当り役の中でも双璧であったと思う。その十兵衛に播磨屋の甥である幸四郎が初役で挑んだ。配役はその幸四郎の十兵衛、壱太郎の…