二番線発車:高見順 1955年(昭30)1月~12月、雑誌「婦人生活」連載。 1956年(昭31)東方社刊。 お嬢様育ちのヒロイン恵子が、初めて社会に出て働こうとして父親の紹介した会社に就職する。職場の先輩として積極的に声をかけてくれた男に好感を持つが既婚者であり、別の演劇好きの青年からは言い寄られる。好奇心に釣られて行動するがガードの甘さにつけこまれる。男女の関わりの中で、好感から好意へ、慕情から恋愛へと揺れ動く若い女性の心理を描いているが、その頼りなさが作者の姿勢の軽薄さにも思えて締まりがなかった。読者が若年者であれば共感が得られたかもしれない。☆☆ 二番線発車:高見順2 国会図書館デジタ…