鉄道車両で、架線などから集電した電気により電動機を駆動して走る機関車。Electric Locomotiveを略してELと呼ばれる。直流機、交流機、交直流機がある。 現在の多くの客車は、客車自体に電動機を搭載し駆動する電車が主流のため、電気機関車を用いた旅客用列車は少数派となっている。 ※ 画像は国鉄EF81形電気機関車
《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info ED76形は交流電機であるので、車体の塗装色は一貫して赤2号を身にまとい続けています。これは、国鉄が制定した塗色で、交流電機はこの色一色に塗装することになっていました。ところが、分割民営化直後は新会社に変わったことと、国鉄とは違う企業であることをアピールするため、旧来からの制定色にとらわれない様々な塗装が試されたのでした。その中で、ED76形はJR貨物のコーポレートカラーである通称「コンテナブルー」と呼ばれる青22号を基調にした青色系の試験塗装を纏った車両が登場し、ひときわ目を引いたものでした。 分割民営化後、JR各…
《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info JR貨物が保有する機関車は、基本的に貨物列車を牽くために運用されるものですが、門司区配置のED76形に限っては特例ともいえる運用がありました。それは、門司港駅と西鹿児島駅感を結ぶ夜行急行列車を牽く運用がそれで、鹿児島本線を走り通す「かいもん」と日豊本線周りの「日南」が、JR貨物のED76形がその先頭に立っていたのです。 これは、民営化後に多く見られた貨物会社と旅客会社の間にあった受委託によるものでした。こうした例は全国でも数多く見られ、基本的には貨物列車を旅客会社が委託を受けて旅客会社に所属する機関車と機関士によって…
《前回のつづきから》 blog.railroad-traveler.info 客車列車の視点で見れば、それまで長距離輸送が主体で、普通列車も長編成で長距離を走破するのが当たり前でした。そのため、列車の運転本数は1時間あたりにしても少なく、乗客の立場からすれば利便性が高いとは言えないダイヤ編成でした。このことは、「使いづらい国鉄」というレッテルを貼られるようになり、特に人口の増加が著しい都市部で顕著になり、労使関係が極度に悪化してストも頻発したことにより、私鉄の路線網が充実した大都市圏を中心に「国鉄離れ」が加速していきました。 国鉄時代の花形であり、新幹線に次ぐ「主力商品」だった寝台特急列車も、…
《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■九州用交流電機の決定版ED76形とその軌跡 ED72形とED73形を嚆矢とする60Hz対応の九州地区向け交流電機は、鹿児島本線熊本以南と日豊本線系統という線路規格が低い路線にも乗り入れることができ、冬季に客車への暖房用蒸気を供給できる蒸気発生装置(SG)を装備した車両が最も適したものでした。 そして、ED72形とED73形が搭載していた風冷式イグナイトロン整流器は扱いが難しく、保守の面でも煩雑になるなどといったデメリットを抱えていたため、性能が安定していて保守の面でも扱いが簡単なシリコン整流器を搭載し、同時にED7…
《前回からのつづき》 blog.railroad-traveler.info ■豪雪地帯・日本海縦貫線から押し出されてきたEF70形とED74形 交流20,000V60Hzでの電化は、九州だけでなく北陸本線でも実施されました。こちらは、九州の電化よりも早い時期だったので、国鉄初の量産交流電機であるED70形が製作され、敦賀機関区(後に敦賀第二機関区)に配置されて運用されました。しかし、ED70形は国鉄にとって未知の世界である交流機ということもあって、量産はされたものの施策的な要素が非常に強く、また黎明期の交流機に共通して機器類の故障などが頻発し、扱いの難しい車両でした。 一方、北陸本線の交流電…
先日なんとかスプレー塗装したナロー双子電気機関車と石灰石運搬車の編成、お腹はまだシクシク痛むし工作部屋を片付けるのに必要なやる気を出すためのやる気さえも出ないので、ダイニングテーブルの上で顰蹙買いながらの塗装その他仕上げ工作です。 双子電気機関車の下廻りを塗り直し、パンタのシューを銀色に塗り、ヘッドライトに透明レジンでレンズを入れ、ウォッシングでスミ入れ?して陰影を付け、窓ガラスを貼り付けました。 鉄道連隊の双子機関車とツーショット。 石灰石運搬車はドライブラシで控えめにディテールを浮き立たせ、積荷の石灰石も軽くウォッシングします。 カプラーループは塗装せず白いままです。このままでもちゃんと稼…
《前回のつづきから》 ■なぜ、九州は交流電化になったのか 鉄道の電化方式は、大きく分けて二つあることは皆さんもご存知のことと思います。一つは直流電化で、この方法は古くから行われています。直流電化では主電動機の構造が簡単な直流電動機を使うことができ、主制御器をはじめとした回路構成も簡単で、車両の製造コストが安いというメリットがあります。また、主制御器をはじめとして回路を構成する機器類も安価に抑えることができ、同時に速度制御に密接に関係する電圧・電流の制御も比較的簡単であることがいえるでしょう。電気的にも安定し、+からー方向へ一定して流れる性質から、取り扱いが簡単なことが挙げられます。 直流電化で…
昨年導入した電気機関車2機(KATO製EF56とTOMIX製EF210)です。 MENU 国鉄/旧型機関車 国鉄/新性能機関車 JR貨物/新世代機関車 特集 国鉄・旧型電気機関車 旧国鉄では、1912年(官営鉄道時代)に信越本線碓井峠でアプト式10000形(のちのEC40形)を導入して以降、しばらくはアメリカ・イギリスなどからの輸入機で運用していました。 電気機関車の国産化は、1926年に日立製作所がED15を開発、続いて鉄道省が1928年に輸入車を参考にEF52を完成させたのが始まりで、その後は国産電機機関車を導入し発展してきました。 戦後、1946年には旅客用のEF58(1952年以降改良…
いつも当ブログをご贔屓頂きまして、誠にありがとうございます。 本日はこちらの車両のBトレインショーティーをご紹介いたします。 EB10形電気機関車 赤灰 です。 まあ、「なんだそれ」ですよね。 基本、実車をモデルとした製品化がなされていたBトレインショーティーなのですが、唯一オリジナルの車両をラインナップしていました。 それがこのEB10形になります。 国鉄の形式表示になぞらえると、Eは電気機関車、Bは動輪2軸を表すので、2軸の電気機関車ということになります。 実際にEB10形という機関車が存在したそうですが、実写は凸型の電気機関車で、こちらをモデルとしているのではなさそうです。 風貌いでたち…
品番:3020-2 改良型のEF58は、1952年の高崎線電化をきっかけとして量産が開始され、旧EF58の続番となる、35号機から175号機までの141機が増備されました。(32~34までは欠番) また、既存のEF58についても31両全車が新しい半流線形車体への載せ替えを含めた改造工事が実施され、EF58は総勢172両となりました。 塗装は当初は電気機関車標準のぶどう色2号の単色でしたが、1965年以降は60・61号機を除く全車が新性能直流電気標準の青(青15号)に前面下部クリーム色(クリーム1号)に順次変更されました。 EF58は旧型電気機関車ですが、高速性能に優れていたことから新性能電気機…
------------------------------------------------------------------------この度の石川県能登半島の地震に被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。現在も厳しい状況が続いているとは思いますが、一日でも早く復旧することをお祈りしております。2023年の総まとめとして本記事を書いていましたが、このような形で交通インフラの重要性を再認識することになるとは思いもよりませんでした。今もなお人命救助に尽力されていらっしゃる各方面の関係者の方々に多大なる感謝の念を抱いております。記事は2023年の被災前の状態を写していますので、思うところ…
主に一般向け製品やサービスを提供している企業等からのリリース、お知らせを不定期に収集しています。対象企業は徐々に数を増やしていく予定です。キャンペーン情報、イベント情報等の関連する情報も掲載しています。 ランキング参加中インターネット LINEヤフー 2024年3月13日 Yahoo!オークションにて、「侍ジャパン」選手などの直筆サイン入りユニホームが出品される「侍ジャパン チャリティーオークション」を開催 売上は令和6年能登半島地震の被災地支援に全額寄付 楽天市場 Amazon Yahoo! LINEヤフー 2024年3月13日 LINE MUSIC、音楽の力で全国から被災地の子どもたちを応…
最近あまり撮り鉄をしたり模型を買ったりもしてないので雑談記事です。 私は暇なときに 「n年前の今日は何をしてたかな~」 と画像フォルダを遡ることが多いのですが、 きょう、2024年3月13日、の18年前である2006年3月13日は 「はじめて一眼レフカメラで撮り鉄をした日」 でした。 キヤノンの入門一眼でしたので、キスデジというやつですかね。 これまで安いコンデジを使っていた身からすると急に高性能で驚きました。 当時はそれが使いこなせてなかったですが…。 そんな18年前の今日の写真を載せてみようかなと思います。 一眼レフカメラを握りしめて向かった先は大和路線の平野駅付近。 ウチからチャリで15…
偉大なる空に輝く白頭山の星にして将軍様に使える同志諸君ごきげんよう 今回紹介するのは朝鮮民主主義人民共和国鉄道省チョンギハ型電気機関車であります 実車は1960年代に偉大なる金日成主席が乗車され、そのことを記念して3号機が今もどこかの機関区に動態で現存しています 改造箇所 前面 デッキ中央部の撤去 ライトを大型に換装 デッキ梯子の延長 スノープラウ取付 連結器取付 屋根上 機器一部撤去 ルーバー?設置(資料が少ないため不明) この他にも側面の形式部分の枠を撤去しましたが写真を撮るのを忘れてしまいました ちなみに実車は東芝の刻印を削ってその上から[当局検閲]してるらしいですよ それでは
鉄道用電源システム市場の概要 QYResearchが発行した最新市場調査レポート「鉄道用電源システム―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2024~2030」によると、鉄道用電源システムの世界市場規模(収益ベース)は、2022年の2538.34百万米ドルから2029年には328.54百万米ドルに達し、2023-2029年の年平均成長率は3.2%になると予測されています。 鉄道用電源システムの世界市場規模(百万米ドル)、2018~2029年 QYResearch社の調査に基づいている、または含まれています: 鉄道用電源システムの世界市場レポート 2023-2029. 調査範囲…
弘南鉄道 秋田中央交通軌道線 庄内交通 栗原電鉄 阿武隈急行 福島交通 会津鉄道 弘南鉄道 弘南鉄道は、青森県の弘前市を中心に弘南線と大鰐線の2つの路線を運営する鉄道です。鉄道コレクションでは、初期の頃に元東急の車両を中心に製品化されています。 鉄道コレクション 7000系/帯なし 元は東急7000系で、1988年以降導入されました。大鰐線の7000系のうち、7033編成は2016年3月末から4月上旬にかけて次のラッピング下準備として帯が剝がされた姿で運用されました。 投稿記事を読む 7000系/弘南カラー 弘南鉄道7000系のうち、7037編成と7039編成は、2014年に1521系と旧標準…
記念すべき第一回目の紹介プラレールは、「スーパー列車大集合セット-新幹線・SL・貨物列車-」です。(2008年9月発売) 箱外観 発売当時の国内No.1の車両を3つチョイスしたセットで、N700系、C62、EF200が選ばれました。この4年後にも同じコンセプトのセットが発売されています。 中身 中はこんな感じです。EF200は初期塗装が選ばれました。 1本ずつ紹介していきます。 N700系(N1編成) N700系は0系、300系の置き換えと500系、700系を定期「のぞみ」運用から離脱させることを目的として2007年より営業運転を開始しました。このセットに選ばれたN1編成はJR西日本の編成で、…
前回はこちらです↓ https://omocha-train.hatenablog.com/entry/2023/09/02/125230前回の記事で機関更新したのでよく走るようになったEF57を新レイアウトに入線させました。さすがにこの時代まで遡ってしまうと、実際の活躍シーンがイメージできません。茶色の機関車の日常は、武蔵野線の浦和トンネルから出てくるEF15をギリギリ見たくらいですが、それも怪しい記憶です。EF57は東海道で日本の交通を支えるスターだったと聞きますが、晩年は宇都宮にて東北・上越の仕業に就き、14系客車なども牽いたと読みました。どちらかと言うと、この写真の峠越えの姿よりも複線…
この記事は、5分で読めます。 こんばんは。管理人のuncleゆーさん(@UncleYusan)です。 先日行った台湾旅行の際に、台南市で開催されている「台湾ランタンフェスティバル」に行ってきました。 今回は、毎年台湾で開催される「台湾ランタンフェスティバル」について紹介します。 「台湾ランタンフェスティバル」とは 2024台灣燈會在台南 高鐵会場の様子 安平会場の様子 まとめ 「台湾ランタンフェスティバル」とは 「台湾ランタンフェスティバル」は、台湾の春節(旧正月)をお祝いする伝統のお祭りで、毎年、台湾各市持ち回りで開催される美しい光の祭典です。 台湾では、「台灣燈會(タイワンダンフイ)」と呼…
2/29・木 ガザでは飢餓だと。とうとう其処まで。アラブ諸国による食糧の空中投下が進められていた。此れを見てイスラエルの人人は何も感じないのだろうか。民主国家が平和的とは限らないからなあ。政治家が選挙の為に戦争を煽っているそうです。だから平和主義が必要。四年に一度の日。詰まり閏日。閏日のある年を閏年というのだが、なんか混同しやすい。正式には閏日年とでも言うべきか。丁度四年前はコロナが燃え上がる頃。今から思えば、アクリル板とかフェイスシールドとか要らなかったよな。当時の専門家の言説も検証して欲しいです。勿論政治家の判断も。責任を追及するのではない。真実を追究したいのです。 朝から曇る。花粉症酷し…
2024年3月6日に、QYResearchは「ガスタービン-電気機関車―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2024~2030」の調査資料を発表しました。本レポートは、ガスタービン-電気機関車の世界市場について分析し、主な総販売量、売上、価格、主要企業の市場シェアとランキングに焦点を当てています。また、地域別、国別、製品タイプ別、用途別の分析も行っています。ガスタービン-電気機関車の市場規模を2019年から2030年までの販売量と売上高に基づいて推計と予測しています。定量分析と定性分析の両方を提供することで、企業がビジネス成長戦略を策定し、競争環境を評価し、市場位置を分析し…
疲労により少しの量のビールで酔ってしまいましたが、 今夜は頑張ってもう一本ご覧頂きます。 恐らくこれがラストランになるであろう金沢工臨を撮った後に 撮影することに成功したのが ED75の758号機の土崎出場の配給列車です。 ロンチキを今庄まで追っかけてしまったことから それに間に合わせるため、 新潟県の西半分を高速道路で移動することとなりましたが、 どうにか間に合わせることに成功しました。 ロイヤルエンジンが牽くナナゴ配給は初なんだとか? こちらも良い記録になりました。 現地でお会いした皆様、お疲れ様でした。 東北民なのでメインは後ろ姿です。 羽越本線(新津)2024/3/4/23:34撮影E…
引用先 https://blog.goo.ne.jp/blackcat_kat/e/7c2bb02f93586c6834605e903ecba8bd 6月に発売される富井電鉄峠(たお)線のキハ202+キニ903・新塗装2両セットに入っているキニ903は国鉄のキワ90ですが、どんな車両なのでしょうか。 目次●キワ90も不運なディーゼルカーだった。●キワ90も事業用貨車に改造された。 ●キワ90もノス鉄で製品化された。 ●キワ90も不運なディーゼルカーだった。 https://www.pinterest.jp/pin/704250460506189003/ キワ90が作られた理由はローカル線で無煙…
こんにちは! 更新が滞ってしまって大変申し訳ありません... Twitter(X)でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、 広報担当が代わりました! とりあえずCと名乗っておきましょう。(詳細は後々のブログ更新で) 今回は「夏かんもれんの展示作品のまとめ」です。 もう春のかんもれんが迫っているのに今更のまとめですが、 やっていきましょうか。 HG・SD部門 Zガンダム(制作:月日真[げった ちぇんじ]) ミカエリスブレード改(制作:月日真[げった ちぇんじ]) ヴィラ・ズール改修型(制作:由良基在) ガンダムヴィダール(制作:由良基在) ガンダム・ルブリスウル(制作:カレーパン) ディランザ…
生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く死に死に死に死んで死の終りに冥し(空海『秘蔵宝鑰』) この言葉を私が知ったのは、黒井瓶(旧名:黒井マダラ)氏の「無何有塔」という曲を聴いたときである。今はもう聴けない(所有していない)曲だが、当時、九州の田舎にいた私はこの曲で、東京という活動態を直観していた。おぼろげながらに記憶に残る歌詞が事あるごとに脳内に響く。 高く塔を建てよ僕らの声が この世界中に届くように 三千世界の梅の花が盛大に開く見ときな 乱世も救済の兆しだサイゼの隅から始まりだ 何度も建て増しされた駅の構内で疲れがどっと湧き出した 目の前を歩く鳩に話し掛けたそしたら「子曰く」 済世。この曲…