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青春18きっぷ

(一般)
せいしゅんじゅうはちきっぷ

青春18きっぷは、旅客鉄道会社(JR)全線の普通列車(快速・新快速・特別快速等も含む)の普通車自由席、BRTおよびJR西日本宮島フェリーの“宮島航路 *1”に乗り放題となる企画乗車券。JR東日本の登録商標でもある*2

沿革

1982年春季に「青春18のびのびきっぷ」として1日券3枚と2日券1枚の組みあわせで発売開始。
1982年夏季用は1日券4枚と2日券1枚のセットとなった*3
1893年春季用から、「青春18きっぷ」に改称された。
1984年夏季用から、1日券5枚のセットとなった。
1996年春季用より、1券片で5回(人)分をまとめる様式になった。
2016年3月26日より、青春18きっぷ北海道新幹線オプション券が設定される。

利用可能区間・列車

原則として、JR旅客鉄道会社全線、BRTおよび宮島航路のうち、普通乗車券のみで乗車できる区間・列車に乗車することができる。
また、東京メトロ千代田線の北千住〜綾瀬間についても、常磐線とみなして利用できる。
ただし、井原鉄道の列車が乗り入れる伯備線の総社〜清音間についてはJR西日本の列車に限り利用できる。井原鉄道の列車*4を利用する場合は総社〜清音間のみを利用する場合であっても別途運賃が必要となる。なお、同じく井原鉄道の一部の列車が乗り入れる福塩線の福山〜神辺間を利用する場合はJR西日本井原鉄道両社の列車とも区別なく利用できる。
利用する車両が特急型車両であっても、普通・快速列車など、通常、乗車券のみで利用できる列車であれば問題なく利用できる。

普通車指定席およびグリーン車に乗車の場合

普通車指定席や「セントラルライナー」または「湘南ライナー」のような定員制の列車に乗車する場合は、指定券・乗車整理券またはライナー券を別途購入すれば乗車できる。
グリーン車についても自由席の場合に限り、グリーン券を別途購入すれば乗車できる*5

特例

青春18きっぷで特急、急行、および新幹線に乗車することはできない。料金券を別に追加しただけでは乗車できない(利用する区間の乗車券も別途必要)。ただし特例として、特急料金なしで特急に乗れる区間*6は普通車自由席を利用する場合に限り青春18きっぷのみで乗車できる。
また、後述の通り第三セクター区間の運賃は別途必要だが、青い森鉄道線の青森〜八戸間を通過利用(例:野辺地から大湊線を利用する、あるいは八戸から八戸線を利用する)場合に限り、本券のみで普通列車の普通車自由席を利用できる。ただし、この区間を利用する場合、青森・野辺地・八戸駅以外で途中下車すると実際に利用した区間の運賃が別に必要となる。また、花輪線からIGRいわて銀河鉄道に直通する列車を利用する場合はIGR好摩ー盛岡間の運賃が別に必要となる。
同様に、IRいしかわ鉄道の金沢〜津幡間を通過利用する場合、あいの風とやま鉄道の富山〜高岡間を通過利用する場合に限り、本券のみで普通列車の普通車自由席を利用できる。ただし、この区間を利用する場合、指定駅以外での途中下車の場合は実際に利用した運賃が別に必要となる。
cf. 北海道&東日本パス(津軽海峡線の特急列車及び急行「はまなす」など、列車や区間により料金券を追加するだけで特急・急行列車を利用できる場合がある。また、IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道・北越急行も利用できる区間に含まれている)

発売額および利用期間

発売額は11,850円*7で、こども用はなく、1枚で「1人が1日乗り放題*8」が5回分相当利用できる。5人グループが1日乗り放題×1回でも利用できる。
利用可能期間は学生の休暇に合わせ、春季:3月1日〜4月10日、夏季:7月20日〜9月10日、冬季:12月10日〜翌年1月10日。
秋季の設定はないが、18きっぷ同様の使い方で3回分「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」が発売されていた。しかし2012年に「秋の乗り放題パス」と改称され、利用が3日間通しになるなど内容が青春18きっぷとは変わっている。
2007年の春休み期間に限り「JR発足20周年・青春18きっぷ」として8000円で発売した。

利用方法

本券は自動改札機を通せないため、必ず有人改札を通らなければならない。
日付の入った改札印を所定の欄に押印するとその1日間1人が乗り放題となるシステムになっている。そのため初回に改札を通る際に押印される。無人駅から乗車の場合は乗務員に利用日を記載してもらうか、降車駅で改札印を受ける。

日付をまたぐ乗車の扱い

日付を跨ぐ夜行列車(ムーンライトながら・ムーンライト信州など)を利用する場合は車内改札時などで乗務員に申し出て、翌日付の日付を押印(または記載)してもらう必要がある。
ただし乗車中に日付が変わる列車では日付が変わって最初に停車する駅まで有効(電車特定区間では終電車まで有効)なので、その駅で降りる場合は必要ない。

発売箇所と「赤い青春18きっぷ」

みどりの窓口、指定席券売機(みどりの券売機)、JR券を取り扱う主要旅行会社で購入できる。これらの窓口、券売機で購入した場合は通常の新幹線のきっぷと同様、マルス端末と呼ばれる機械で発行される。
上記以外にも、JR西日本、四国管内で一部のみどりの窓口でない駅窓口でも購入できることがある。これらの窓口では常備券と呼ばれる、あらかじめ工場で印刷された用紙で発行される。この常備券はスタンプがにじみにくいことや様式のレトロな雰囲気から一部のマニアに人気で、券面が端末で発行したものとちがって赤いため「赤い青春18きっぷ」「赤券」などと呼ばれる。
赤券は発行枚数や場所が年々減ってきており、ますますレアな存在となっており、近年ではその希少価値ゆえに発売直後、利用開始前に未使用のままネットオークションに転売されるような例も増えている。
2016年冬を持って、最後まで発売が続いていたJR西日本、四国管内で常備券での発売は終了となった。最終シーズンは発売当日に売り切れる駅が続出したが、増刷されシーズン中盤でも入手できたという報告もあった。2016年春以降は青春18きっぷの発売自体未定であるが、発売されるとしても常備券での発売はないと発表されている。

廃止の噂

毎年、そこはかとなく青春18きっぷ廃止の噂が流れるが、いつも噂に終わる。

青春18きっぷ北海道新幹線オプション券

これまでは青函トンネル(海峡線)は特急、急行列車のみが運行されていたため、特例として蟹田駅と木古内駅相互に限り特急列車自由席に青春18きっぷのみで乗車できる特例があった。
しかし2016年3月26日の北海道新幹線開業に伴い江差線木古内駅−五稜郭駅間が経営移管され、いわゆる青函特例が廃止となったため、「JR全線」をうたっているはずの青春18きっぷのみでは北海道と本州を行き来することができなくなってしまった。
そのため青春18きっぷ利用者向けに「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」が新設された。
オプション券は北海道新幹線奥津軽いまべつ駅(在来線乗換駅・津軽二股駅)−木古内駅間と道南いさりぴ鉄道木古内駅−五稜郭駅間をそれぞれ片道1回乗車可能。新幹線区間は普通車の空いている席が利用できる。
価格は2,300円(子ども同額)。
購入、利用時に青春18きっぷの提示が必要で、発売期間は青春18きっぷに準じる。

その他

金券ショップ等で残り数回だけ使えるというものが売られていることもある。かつては1日有効のきっぷ5枚つづりだったため、金券ショップ等で1枚づつバラ売りされることもあった。5日(回)分で1枚となったのは、バラ売りされるのを防ぐためと言われている。
伊勢鉄道や北越急行、智頭急行、土佐くろしお鉄道、肥薩おれんじ鉄道などの第三セクターに直通する列車の場合、当然ながら第三セクター区間の運賃は別途必要となる*9
また、東京にある「JRホテルグループ東京予約センター」(連絡先は本券とともに発券される「ご案内」を参照)に宿泊予約をした上で青春18きっぷ利用日にチェックインするとJRホテルグループの各施設で宿泊料金の割引を受けることができる(一部を除く)。
なお、名前に「青春18」と入っているが、使用するのに年齢制限等はない*10

*1:競合する広島電鉄グループの宮島松大汽船には乗船できない。

*2:商標登録番号第3007644号

*3:同年冬季は設定されなかった

*4:井原・神辺方面

*5:2004年冬季より。首都圏の普通・快速列車がその例。瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」や、中央快速線の「中央ライナー」、青梅線直通の「青梅ライナー」は指定席なので乗車不可。また、途中駅から(まで)普通列車になる一部特急列車のグリーン車(房総地区の一部列車など)についても、普通列車区間で指定席扱いとされる場合は乗車不可。

*6:普通列車が設定されていない区間である津軽海峡線の木古内〜蟹田間及び石勝線の新得〜新夕張間と、乗車時間が短く普通列車と特急の格差が無い日豊本線・日南線・宮崎空港線の宮崎〜宮崎空港間のそれぞれ停車駅相互間を利用する場合に限る。

*7:2014年夏季用より。1997年夏季用から2014年春季用までは11,500円、1989年春季用から1997年春季用まで11,300円、1986年冬季用から1989年冬季用まで11,000円、1989年夏季用まで10,000円、初回は8,000円

*8:日付が翌日にまたがる場合は午前零時を過ぎて最初に停車する駅まで有効。ただし東京・大阪近郊の電車特定区間では当日の終電車まで利用できる。

*9:青春18きっぷの利用期間にあわせてサービスきっぷを販売する会社は存在する。その際、購入時に青春18きっぷの呈示が必要な場合が多い。例:三陸鉄道、智頭急行、肥薩おれんじ鉄道など。

*10:「使用できるのは心が青春してる人」、とJRの人が言ったとか言わないとか。グッたいむでは、「中年40きっぷ」という名前が提案されたこともあった。

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