コーエーが開発したゲームのシリーズ。
一言で書けば、「軍艦版アーマードコア」ともいえるゲーム。
戦闘艦建造シューティング*1。
ただし、プレイステーション2には、
「ウォーシップコマンダー」系と「〜ウォーシップガンナー」系の二通りがあり、方向性は似ているがプレイヤーの立場が異なる(詳細後述)。
「鋼鉄の咆哮2 〜ウォーシップコマンダー〜」
「鋼鉄の咆哮2 〜ウォーシップガンナー〜」
の両方が存在するなど、まぎらわしい。(2005年発売の「亡国のイージス2035」は、「ガンナー」系列に属する)
「予算と技術力の制限の元、自分好みの艦を設計・建造し、それを操作して、群がる敵機・敵艦を撃破する」
というのが基本内容。
「コマンダー」では、俯瞰画面の中で艦を操作し、照準を敵艦に合わせて射撃する。
主砲・副砲・魚雷・対空機銃・ロケット弾など、複数系統の兵装を搭載している場合(普通はそうだが)、自分で操作しない兵装は自動照準・自動射撃にすることができる。
「ガンナー」では、その名の通り、より「射撃」に特化し、射撃は3D視点で行い、副装の自動射撃は行われない。
一見、ジャンルそのものが特異ではあるが、シューティングゲームの一種であると考えればそれほど斬新なシステムはない。
異なるのは、多くのシューティングゲームでは、自機はあらかじめ与えられた物であり、カスタマイズの余地は全くないか、あったとしてもわずかであるのに対し、本ゲームではそれが極めて大きく、ゲームの核心を成している点にある。
船体と兵装を購入し、限られた搭載スペースと搭載重量の中で、いかに自分の理想とする艦を建造するか……という「設計」が、このゲームのプレイ時間の過半を占めることになる。
一方で、強力な装備は高価であり、しかも、より強力な装備を購入するには技術開発にさらに莫大な資金を投じねばならないなど、理想の艦を完成するまでに、少しずつ改良を重ねていく過程が味わえる。
また、この設計の結果が、プレイ中の艦の挙動にダイレクトに反映され、画面としても徐々に派手になっていくのもプレイの楽しみを増していると言える。
背景世界の設定は、実在しない国家であることが多い。(一方、地形は実在の地域を元にしていることがある)
当然、設定はゲームごとに異なるが、ストーリーはおおむねあってなきがごとしのどうでもよいものである。
時代設定としては、当初「P38ライトニング」やら「サウサンプトン級」やら「61cm魚雷4連装」やらと、第二次大戦期を舞台としているとおぼしいのだが、技術開発に資金を投じるにつれ、「レールガン」「リングレーザー」「波動砲」「パウスラスター」など、近未来〜遠未来的な武装へと移り変わっていく。
同時に、敵も「ドリル戦艦」「超高速巡洋艦(モーターボート並み)」など、荒唐無稽な「超兵器」が「ボス」として現れる。
このような奇想天外兵器や、「戦艦一隻で巡洋艦50隻の撃沈に向かう」などのミッションには、「リアリティがない」という批判もあるが、シューティングゲーム・アクションゲームなど、たった一機の戦闘機、たった一人の兵士で、強大な軍隊・国家に立ち向かう(そして、敵として空中要塞や陸上戦艦が登場する)ゲームが多数見られることを思えば、艦が一隻(ゲームによっては、随伴する艦を含めた艦隊)与えられている本ゲームが、ゲーム界の中で特にリアリティを無視しているとは言い難い。
にもかかわらず、このような批判を受けるのは、このゲームを開発したのが、「信長の野望」「三国志」「提督の決断」などの硬派シミュレーションゲームを開発してきた「コーエー」であることが挙げられる。
しかも、同じくコーエーの女性向け恋愛シミュレーション「アンジェリーク」などは、「三国志」とは明らかにパッケージの絵柄が異なるが、本ゲームは、「提督の決断」と同じイラストレーターが描いているため、「硬派な海戦シミュレーションゲーム」だと誤認して買ってしまったユーザーが、特にシリーズ初期には少なくなかった。
希望内容:各作品ごとの説明(特に、「ガンナー」系が弱いので)
各作品の発売期日など、書誌的データ(本ではないけど)
KOEI The Best ウォーシップガンナー2 ~鋼鉄の咆哮~
*1:“戦艦”だけが登場するわけではない事に、注意。駆逐艦も巡洋艦も航空母艦も航空戦艦も、最新作では潜水艦までも登場する。