福岡県の地名。難読地名として知られ、その指す場所は、もともとは県都福岡市と同県大野城市にまたがる場所である。
歴史のある地名であるが、現在は、市町村制のもとでの公式な地名としては、大野城市の中心部ほど近くの雑餉隈町という街区名に残るのみとなっている。
また、西鉄天神大牟田線にこの名の駅がある。すなわち雑餉隈駅(井尻 - 雑餉隈 - 春日原)、福岡市内の西鉄駅としては同市最南端の駅にあたる。この駅の周囲は性風俗店を含む歓楽街でもあり、『雑餉隈』という場合、この一帯を指して言うことも多い。界隈には武田鉄矢の生家(たばこ屋)があり、孫正義の率いるソフトバンク社(の前身のユニソン・ワールド社)の創業地でもある。
このほか、大野城市雑餉隈町内の神社、同街区内の観音堂(県指定有形文化財の仏像を納める)、同街区内の公民館ならびに隣接する老人憩いの家、福岡市博多区麦野街区内の保育園などがこの名を称している。
かつては国鉄鹿児島本線にもこの名前の駅があったが、同駅のそばに南福岡電車区が開設され、同時に同駅始発・終着の列車が多く設定されたが、その際に「行き先がわからない」という苦情が多発したため「南福岡」に改名された。